春を抱いていた 12 (12)/新田 祐克
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モエトモのBLトランクに入っていた「春を抱いていた」を最初読んだ時、爆笑してしまったワタシは人としてどうか?と思う。(;^_^A

なぜかといえば、「春抱き」は男同士の恋愛という要素も含めて基本なにもかもがものすごく真面目な話なんである。

人として真面目というか、本気な話なんですよね。

で、そんな「真面目」さを笑うワタシって・・・(;^_^A

そうなの。

ワタシは自他共に認める「ダメ」な人なので、この「真面目さ」が眩しいわけ。

仕事にも恋愛にも、すごく真剣で、「加藤」は「岩城」の家族に挨拶にも行くし、こうなんちゅうか筋を通すというとこがこの物語の基本なんだよね。

だから芸能界でも、私生活でもどんな面でもともかく「認めさせる」ということが話の主眼になるんだよね。

誰かに自分を認めさせるためには、そりゃあ、真剣にならざるおえんでしょう。

で、「春抱き」は、少年漫画よろしく、ふたりに次々と試練を与えて、ソレをクリアさせることによって12巻まで巻数を伸ばしているわけですね。

「ドラゴンボール」や「ガラスの仮面」方式だよね。

この話の進め方は読者が飽きないように大変うまく出来ている。

デカイ試練にあえばあうほど、二人は燃えるしな。

主人公のほかにも魅力的な脇キャラが生まれる確立が高くなるし、そうすりゃスピンアウトもありでしょ?

「冬の蝉」もどえりゃあ人気あるしなあ。


で、ダメなワタシは、この真面目さが眩しく、素直に「春抱き」をスキって言えないトコなのだ。

「春抱き」には、ワタシの大好きな「負の感情」もしくは「腐の感情」がないのよね。

みんな前向きであまりにも健康的過ぎるのね。

濡れ場に色気がないというのも、ふたりのHが非常に真面目だからでしょうねえ。

みんなに認められた安心に包まれた関係だからねえ。

なんつーかな。

このふたりはみんなに認められたご夫婦であり、一軒家に住み、仕事も順調。

悩みと言えば仕事に対する意欲の話で、それもどうせクリアする精神力も持ち、受け止めてくれる相手を常に確認しながら前に進むという、まとこ恵まれている設定であるからなのだ。

一体何処に?不安要素が?ドラマティク要素が?

つ、くらいであります。

そう。安定したバカップルなのよね。

うーん。

これってさあ、まあある意味理想じゃん?

うーん。

なんかさあ、まともすぎて萌えないんだよね。

つーか、素直に萌えたくない(爆)


じゃあさあ、読まなきゃいいし、感想もUPしなきゃいいでしょ?(苦笑)

うん。そりゃごもっとも。

でもさあ、そういう素直に萌えたくない部分があるにしろ、一応このふたりがどうなるのか見届けたいじゃん?

気になるじゃん?(^^;)


つまり「萌えたくない」のはワタシがこのバカップルに「嫉妬」してるからなんだね。きっと(爆)

そしていつかものごっつい脇キャラが登場して、「腐」や「負」の感情で、ふたりを責めさいなんで欲しいという鬼畜で捻じ曲がった感情もアリ。

どっちみち、鬼の脇キャラが登場したところで、最後はふたりの愛に負けちゃうんだけどね。

引っ掻き回してほしのよ。ふん!(苦笑)


まあさすが、「春抱き」。

ワタシのようなナナメな読み方もアリで、BLの先駆的作品であると、つくづく思うぜ。

それにしても、おふたり。

いくら家の中といっても、すっぽんぽん、はやめて。

ほんと萌えない。