- 凍る月 漆黒の情人/夜光 花
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「凍る月~漆黒の情人~」 夜光花 ラヴァーズ文庫
★ネタバレありだからね。要注意★
「夜を閉じ込めた館」からワタシをかなり愉しませてくれる「花ちゃん」ですがの。
これも愉しませてくれました。うふふ。
★20歳まで生きられぬと予言された子供「光陽」。
それゆえに外界から匿われる様に育てられ、中学を卒業して後、面打ちの祖父と祖母とひっそりと暮らしてきた。母の遺言で濃く焚き染めた香の匂いと、外出を禁じられ、幼馴染の「亨」しか友人はいない生活だった。
しかし祖父からは「二十歳になったら好きなことをして良い」と言われ、「光陽」はその日を心待ちにしていた。
誕生日を間近にしたある夜、庭先で騒ぐ飼い犬の様子を見に降りた「光陽」は、全身黒い異様な獣に襲われ傷を負う。
その場を「亨」に助けられた「光陽」だったが、「亨」の子供の頃にもあの獣に襲われたことがあったという指摘で、自分があの獣に狙われていたと気がつく。
一体、何故自分が狙われるのか。自分は何者なのか?
「光陽」自身の身体の秘密と、その出自の謎。隠すように自分を育てた母。
そんな時、「光陽」の前に「梁井」という男が現れる。
えーと。
ネタバレアリと言いながら、このへんであらすじ書くのヤメとかないと又長くなるからさ。
さて。初っ端から妖しくいい感じの文章で、ああ~胡散臭い感じで、ステキ★である。
そうねえ~なんだか昔の小説みたいな書き出しでいいんじゃな~い?とホクホクして読み出した。で、あ!ちゅう間に読み終わっちまいました。
おもしろかったんで!о(ж>▽<)y ★
まるで「乱歩」さんの「人間豹」を思い出させる「獣人・梁井」。
あ~気絶しそうにかっこいい!
しかも、「光陽」のことを死ぬほど焦がれている。
んだがの、それは「餌」。
つまり、「獣人」である「梁井」は「餌」となるべく生まれてきた人間を食さねば、命を失うという運命であり、食われるために生まれてきた「餌」は何度食われても再生すると。
「餌」は「獣人」と契約しない場合と子孫を残す場合は死に至る。
「獣人」と「餌」は運命共同体なんだが、いかんせん「餌」なのでどうも扱いが入手困難な珍味並みの扱いである。
あんまりだの。(;^_^A
さて、で、大変面白く一気読みできた・・・んだがの。
まあね、こういう設定であるからして、非常に暗いトーンか?と思うんだが、「光陽」が世間からズレまくっている天然なので、どうも緊張感がなく、なんだかそうねえ・・・
「少年活劇」みたいな感じなのよ。
いやあ、あのね?「序」と「獣」から始まる章が、つかねえ、章ごとに印象が変わると言うかなあ・・・。
トーンが変わるの。
「獣」から「少年活劇」になって、「珠」「芽」で「BL」になって「怪」でまた「活劇」になってえ・・と言う感じで、まあ、飽きないっちゃあ、飽きない。
うーん。そうねえ・・・
「デビルマン」みたい。
しかも、「梁井」と「光陽」の間に「恋」のような感情が芽生え始めると、単なるBLになっちゃうの。
ごめん。「花ちゃん」そうなんだ。
で、ソレがいいのか、悪いのかわからんが、荒唐無稽さが薄れるのね。
そこがちょっとね。
まあね、「花ちゃん」としては「梁井」にとって「餌」でしかない「光陽」に対する感情の変化を書きたいんでしょうが、そしてそれは「梁井」の性格設定がなかなか傲慢で不器用つー可愛さなんで、成功してるとも思うが、ガンバレ~!文章でご飯食ってくんだろ~?
一冊の本でトーンあんま変えるなあ~と。
次に続くんでしょう?と面白かったゆえに、「花ちゃん」に期待してるんで、次では一冊まるっと「荒唐無稽さ」を貫いて「荒唐無稽な愛」にしてみろ~!!
と。
そして実はこやつも「獣人」であった「亨」。
多分君は「獣」ゆえにきっと「光陽」に対して愛ある鬼畜ぶりを発揮してくれることを期待しつつ。
年内続編発売を待とう!