津波被害を受けた住宅の現地再建へ 〜仙台沿岸二木地区〜 | トウホク復興ブログ

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被災地仙台から復興に向けた情報とオモイをお届けします

本日(1/21)は、以前から相談を受けていた仙台沿岸の二木地区(災害危険区域外)の大内さんのお宅にお邪魔しました。

$トウホク復興ブログ 主に左奥の母屋の相談

相談というのは、自宅が津波で全壊判定を受けているが、貴重な建材の青森ヒバでつくられているので、できれば梁柱だけでも残したいというもの。ただし、公費解体できるのが今年3月いっぱいになること、梁柱を残すような解体(専門用語では"ほぐす”という)は労力が非常にかかるため公費では面倒みれないと言われていること、これらが大きな課題となっています。

そこで、まずは木造建築にも詳しい宮城県建築士会の大竹さんにご協力をいただき、現物を見に行くことにしました。

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大竹さんにざっとみてもらったところ、ほぐした建材を使って新築するのは費用が膨大になるので、既存の建物をジャッキアップして基礎を造りかえて、あとは屋根の葺き替えと壊れた箇所を改修する方が、費用負担が少なくてすむということでした。

具体的には見積もりを作成して、その上で大内さんの判断となりますが、貴重な青森ヒバを使っているということだけなく、緻密な細工の欄間や船底天井等、大工の心意気が感じられる秀作であるということで、大竹さんも壊すのは大変もったいないとおっしゃっていました。

$トウホク復興ブログ青森ヒバの五寸柱。土壁が剥がれているのは地震によるもので床から80センチくらいのところまでの汚れが津波によるものです。

とりあえず本日は下見だけということで、引き返すことにしましたが、帰り際に庭に植えてあった「温海かぶ(山形発祥)」を引っこ抜いて、大量にいただくことになりました。その他にも、白菜等が植わっていましたが塩害の影響はあまりないようでした。なお、温海かぶは薄く切って酢漬けにするとおいしいとのこと。

$トウホク復興ブログ 収穫してくれた温海かぶ

改修見積もりの金額にもよりますが、恐らく何らかのサポートがなければ、この立派なお宅もあえなく瓦礫と化してしまいます。今後、建築士会のみなさんとも検討しながら、いい形の自宅再建が達成できるようサポートしていきたいと思います。