11/10、あすと長町第一復興公営住宅において、世話人代表者会が開催されました。
世話人のみなさんは、顔見知りが少ない中で、どのように多くの居住者から信任される自治組織をつくれるかを検討しておりまして、まだ自治会は結成されていません。
昨晩は、集会所に必要な備品類の購入計画、コミュニティと管理の活動などについて、各班に分かれてざっくばらんに議論しました。
私たちは、ファシリテーター&アドバイザーとしてお手伝いさせていただいてます。
そのようななか、仙台市では、復興公営住宅から、各区の社会福祉協議会が自治組織および見守り体制づくりなどを担うというスキームをつくって、突然、支援に入ってきたのですが、世話人の方たちからは、進め方が強引で役割だけ与えられ、何をどうすればいいのか適切にアドバイスがないので、このままではプレッシャーで押しつぶされてしまうので助けてくれとサポートを求められ、改めて住民主導でのリズムを取り戻そうとお手伝いをはじめたところです。
こうした状況は、あすと地区の3つの復興公営住宅で同様の状況にあります。また他地域の復興公営住宅をみてもかなり似たようなことが起きており、行政主導での自治組織づくりでは、組織はできたがコミュニティや居住者同士の信頼関係は出来上がらなかったという話をよく耳にします。
仙台市内のとある復興公営住宅では、行政+社協から選ばれた自治会長がすでにその役割を投げ出して、他の方が代理で切り盛りしているというところが出ています。この自治会長に選ばれた方は「俺は役所から選ばれているのだから、ちゃんと言うことを聞け」というスタンスだったようで、そのため、まわりが付いて行かず、結局「やめた」というになったといいます。
あすと長町では、わたしたちまちづくりの研究者や専門家が仮設の自治会の方々と、4年間、共助を目指したコミュニティづくりを続けてきて、そして復興公営住宅にもコミュニティを継承でき、これから新たな居住者を迎えながら、これまでの経験の蓄積を活かしていく、そういう段階に入ったと認識していたのですが、行政と社協は、そうした積み重ねを無視して、彼らのやりたいようにやり始めたというのが、この半年間の状況です。
その一方で、昨晩のように世話人の方々の自発的な発意と取り組みの様子をみていると、あすと長町には共助型コミュニティのベースがしっかりと根付いてきていたことを実感します。またあすとの3つの復興公営住宅は、8割があすと仮設以外からのほぼみなし仮設からの方々です。でありながら、世話人会の半数以上は、あすと仮設からの面々です。そうした状況からも積み重ねが活きていることがみてとれます。
ただ、第一復興公営は、あすと仮設からは高齢ばかりが行かれたので、世話人の運営能力にかなり不安を感じていたのですが、外から入居された比較的若手の方々が、わたしたちに信頼を寄せてくれて、いまはしなやかなリーダーシップをとってくれています。
こうした状況に対して、区と社協はやはり面白くないようで、新井がヨコヤリをいれてきたと言っているそうです。確かに、ある部分を切り取ればそう見えるでしょうが、仮設でほぼ支援らしいことしてこなかった社協が、行政から業務委託(上記スキーム)を受けたといって、土足であすと長町の復興プロセスに踏み込んできたのですから、ヨコヤリをくらったのは、むしろ私たちのほうなのです。
というか、社協も私たちもあくまでも支援者という立場で、住民からいらないと言われれば、それまでなのです。今回は住民がどちらを必要としたのか、それだけの話なのです。
ということで、長くなりましたが、少し踏み込んで説明すると、いまの状況はこんな感じです。
覇権争いみたいになってしまっているのが本意ではないのですが、わたしとしてはこれまでの蓄積をさらに積み上げていくだけだと思っています。
「ややこしや~」ってな感じで伝わっていると思いますが、引き続き、みなさまのご指導、ご協力を賜りたいと思っております。応援のほど何卒よろしく願いいたします(^^)



