“村上春樹” 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』、book | No pain!,No gain! by #15K.U

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“まかぬ種は生えぬ” “労なくして益なし” “痛みを持って陣地を得る”
2012/06以降、継続的な“run” や“trailrun” に目覚めた事と
高校・大学でのRugbyの記憶がcross overする。そして、
OVER50でこれからも“pain”&“gain”の人生でありたい…



“村上春樹” 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』


内容(「BOOK」データベースより)

良いニュースと悪いニュースがある。
多崎つくるにとって駅をつくることは、
心を世界につなぎとめておくための営みだった。
あるポイントまでは…。


このところ “九州旅行記” に追われて、

久しぶりに本のブログです。。。


作家としての “村上春樹” よりも、

ランナーとしての “村上春樹” に、

尊敬と興味を感じる私です。。。


読了した本はたった2冊しかない私が、

毎年のようにノーベル文学賞の候補に挙がる

高名な作家の作品に、

コメントするのもどうかとも思いますが。。。


たった2冊というのが、

『ノルウェイの森』 『1Q84』 ですが、

『1Q84』SF っぽいファンタジー感はなく、

どちらかと言えば 『ノルウェイの森』 に近い、

“心境小説” と言った感じでしょうか。。。?


高校一年生の時にボランティア活動を

通じて意気投合し、

強い絆で結ばれあった男3人と女2人の仲間たち。。。


唯一人 “多崎作(つくる)” を除いて、

4人の苗字の一文字に、

の色彩を持っていた。。。


大学2年生の夏休みに、

この5人の間に起こった不可解な出来事、

唯一人 “多崎作(つくる)” にとっては、

理不尽な出来事。。。


その謎解きミステリーとしては、

最後の一歩手前まで結構ワクワクして楽しめました。。。


しかし最後の最後は、

犯人や殺害の動機などは一切明かされず…また、

“つくる” と恋人未満?の “沙羅” との最後も謎のまま…

自分で創造しなさいという意味なのか?

凡人には、

どうもスッキリしませんでした。。。



《本文より、》

「僕らの間には、
口にはださないけれど、
いくつかの無言の取り決めがあった。
『可能な限り五人で一緒に行動しよう』
といのもそのひとつだった。
たとえば誰かと誰かが二人だけで何かをしたりするのは、
できるだけ避けようと。
そうしないとやがてグループがばらばらに
ほどけてしまうかもしれない。
僕らはひとつの求心的なユニットでなくちゃならなかった。
なんて言えばいいんだろう。
乱れなく調和する共同体みたいなものを、
僕らは維持しようとしていた」




“そのとき彼はようやくすべてを受け入れることができた。
魂のいちばん底の部分で多崎つくるは理解した。
人の心と人の心は調和だけで結びついているのではない。
それはむしろ傷と傷によって深く結びついているのだ。
痛みと痛みによって、
脆さと脆さによって繋がっているのだ。
悲痛な叫びを含まない静けさはなく、
血を地面に流さない赦しはなく、
痛切な喪失を通り抜けない受容はない。
それが真の調和の根底にあるものなのだ。”