TOUR2024「冷たい沈黙」ー漆黒の儀ー
Zepp Diver City





「冷たい沈黙」というタイトルは何一つテンションが上がる要素がないのに、このツアータイトルが発表された瞬間から楽しみで仕方ありませんでした。
sukekiyoの魅力がより昇華されまくったアルバム、EROSIOを存分に体感する事ができる。

ガンダムの太もも


2月に合ったタイトルだと思っていたものの昼間は春の陽気。しかし夜になると寒かったです。
この日のZepp Diver Cityはホール仕様で椅子が並んでいる。
sukekiyoの漆黒の儀は黒い服を着て来場し、着席で映画のようにひたすら静かに見なければならない公演なのです。
だからこそ色んな事をより感じられる醍醐味があります。


静かな会場には昔の映画のセリフが流れている。
詐欺や裁判の話をしていて聞き入りながら開演を待つのが楽しかった。


ブザーが鳴り暗転するとSEが流れる中、メンバーが登場。
ライヴが終わるまでは音を立ててはいけないため静かに見守る。


1曲目はアルバムと同じくMargaret。
最初から力強すぎる演奏と、この曲の煌びやかさと美しさに圧倒されて涙が出そうになった。
ステージを覆う薄いスクリーンには光の粒が映されていた。
グロスでは絵画の縁の中に演奏するメンバーがいて、電球のような照明が後ろに吊るされていて芸術的で美しくもノスタルジックだった。


愛した心臓、Candis、Valentina、MOANでは匠は赤いショルダーキーボードを使用していてかっこよかった。
この4曲での京は女の子のような可愛さを感じまくった。
男でスキンヘッドにピンクのエクステ付けて毒々しいメイクをしているのに、そんな事を感じるのは明らかにおかしいのですが(笑)まるで女の子が憑依しているかのようで、アイドルみたいだった。


飛び跳ねたり動きや仕草にアイドルの女の子を感じまくるも、愛に飢えたような悲しさを同時に感じまくるのが、また愛おしくて儚くて仕方ない気持ちになる。
Candis、Valentinaでは専用のペンライトが客席を彩るも、照明は暗めで愛に飢えた女の心情が歌われているからか、その光が華やかさよりも物悲しさを感じるところがたまりません。


口に林檎では後半はレーザーが会場を彩り、10年前にsukekiyoで初めて公開された楽曲、aftermathでは紅葉のような光景の中で落ちる花びらが映され、深い和のチルの世界に引き込まれて安らぎを感じた。


セッションでは立派な椅子に京が座りスタッフが化粧直しする様子がリアルタイムに幕に映される。
ダークで淫らなムードの演奏がたまらない。
そんな中で後半からは即興で歌う。
「いつになれば愛されるの?」
「男とか女とか関係ない。美しいものが好きなの。」
といった意味深な言葉の数々に耳を奪われた。


9分に及ぶカオス曲、訪問者XはMVがステージ上に大きく放映されて、下はメンバーの演奏が見える中、英語で詩が映されていた。
収録映像とリアルタイムの演奏の対比に今ライヴを見られている事をより実感でき、前回よりも遥かに進化を感じまくる圧巻の演奏で圧倒されまくった!
ここからは盛り上がる曲はなく、魅せる・聴かせる曲ばかりだった。
模様や線が映され、その中で映される詩はより心にダイレクトに響くものがあった。


残酷なくらいに悲しみが突き刺さるも美しい「ただ、まだ、私。」のイントロではミラーボールに光が当たり、フロアーは幻想的な光景となった。
死別を思わせる詩と残酷な純情さに後半からは涙が出てきた。
前の席の女の人も泣いていた。
サビ前の「怖いくらい綺麗な嘘」というフレーズは何回聴いても繊細すぎて狂いそうになります。


壮大な白濁の次の曲。
sukekiyoはライヴ後にセットリストを公開しているので、分かってはいたけど憂染(うそ)のイントロが奏でられた時点で涙が止まらなかった。


爽やかなコード感と優しいメロディーが残酷すぎるくらいに悲しい曲。
輝かしい記憶を思い出して憂うような曲だと感じていて、去年は沢山のミュージシャンが亡くなって、そのファンはこんな気持ちなんだろうなとか、ウィルス騒動でライヴが全滅した時期だってあったし、今こうしてsukekiyoの生演奏を体感している事が凄く尊いのと同時に、いつかは見られなくなるという儚さを同じくらいに感じて、未来で憂染を聴いた時に今日みたいにライヴで聴けている事を思い出すのかなとか、そういう事を考えてしまって涙が止まらず、ずっとタオルで目を抑えていて、何とかステージを見てって感じでした。



最後が「忘れられない貴方を」で終わるのが余計に突き刺さっている中、この日1番聴きたかったけれど、これはライヴでは号泣必至だと感じていたEROSIOの最後の曲、「呼吸」が始まった。


星空のように美しくも儚くて悲しすぎる世界で
「こんな命でも生きてるんです私」
「愛する人や、愛してくれる人がいる貴方達とは違う」
「貴方達の世界には私だけ」


と孤独と疎外感を感じまくる詩がブッ刺さりまくり、死にそうなくらい辛い中で誰も味方がいなかった時期の事とか、今でも感じる事がある自分1人だけが違う世界にいるかのような社会や現実への疎外感を思って、この曲でも号泣が止まらなかった。
京は何故、自分の感じている悲しみをこんなにも毎回書き当ててくるのか。



しかも所々涙声で歌うし、この曲がライヴで演奏されるのは3回目にして音源を遥かに超える圧倒的な演奏だから気が狂う寸前で退場間際で危なかったです。苦笑
憂染と呼吸が続くのはもう完全にオーバーキルですよ。勘弁して欲しい!


最後は「悲しみは終わらない誰の為?」と
終わるのがまた凄く深い。
BRAHMANのLOSE ALLって曲も最後が「悲しみは続く」で終わるんですが、悲しみが続くって事はまだ生きているって事。
自分が死んでしまったら悲しみは感じられない。


生きる事は悲しみが伴い何の為に悲しみを続けるのか。
それは自分の人生の為だったり、自分を必要としてくれる人の為なんだよなと思ったりすると逆にギリギリ前向きな言葉にも感じてしまう。


最後の曲が終わりMargaretのピアノ&ストリングスのインストが流れる中で、スクリーンにはエンドロールが流れ、メンバーがステージを後にする。
この日初めての拍手が送られていますが、喰らいまくっていて更にこのインストの美しさにも感動しまくっている僕はこの時点でも涙が止まらなかった。


その後、耳寄り情報が3つも続いた。
U-NEXTで、この日のライヴが放送される事。
zephyrが流れる中で7/24にベストアルバム的な作品が2つリリースされる事。
そして「フレームアウトからの」が流れる中で8月にツアーを行う事!


さっきまで喰らっていた僕は一気に幸せな気持ちになり嬉しい気持ちで帰路へと就き、ライヴ中は反応出来なかったのが一気に開放されたかのように、ライヴの感想を投稿しまくり、ひたすらsukekiyo関連のワードで検索しまくり反響を見まくっていました。
最後は幸せな気持ちで終われて良かった。
もし告知が無かったら喰らった状態のまま帰る事になっていたと思うので助かりました🥹笑


sukekiyoが始動してライヴを見始めて今年で10年目ですが、この日の演奏が1番凄かった。
全編通して京さんも声出まくりで楽器も全パートが凄まじいパワーに満ちていた音を出していたし、映像も含めて全曲がクライマックスでした。
京という圧倒的な存在にsukekiyoの他のメンバーも全く喰われていない存在感があったし、sukekiyoは10年目で今が1番最高で最強です。



初期はひたすら一方的で圧倒する感じだったけど、今では一体感もあったりするし、スタンディングでは分かりやすく楽しい部分もあるし、本当にsukekiyoというバンドが好きすぎて愛して止まない状況です。


夏のツアーは2本は行きたいと思っております。
近年は真夏といえばsukekiyoになってきている。
sukekiyoが大好きな人は自分含め夏フェスとか余り興味なさそうな感じの人が多いので丁度いいですよね。笑
次回はスタンディングなので狂乱出来そうなのが楽しみです。
今回はなかったキラーチューンの畏畏も演るだろうし。


でも今回の漆黒の儀で、着席して静かに見るのも色んな事を感じ取りやすくて好きです。
大人しく鑑賞する日も思い切り楽しめる日もある今のsukekiyo、本当に最高すぎます。


素晴らしき沈黙の時を作り上げた皆さんありがとうございました。
EROSIOから全曲をライヴで聴けたので、EROSIOは無事に完成しました。
この余韻を持って、2/25はsukekiyo10周年カフェに行ってきます畏畏🙏🏻


セットリスト 

SE
1.Margaret
2.グロス
3.愛した心臓
4.Candis
5.Valentina
6.MOAN
7.口に林檎
8.aftermath
〜Session〜
9.訪問者X
10.論外な生き物として
11.変わってくれませんでしょうか?
12.夢見ドロ
13.Scarlet
14.ただ、まだ、私。
15.白濁
16.憂染
17.呼吸
Margaret(Piano & Strings inst.)




宝物の暗黒エンターテイメントのコラボ人形。

可愛すぎる🥹


ラストオーダーの20:30に間に合わず食べられませんでした残念🥺



新宿駅にて。凄かった。