退院して、普通の生活に戻ってみていろんな事が出来ない事に気づく。
•右手の指一本じゃ何も出来ない
扉を閉める時、開ける時、蛇口をひねる時など、指が引っかかって、一本では激痛がはしるレベルで痛い事。まだ指一本では扉を閉める事すら出来ない事が結構衝撃だった。
•お金をスムーズに出し入れ出来ない
自販機にお金を入れるとかが難しい。
小銭を手に掴んで1枚ずつ出す動きが出来ない。指が連動してしまい、各指が思うように動かない。薬指と小指だけ曲げるとか、人差し指だけで小銭を入れるとかが出来ない。
小銭を掴むという感覚も鈍っており、小銭を財布から思うように掴んで取り出す事が難しい。
•ナイフとフォークが上手く利用出来ない。
ナイフを右手で使おうと思っても、人差し指と親指で支えられず、切れない。
またフォークでパスタを食べる際、パスタをフォークに巻く。という動きが出来ない。フォークを回すという動きが出来ない。
これは、おはじきを使っておはじきを人差し指の方から、親指で押し出す動きが有効だった。
•咄嗟に言葉が出ない
電車で出かける際、電車が止まって振替輸送し、普段降りない駅で降りて、乗り換えをして目的地について、改札でピンポーンってなって、駅員に「どうしました」と言われた時。
「えっと。えっと…」と状況説明が出来ない。言葉が出てこない。何も言えない。困った。パニック。となった。。
結局何も言えなくて、駅員さんが困ってた。
Suicaを渡す事しか出来なくて。。「〇〇から来たんですか?」って言われ、頷いて、「ここを通りたいんですか?」って言われて頷いて。。
処理をしてもらって、無事に改札をぬけた。
失語症を実感した。話せなくなる。言葉が出てこない。っていう事が身にしみた。
•荷物を右手で持って移動するのが出来ない。
ちょっとした荷物を持つという事が出来ない。
軽いものであっても、持ち続ける事が出来ない。病院で袋を持って移動する事がなかったので、ショックだった。
•傘がさせない
グラグラしてとてもじゃないけど傘は右手ではさせなかった。荷物を持ってると、傘も左手、荷物も左手が…となるので、大変だった。
風がふいたり、雨の降る角度とか、いろんなバランスをとって傘ってさせるんだなって気付いた。
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出来ない事まだはたくさんあったけど、右手で今は出来ない事も右手を使って、左手で補助しながら生活してた。
傘や歯ブラシとかは両手でもって、右手で出来る事を出来るだけ右手でこなすように、傘もぐらつくからその振動は左手でカバーして、でもあくまで右手でもってという感じ。
コップも右手で持って、左手はそえるだけ。
普通箸も右手で何とか食べられるようになって。
普通とは言えないけど。。
どうしても掴めないものは左手で。
でも時間がかかっても出来るだけ右手でチャレンジするのを諦めなかった。
生活の中で右手を使うという事を意識して、右手を使いまくった。