バイオリンのテクニックで憧れている方の多いビブラート
弦楽器だからこその音の揺れが、時に激しく時に繊細で美しいですよね
「ビブラートをかけられるようになったら」というのを一つの区切りにしている方も多いように思います
教えるタイミングはそれぞれの先生にお考えがあると思いますが、
私は第3ポジションが安定したら、を目安にしています
またビブラートは左手のテクニックですが、音を出すのは右手ですので、
右手のコントロールが上手くいっていない場合は、
どれだけビブラートをかけても上手く響かないこともあります
それから、ビブラートを習う前は演奏する時に
単純化すれば、左手の押さえ、右手のボーイングという2つの要素に脳の処理能力を分配していたものを
左手、右手、ビブラートと3つの要素に分配しなければいけませんので
それだけの空き容量があるか、という問題も
簡単に言うと弾くのでいっぱいいっぱいだと厳しいということですね
そんなわけで、生徒さんの様子を見て「ビブラートやってみよう」というタイミングを判断しています
たいてい大人の方はビブラートに憧れをもっていて
やろう、というと乗り気の方が多いのですが、
なぜか子どもたちは乗り気じゃないことが多い
ビブラートは習い始めてすぐかかるわけではないので「難しい」とイライラする子や
理想と現実の乖離に「なんかうまくできないし」と若干臍を曲げる子や
綺麗にビブラートをかけられるのに、「この音ビブラートかけたら」と言わないとかけない子もいます
以前、勉強会で「ビブラートの教え時は生徒がかけたいと思った時」という先生がいらして
確かに、本人がかけたいと思わないと、どれだけ私が言っても響かないだろうなぁ、と
生徒本人がかけたくなるアプローチを模索中です
逆に、大人の方だとかけたいと思っていても「そんなレベルじゃないとか言われたら恥ずかしい」と
ご自身からは打ち明けられない方もいらっしゃるだろうなぁとも思うし
やはりレッスンにたった一つの正解というのはないんだなぁ、と奥深さを感じる今日この頃です