タスクの優先順位がぐちゃぐちゃになる理由。ADHDの“目の前バイアス”ってやつ
最近よく見る「タスク管理術」とか「優先順位のつけ方」ってあるじゃないですか。
正直言うと、ああいうのを見るたびに「いや、それができたら苦労しないんだよな…」と思ってしまう。
僕の場合、急ぎの仕事があったとしても、誰かに“今ちょっといい?”って声をかけられると、そっちの依頼にスッと流れてしまうことが多い。
頼まれた瞬間の“目の前の刺激”のほうが強くて、もともと抱えていた重要なタスクが後ろに追いやられてしまう感じ。
結果、「あれ?今日締切のやつどこ行った?」みたいな状況が定期的に起きる。
いや、わかってる。わかってるんですよ?
でも脳みそが勝手にそう動く。
●なぜこうなるのか
ADHDの研究でよく出てくるのが、
「実行機能(executive function)」と「ワーキングメモリ」の弱さ。
難しく聞こえるけど、ざっくりいうと、
- “計画を立てて”
- “優先順位を整理して”
- “その通りに進める”
この一連の処理が苦手、ということらしい。(実行機能の研究より)
特に、新しく入ってきた情報に注意がもっていかれやすいという特徴があるので、
急ぎのタスクより“今声をかけられたタスク”を優先してしまいやすい。
あと、ワーキングメモリの容量が小さいので、
新しい依頼が1つ増えただけで、もともとの急ぎ仕事がスッと脳の端に追いやられる。
このあたりは成人ADHDの研究でよく言われてます。(軽めの出典:PMCID: PMC6996017)
●「本当に急ぎの仕事」が後回しになる理由
僕の感覚だと、急ぎの仕事があるとわかっていても
“今、目の前で渡されたタスク”が一番リアルに感じる。
本来優先すべきものより、
「強く感じるもの」から処理しちゃうんですよね。
これを専門では“目の前バイアス(present bias)”とか、“刺激駆動型注意”なんて呼ばれるらしい。
呼び方だけ立派だけど、実態はただの「気が散りやすい」なんだけどね。
●そして、よくあるオチ
「急ぎ仕事、間に合わなかったやつ」
「他の仕事を請けたことで、急ぎの存在を忘れてしまうやつ」
これ、完全に僕の実体験なんだけど、同じタイプの人わりと多いと思う。
優先順位付けって、“苦手だからできない”だけであって、
根性とか気合いの問題じゃない。
仕組みそのものが向いてない。
●ちょっとした対策(できる範囲)
僕がやっているのはこれくらい。
- 急ぎの仕事はメモを“視界に入り続ける場所”に置く
- 依頼された瞬間に「今〇〇の仕事中なんですが、あとでいいですか?」と言う
→ これ、言えれば勝ち。たまに忘れるけど。 - タスクが2個以上重なったら、いったん全部書き出す
→ 書き出すだけで優先順位が見えやすくなる。
対策が必要というより、
「できない理由」を理解しておくほうが精神的にラクだったりする。
●最後に
同じように、
**“タスクの優先順位がいつも迷子になる人”**がこの記事にたどり着いたなら、
世界のどこかにあなたと同じ回路を持った仲間(僕)がいます。
安心してどうぞ。
それじゃね![]()