前回の記事からかなり日数が経ってしまった。これまでの記事にも書いてきたように、自分が期待していた通りに、世の中が進展しているので、ただただ見守っていた。


 そして、その進展の中で、今日、確信に至った事がある。長く続いてきた日本の不況の根源だ。これまでも、ブログの記事で不況の原因を書いてきたが、的の中心を射てはいなかった。原因を書いてはいたが、根源ではなかった。この不況が芽を出す前の、種を見つけた。


 誰もが、思っているだろう。不況の原因は、円高、デフレであると。そして、それが、バブル崩壊によって起こったと。バブル崩壊は、プラザ合意による、円高が原因だと。


 しかし、誰もが頭のどこかでそう思いながらも、日本は、これまで円安にしようとはしなかった。何故か。生産性向上とかコストダウンとか技術力を活かした新規開発とか優れたサービス力とかノーベル賞級の発明とか経営戦略力向上とか競争力向上とか規制緩和とかFTAとか行政改革とか人件費削減とか…挙げればきりがないが、そういった努力で、この不況を乗り切れると考えてきたからだろう。これらの事こそが、不況の原因だろうと。


 今考えれば、そこまでほんとによく頑張ってきたなと、心から感心してしまう程の努力だ。世界のどこかにいるであろう、今の日本の不況を誘発させた張本人たちが、一番感心しているかもしれない。日本人とは、なんという努力家たちなんだと。そして、同時に、その努力ぶりに脅威を感じているかもしれない。ハンディキャップをもらわないと、我々は負けてしまうと。


 その一端を最近見ることができる。まだまだ円高なのに、すでに日本の円安誘導に抗議の声が挙がり始めている。貿易に大きなダメージが出ると。


 そう、円高こそが、世界から我々日本人が課された足かせなのだ。その足かせは、プラザ合意に始まった。この足かせの重みを身を以て痛感し、それに耐えながら能力を向上させ、何とかしのいできた。その足かせを付けていては、もうこれ以上生きられないことにようやく気付いたのだ。今から、日本人はその足かせを外す。今となっては、誰にも文句は言わせない。


 足かせを外した時、日本はこれまでに足かせを付けて鍛えてきた実力が大きく解き放たれる。まるでピッコロ大魔王が重い装備を外した時のように。


 誰もが、円高が日本経済にとって、良くない面も良い面も持っていると思っているだろう。しかし、今続いている不況が円高によって誘発され、不況脱出がその円高によって徹底的に阻止されていると言い切る人はいないだろう。誰もこの不況の根源が円高であるとは思っていないのだ。単に原因のひとつに過ぎないとしか思っていないのだろう。


 そうではない。今や単純に円安にするだけで、日本は不況を脱出できるだろう。ただし、これまでの足かせは、日本の体力を相当奪ってしまっている。まずは、その体力を回復させなければ、少々きつい。体力回復とは、財政健全化だ。そこさえクリアできれば、何も心配事はない。


 さて、円高がこの不況の根源であるという根拠をまだ書いていない。円高に始まる不況のサイクルはこうだ。ここからが長くなる。


 実は円高にされた時点ですでにバブルの状態だったのかもしれない。過大評価によりバブル崩壊した。これは、時間の問題で必然だったのだろう。実体経済に合わない通貨高。国力、産業力より通貨価値がはるかに高い。


 もっと詳しく書くと、円高だから、資産の価値はすごく高い。円高になればなる程、日本の資産は高くなる。では、円安になれば、資産価値が下がるから、財政が危ないということにはならない。日本国債は、ほとんど日本人が円で買って持っているから円安も円高も関係ない。貯蓄に余裕があるうちは、そう言っていられる。


 資産の価値は高い方がいい。海外に出ていけば、資本力が高く、圧倒的優位に立てる。しかし、それと同時に、弊害がある。人が商品に感じる価値より価格が高ければそれは売れない。これが、バブルが成長から崩壊へ向かうトレンド転換点だ。ということで、資本力が大きくなる一方、産業競争力は落ちていく。すると、資本力がありながら、国内産業は衰退していく。


 具体的に言うと、商品は同等の価値であれば安い方が買いである。日本の資産が高い時点で、もう負け始めている。価格が高い分だけ素晴らしい商品でなければならない。ということは、海外勢と同等の競争力であれば負けるということだ。日本が勝ち続けるのは、価格が高いけど性能はその分いいと評価されているうちだ。商品価値にそれほど差をつけ続けることが不可能な時が来る。


 そこで間違いを犯すのが、商品価格を下げようとコストカットのために物価の低い新興国などに進出するという行為だ。この行為により、内需はさらに冷え込む。


 何が負けたのか、労働者という商品だ(本当は労働者を物扱いするのは嫌いだけど)。(ここからは嫌な表現になってしまうが、労働者を商品として見なさないと経済の話ができない。)海外の安い労働者が国内の労働者と同じ価値を持つならば、海外の労働者の方が買われる。それと同時に、国内の賃金は低下し、物価は下落し、あとは根源を断たない限り永遠にデフレスパイラルに入っていき、最後には、国家破綻という最大のバブル崩壊が訪れる。


 ここまでくれば、不況の根源が円高そのものであることがわかる。不況脱出のために、他のどんな対策をとっても崩壊は時間の問題であることがわかるだろう。不況脱出のために必ずとらなければならない唯一の手段は、円安誘導である。財政健全化に注意を保ちながら、円安誘導していくことしか助かる道はない。


 私がこれまで書いてきたことは、方向としては正解だったが、今日核心的結論に至った。プラザ合意に始まった世界の過ちを今正すのだ。海外に対する資本力は急落するが、それが本来の姿である。円高、日本は特別裕福な国という海外からの評価は、過去のものになる。それと引き換えに、海外勢と同じ土俵で競争できるようになり、生き残りの可能性を得る。以上。