私はおジャ魔女どれみを小さいときよく見ていた。
あの時間は至福の時だったと今でも記憶している。
推しメンはいない。みんな大好きだった。
親からは「ひらがなが全部書けたら見せてあげる」などと課題を課せられ、おジャ魔女どれみを見るために必死になってその課題たちをクリアしようと奮起していた。
それほどあのアニメに夢中だった。
何年か前、ふとした拍子にまたこのアニメを見たくなり
YouTubeで動画を漁った。
リアルタイムで放送されていた時よりもだいぶ時間が経っていたのであの時よりは話がしっかりと頭に入ってきて、
ストーリーそのものを楽しむことができ、
案外あのアニメは内容がしっかりとした、ただの魔女のお話ではないのだなと感じた。
昔は変身して、魔法でちゃちゃっと解決する、みたいな内容としてしか見ていなかったが実はそうではなく、ちゃんと彼女たちは変身のタイミングや魔法を使うタイミングをしっかりと選んでいたのだ。
クラスメイトにもきちんとした設定がつけられていて、クラスメイトがモブキャラとして存在しているわけではなく、また、変身する彼女たちだけで話が完結されない回もあるのだ。
日常に潜んでいる問題を魔法の力を借りて解決することで、
彼女たちは成長していく、というような話だったかなぁ?
さすがにそんな深い話小学校に入るか入らないかくらいの私には到底理解できなかっただろう。
この時から私には変身願望が生まれた。
例に漏れず私も変身グッズなどを買ってもらった記憶がある。
(まだ実家にあったりして。年末探してみようかな)
変身したらなんだか強くなれそうで、なんでもできる気がしていた。
時々自分が変身して戦うという妄想もしていた。
(もうこれ以上は恥ずかしくて言えない。)
私は今、その変身願望を化粧や服装で叶えているような気がする。
化粧をして、身だしなみを整えて出かけると、何もしていない時よりは強くなれている気がするのだ。
自分が化粧を頑張ろうと思えた大きなきっかけがある。
元彼の浮気だ。
あの時は猛烈な怒りで爆発しそうであった。屈辱的で、なんで自分がこんな惨めな目に遭わなければならないのかと一晩中考えていた。
「絶対に見返してやる」
そう決意し、化粧を覚えることを決意した。もっと綺麗になって、浮気したことを永遠に後悔させてやろうと私は燃えた。
10代の終わりの出来事、未成年だった私がサナギをぶち破るように変わって行った出来事だった。
そんな化粧は今では自分にとってスイッチになっている。社会の中で生きる人間の形を形成するために必要な儀式、もしくは自信を持って人前に出るために必要な魔法だ。
昔見た画面の向こうのどれみちゃん達のように、私も変身して健気に戦っているのだ。