■避難しない人々
2022/01/15 13:10(日本時間)に発生したトンガ・フンガトンガ・フンガハアパイの海底火山噴火。
この後で津波警報・注意報が発令され、宮城県では8万8千人ほどに避難指示が出された。
だが、実際に避難所へと避難したのは、最大でも1%に満たなかった。
宮城県沿岸では津波注意報が出され、14の市と町が避難指示を出した。
そして、避難所に避難した人の数は最大で午前5時10分時点の177人だった。
もっとも、この数には、車中泊や自宅への垂直避難(階上へ移動など)は含まれていない。
避難者が少なかった理由について、各自治体の災害担当者は、住民が地震の揺れを感じなかったことや、気象庁が当初「津波の被害の心配はない」と発表したことなどから、危機感を持ちにくかったのではないかとしている。
1/19のAmeba支部の記事で、岩手県久慈市で避難所へ避難した人々が非常に少なかったことを紹介した。
だが、この時は深夜に屋外の神社への避難という過酷な条件も理由としてあっただろう。
だが、今回は事情が異なる。
■「揺れたら避難」では遅い
津波は、大地震によって発生するものだけではない。
今回の場合は、気象庁が津波警報を出さず、「津波の心配はない」などと発表したことも大きな一因だっただろう。
だが、そうではない津波も各種ある。
たとえば太平洋の対岸の国、特に南米で巨大地震が起きた場合は、日本に津波が達することも過去には多くあった。
たとえば、下記の事例がある。
1868/08/13:ペルー・チリ北部沖・アリカ地震、Mw8.9~9.1、死者2万人、三陸に遠地津波。
1875/05/09:チリ北部沖・イキケ地震、Mw8.6~9.0、死者2千人?、三陸・房総半島に遠地津波
1960/05/22:チリ地震、Mw9.5、死者5700人、日本への津波で死者142人。
2010/02/27:チリ・マウレ地震、Mw8.8、死者452人、日本へ津波。
特に日本で大きな被害が出た津波の一つは、1960年のチリ地震津波だった。
この時、日本の多くの地域に津波が到達した。
たとえば、むつ市6.3m、三陸海岸6.4m、大船渡市4.3m、女川町4.2mといった高い津波が襲ったところも多かった。
詳細のデータは下記Wikipediaにある。
■情報不足の怖さ
避難行動に詳しい東北大学災害科学国際研究所の佐藤翔輔准教授は、このように指摘する。
「宮城沿岸の人たちは、東日本大震災で『揺れたら避難する』という意識が定着しているが、揺れがなかった今回はその意識が避難行動を阻んだのではないか。知識や経験は非常に重要だが、固定化することは危険で、災害が起きたら避難判断を一つ、二つ上げて行動することが重要だ」
自分(たち)の経験で災害の危険性などを判断するのは、大きな限界があるのだ。
そのような人々は、情報不足なのだろう。
津波で自分や家族が命の危険に晒される土地に住む人々は、サバイバルのために日頃から大地震・津波のニュースをチェックするなど、日頃からの情報収集が大切だろう。
太平洋沿岸に住む人々にとって、「揺れてから避難」するのでは手遅れになる恐れがあるということを強調しておきたい。
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