■津波で避難しない人々

 

今日の毎日新聞で、『寒い、トイレない…岩手で津波警報解除前に帰宅相次ぐ トンガ沖噴火』と題した記事があった。

 

 

1/15にトンガ・フンガトンガ・フンガハアパイの海底火山噴火で発生した津波で、岩手県久慈市では1.1mの津波を観測した。
この時、津波警報が発令され、久慈市の海沿いの住民は指定された避難所へ避難するよう指示が出た。

だが、避難した人々は最大574人で、避難指示対象の16%にすぎなかった。
更に、警報解除前にほとんどの住民が避難所を離れていた
 

■警報解除前に帰宅した

久慈湊地区では、高台の金刀比羅(ことひら)神社が避難場所に指定されている。
避難した70代女性は、屋外のため避難した人はほとんどいなかったと話す。
「寒くてトイレもない。被害が出ていないという報道もあり、すぐに帰宅した」と設備面の不安を語った。

Googleマップの衛星写真を見ると、金刀比羅神社は久慈港から山道を登ったところにある。
真冬の東北地方で、夜中に避難指示が発令されても、ここまで避難しようという人がどれだけいるだろうか。

 



久慈市総合福祉センターならば屋内で暖房もあるだろうが、そこまでは2km離れている。
徒歩で30分かかり、車がない高齢者がそこまで避難するのは無理だ。
 

■国が財政支援を

自主防災会役員の60代男性は「近所に安心できる避難場所がない。このままでは避難を諦める住民も出てくる。そうなれば被害や死亡率は高くなる」と危惧する。

どんなに政府が津波避難ビルやタワーの建設を奨励しても、財政難の自治体には無理がある。

斎藤徳美・岩手大名誉教授(地域防災)は「国は日本海溝・千島海溝の津波の浸水想定を示したのだから、避難場所の整備に財政面で支援すべきだ。また自治会など地域に1人は防災士の資格を取得してもらうなど防災に詳しい人材を育成すべきだ」と語る。

千島海溝などの巨大地震・津波が迫っているといわれる中で、真冬でも安心して避難できる屋内施設の建設に、早急の対応が必要だろう。