彼は言う。



「肌が白くて、指が綺麗な人が好き」




わたしは近づきたかった。


彼の理想に。


けれど、それは一生届かぬ想いで



どんなに肌を綺麗にしようと努力しても


どんなに指を綺麗にしようと努力しても



彼の言うそれは、もうすでに「理想」という抽象的なものではなく、具象的なものなのだから。





彼は言う。


彼女を見て。



「肌が白くて、指が綺麗な人が好き」



それは、理想ではなく、彼女の好きな所だったんだって。


だから、わたしではだめなんだ。


どんなに肌が白くても、どんなに指が綺麗でも、「彼女」でない限り届かない。



彼の理想は、抽象的じゃない。


追い求めるかたちでもない。


ただ、彼女の影を追った、彼が焦がした想い。



その影を断ち切る術は、「彼女」に当たる陽に影を落とせばいい。


どんなに正しい道を貫こうとしたって


とどのつまりその正しい道は、最初は正しくとも終着点は


「正しくなかった道」なのかもしれないのだから。




どの道を歩んだところで、終焉は同じことなのだから


だから今は、この想いを






20130303