先日話していた方がこんなことを言われた。

 

「世の中のえらい人もみんな一回子育てしてみたらいいと思うんだよね。

なんで男の人って北朝鮮問題みたいに、すぐ戦おうとするんだろう。

子育てするとさ、これはどうにもならんとか、無理とかいう時がいっぱいあるじゃない。

そういう経験をすると相手を許すことができるようになると思うんだよね。」

 

 

初対面の方だったけど、本当に私もまさに同じことを考えていたので「うんうんうん」と激しくうなづいて聞いていた。

 

子どもといると、

あーこの子とは親子だけど、私とは全く別の人間なんだなと思うことがよくある。

だからこちらの思い通りにいかせようとしても全くいかない。

 

 

先日もこんなことがあった。

その日は仕事だったので、早く家を出たい私。

 

長女は小学校へ行ったのでオッケー。

問題は下2人。

 

次女は機嫌をそこねると大変なことになるので、なるべくやさ~しく

 

「ごはんたべよっか~♡」

「歯磨きしよっか~♡」

 

と保育園の先生なみに声をかけて動かす。

 

なんとか機嫌よく玄関を出てよしよし・・これなら余裕で間に合う・・と胸をなでおろしていたら、

後ろから来た三女がじいちゃんのおつまみの「カンパン」を袋ごと抱えて嬉しそうにやってきている。

あぁせっかくさっき必死に歯磨きしたのにあの苦労は一体・・

 

それを見た次女が「むっちゃんもちょーだいー!!」と取ろうとする。

しかしすごい剣幕で怒る三女。

「ダメー!!ダメー!!」4才と2才の必死の攻防が続く。

 

しかし私が「むっちゃん相撲とりになったほうがいいよ」と一押しするほどの次女の腕っぷしにはかなわない。あっけなくカンパンを奪われてしまう三女。

 

「ギャーーーーー!!!」

 

はりさけるほどの鳴き声が車中に響く。

「じゃあビスケットは?」

「イヤダー!!」

「じゃ、じゃあ、グミは?」

「イヤダー!!コレ!コレ!!(カンパンを指す)」

「むっちゃんひとつあげたら?」

「だめよ。これむっちゃんの。はなちゃんはさっき食べたやん。」

 

 

この時点でとっくに出発予定時刻は過ぎている。

早く行かないと仕事に遅れてしまう!焦る私!泣き叫ぶわが子!

しかしカンパンはもうない!!

あぁなぜもうひとつじいちゃんはカンパンを買っといてくれなかったんだ・・カンパン~カンパン~

 

 

そこに泣き叫ぶ三女の声を聞いてばあちゃんがかけつけてくれた。おお!お義母さん!何か気を紛らすものをもってきてくれたのねさすが!

 

「なんば泣きよっとね~~ホラ、はなちゃんはこれがあるよ~」

 

と差し出されたのは我が家の最高級のおやつ・チョコレート!!

 

チョコ!!2才児にチョコ!しかもそれ私用に隠してたやつですおかーさん!(涙)

 

三女は初めてのチョコに目をキラキラ輝かせて超嬉しそう。

し、しかたがない、背に腹は代えられん。このまま大人しくしてればそれでいいや・・

 

結局ばーちゃんのチョコ作戦で幕を閉じました。

 

 

 

子どもができて変わったこと

 

「諦めること」

「妥協すること」

「どうしても無理なことが世の中にはある」

 

そして一番は

「許す」

ということ

 

 

昔の私は体育会系の世界で育ったせいか、すごくルールに厳しかった。

時間厳守、言葉遣い、自分が先に動く、諦めない、・・

だからそれができない人を見るとちょっと腹が立っていた。

 

だけど子どもといると

時間通りに動かないのは当たり前。

予期せぬトラブル日常茶飯事。

動きたくても動けないこのつらさ。

 

諦めるというかもう「ゆだねよう」という感じ?

なるようになれ~みたいな。

 

こんな経験をすると

「あぁこの人もあの人も大変なんだろうな」

という感情が生まれてくる。

そうすると「許す」ということができるようになってきた。

一番許せるようになったのは自分自身かもしれない。

 

失敗もする、勘違いもする、失礼なこともする、時間も遅れる、

そんな私でもいいじゃないか。

だからあなたもそれくらいで全然オッケーだよ。

 

 

世の中のおえらいさんになる試験(ってどんな試験?)に

「10年間の子育て経験必須」ってなかなかいいと思うんだけどなぁ