なんてこった。
セクシーなキャミソール姿の朝青龍を目の前にし、もはや絶望感以外の感情が湧いてくることは一切なかった。
シャワー室へと通される。
いつもはカラスの行水だがこの日ばかりは隅々まで体を洗って少しでも時間を稼ごう。
そんなことを思いながらシャワー室のドアを閉めようとする。
・・・・・?
・・・・・・!!!
まさかのアシスト付きだ。
狭いシャワールームに半ば強引に入ってくる彼女。
シャワーくらい一人で浴びれるよ?俺は。
そんなご丁寧にアシストしてくれなくても大丈夫。
そんな思いとは裏腹に彼女の手は止まらない。
なんの躊躇もなく、息子にダイレクトタッチだ。
荒々しく洗われる息子。
彼女を見下ろす形になるため、このポジションからは顔は見えない。
頭しか見えないのでこの角度を維持すれば、少しぽっちゃりとした女性に見えないこともない。
入店から10分ほど経過したかと思われるが、ホンの一瞬、安堵感が訪れた瞬間だった。
しかし、幸せな時間というものは長続きしないものだ。
僅かに気を抜いた自分にマッサの神はまたしても僕に試練を与えてきた。
嗅覚攻めだ。
石鹸をつけて洗ってるそばから臭う。
確認するまでもなく臭いの素は彼女から発せられている。
もういやだ。
頬をつたっているのは涙じゃない。
シャワーの水がはねただけだ。。
震えているのは悔しいからではない。
お湯がぬるくて寒いだけだ。。
ひとりノリツッコミをしながら気を紛らわすが、仕事熱心な朝青龍はあいも変わらず身体をまさぐり続けている。
そして。
何を思ったか息子が目を覚ましはじめてきたではないか。
中途半端に身体を流され拭き拭きタイムだ。
右手には流しきれていない石鹸の感触が確かに残っている。
だがそんなことはどうでもよかった。
より正確に言えばそんなことに気は回らなかったと言うべきかもしれない。
いま、僕の身体はバスタオルで拭かれている。
あきらかに誰か僕ではない他の人が使ったであろう使用済みバスタオルで。。
しっとりとしたバスタオルの感触を僕はこの先忘れることはないだろう。
辛かったシャワータイムは終わり、いよいよ部屋へと移動だ。
無論、紙パンツなどあるはずもない。
タオルを一枚無造作に掛けられると、うつ伏せから背術開始だ。
ゴングは鳴らされた。

