開始とともに馬乗りになってくる彼女。
いつもならこの上ない展開にテンションMAXとなるところだが、きょうばかりはテンションただ下がりだ。
マッサージ開始から3分ほど経ったであろうか。
早くも腰のタオルを外してきた朝青龍。
お尻攻めだ。
しかもいきなりお菊さん周りを攻めてくる展開に百戦錬磨の僕をしても驚きを隠せない。
は、はやい。なんて早い展開なんだ。
じらしもくそもない。
懸命に脚を閉じてお菊さんを隠そうと抵抗するが、、、
DIOも真っ青のスタンド攻撃を繰り出され、あっさりと片手で払いのけられてしまう。
さらに一瞬の隙をつかれると、太ももの間にすっと入り込んできた。
もうだめだ。
僕は抵抗することをやめた。
僕の身体はどんどんけがされていく。
せめて違うことを考えよう。
頭を横に向けると入室した時にその存在を確認していたノートパソコンが目に入った。
PCからは韓流ミュージックが映像付きで流れている。
恐らく不法DLしてきたものだろう。
チッ、最悪だな。こいつ。
だが最悪なのはそこではなかったようだ。
PCの上部にWEBカメラが取り付けられている。
そしてそのカメラは見事にこちらを向いているではないか。
まさか。。
盗撮?
売られるの?
「実録!エステ店で罠にはまった男たち」
いやだ、もう何も考えたくない、いや、考えることはできない。
完全に思考回路を破壊されていた。
意識が朦朧としていたが朝青龍は御構い無しに攻めてくる。
時折り爪を立ててサワサワとしてくるのだが、その行為がなんとも腹立たしい。
展開は目まぐるしく変わる。
うつ伏せでのお尻攻めに飽きてくると、仰向けタイムへと突入だ。
一度は寝たふりでやり過ごすが、声が耳元に近づいてくる危険を感じたので渋々起き上がる。
生まれたての姿へと化した僕には彼女に抵抗し得る武器はなにひとつない。
ああ、このまま徐々に核心へと迫ってくるのだろう。
そう覚悟を決めていた。
しかし、そんなことはなかった。
初手から核心部分を攻めてきた。
すっかり気落ちしている僕の息子は意気消沈。
ピクリとも動かない。
何をされても全くの無反応である。
もしかすると、このままいけば、さしもの朝青龍も攻撃の手を緩めるのではないか?
うまくいけばプライドを傷つけられた彼女は逆上し、時短してくる可能性だってある。
深い闇に包まれた僕の意識に僅かながら希望の光が差し込んできた!
が、僕が思うほどヤワな相手ではなかった。
どこをどう見たらこんな言葉が出てくるのだろう?
「キモチイイデショ?」
まさかのカウンターパンチをもろにくらった僕は彼女にこう告げた。
「うん。」
どこかで見たことあったな。
「NO!と言えない日本人」
もはや逃れる術はないのだ。
そう確信した。
そうなってくると取るべき行動はただ一つしかない。
出すだけ出して帰る。
僕に与えられた道はそれしか残されていない。
そっと目を閉じイメージを膨らます。
次から次へと様々なイメージを脳裏に映し出すがなかなか反応が表れない。
かつては妄想族の特攻隊長としてあらゆる凶悪な妄想行為をしてきたが、今ではその力も錆び付いてしまったのか。
はたまた相手が悪かったのか。
彼女は妄想族としてのプライドすらも奪っていった。
最後の意地を見せてなんとか抵抗するもどうにもならない。
すると彼女の攻撃が突然止まった。
「タイムアップ?」(嬉しい!)
僕が彼女に問い掛ける。
思えば入店してから初めてだな。こちらから声を掛けたのは。
だが。。
彼女の口から発せられた言葉は・・・。
「これから泡泡タイムに入ります。」
え?
なに?
あわあわ?
まだ何かあるの?
頭の中はハテナで一杯だ。
オイルでベトベトになった僕をひとり部屋に残して準備のため一時退室する朝青龍。
静まり返る部屋の中。
廊下をバタバタと歩く音が聞こえる。
何人かお店の人がいるようだ。
部屋の外からは子供の声が聞こえてくる。
せめてテレビの音くらい小さく絞ってくれ。
今度はお母さんらしき人の叱りつける声。
一体どんなドラマを見てるのやら。
あれ?
なんか妙にリアルな会話な気がする。
このお母さんの声、どこかで聞いたような。
・・・・・!!!!!