ジョン太郎の奇妙な物語 -2ページ目

歴史的敗戦となった御徒町C。


この悪夢を払拭するにはハシゴしかない。


本来ならじっくりと検討するべきところだが、この日ばかりは一刻も早いダメージの回復が求められていた。


近くで評判の良さそうなお店を検索する。

すると、3人中3人の評価が高いお店を発見。

すぐさま電話をかけた。

HPに掲載されていない娘に出てこられても困るし、今度ばかりは失敗できない。

普段は初めてのお店で指名はしないのだが、見た目も悪くなく口コミもよい娘を確保した。


ドアを開け娘とご対面。


しょぼん


ああ、今日はうまくいかない日だ。

この街ではこのレベルで上々ということなのだろうか。


彼女がカーテン仕切りの部屋に通してくれる。


服を脱ぐとシャワー室へ。

つい30分前にシャワーを浴びたとも言えず、無駄な時間を過ごす。


このシャワー室がびっくり。

排水溝からただならぬ悪臭が漂っている。


踏んだり蹴ったりだ。


部屋に戻るとマッサージ開始。


これが意外とうまい。

力強くなかなか気持ちいい。

ただ若干潔癖症の僕はシーツは変えてあるのか、顔のタオルは変えてあるのか、そっちに気が行ってしまいあまり集中はできなかった。


どっちかの腰が上がっていてどっちに力がかかってるから、どこの筋肉を使うようにした方が良いとかうんちくも多い。

それなりにマッサージについて勉強もしているようだしマジメな性格のようだ。


うつぶせの施術が終わると仰向けに。


するといきなり豹変。


事前にまむしドリンクを飲んでおいてよかった。


おれもまだまだいける。

勇気を与えてもらった気がする。


が、この日はそれでも終わらずまさかの3件目に突入することになる。

なにやらしゃべっているのはテレビの音ではなかったようだ。


明らかに部屋の向こうに子どもがいる・・・・・!!!!!!



間違いない。

この声はお母さんが甘えてくる子どもを叱っている声だ。

言葉は理解できないが、日本語に訳せば恐らくこんな感じだろう。


「ママ、ママ-。お腹すいた-。おかし食べたいよ-。」


「待っていなさい!いま、お母さんはお仕事中なんだから!」


「でも、お腹すいたよー。おやつちょうだいよー。」


「うるさいなー、もう!このクッキーでも食べてなさい!いまお客さん来てるんだから、静かにしてなきゃだめよ!」


このあり得ない話しが本当なのか、作り話なのか。

それは読む人それぞれが判断すればいいと思う。


ただ、この体験から1週間が経過した今でも、僕の心は深い闇に閉ざされていることだけは伝えておく。


洗面器に石けんで泡立てたものを入れ持ってきた彼女、いや、お母さん。

正直な話し、こういうノリのお店は初めてなので少し戸惑っていたが、この時点でだいたいの察しはついていた。


うつぶせにさせられるとその泡を背中に塗りたくる。

普通、髪の毛には付かないようにとか色々と気をつけそうなものだが、じゃんじゃんかかってくる。


一通り泡を塗り終わると再び立ち上がる彼女。


キャミソールを脱ぎだした。


なるほど。そういう展開か。


またしても僕の想像の領域をいとも簡単に超えていく彼女。

あっぱれである。

もう腹をくくって楽しむしかないのか。


しかしそれを許さないものがあった。


鮫肌だ。


泡のぬるぬるは感じとれるもののザラザラ感の方が強い。


なされるがままの僕。


背中にはお母さんのぱいの感触。

もはやエステ店ではない。


その後は仰向けになり。。


歴史的な敗戦となった。。


ぬるぬるにされた僕はいったんそのまま2分ほど放置された。

エアコンが効いていて、風が当る度にひんやりとする。


ようやくお迎えにきた彼女。


「シャワー、浴びますか?」


「そうだね。」(当たり前だよ!)


最後のシャワーは一人らしい。

よかった。

勢いのないシャワーからは冷たい水が出ている。

なかなかお湯にならない。

1分ほど経ってもお湯にならないので彼女を呼んでみた。


「ああ、お湯の方がよかったですか?ちょっと待って下さい。」


湯沸かし器のスイッチを切っていたのだろうか。


ちなみにこの時はまだ5月である。


はあ。。


ようやく生温いお湯へと切り替わってきた。

相変わらず勢いは弱い。


けがされた身体を丹念に洗う。

息子の状態も心配である。


「大丈夫か?」


問いかけるように石けんできれいに洗う僕。

しかし、なかなかオイルが取れない。


・・・。


これは、オイルじゃない。


ローションかよ!
妄想族ブログ-baiking


オイルとローション。

似てはいるが間違えるものだろうか?

そもそもなぜエステ店にローションが?


もっと丹念に洗いたいところだが、今度は部屋に残してある財布も心配だ。

急がなきゃと思うが、お袋さんがヒリヒリするのも気になる。

なにを仕込まれたんだろう。

今度は冷や汗が出てきた。


なんとか最低限洗い終わりシャワー室を出る。


やっぱり。


ない。


バスタオルが。


もはや、そこに驚きはない。


彼女を呼び、バスタオルがない旨を告げる。


すると彼女は黙って僕にバスタオルを差し出してきた。


洗濯機の中に半分入りかけている使用済みのタオルを。。


そこから先のことはあまりよく覚えていない。

どうやって部屋にたどり着いて、どうやって帰ったのか。


60分ぶりに吸うシャバの空気がとてもうまい。


一息つくと、近くの公園のベンチに腰掛ける。

携帯を取り出すと、すぐさまエステ店の検索を始めた。

この悪夢を取り払うための2回戦を求めて。


開始とともに馬乗りになってくる彼女。


いつもならこの上ない展開にテンションMAXとなるところだが、きょうばかりはテンションただ下がりだ。


マッサージ開始から3分ほど経ったであろうか。
早くも腰のタオルを外してきた朝青龍。


お尻攻めだ。


しかもいきなりお菊さん周りを攻めてくる展開に百戦錬磨の僕をしても驚きを隠せない。


は、はやい。なんて早い展開なんだ。

じらしもくそもない。


懸命に脚を閉じてお菊さんを隠そうと抵抗するが、、、


妄想族ブログ-muda


DIOも真っ青のスタンド攻撃を繰り出され、あっさりと片手で払いのけられてしまう。

さらに一瞬の隙をつかれると、太ももの間にすっと入り込んできた。


もうだめだ。


僕は抵抗することをやめた。

僕の身体はどんどんけがされていく。


せめて違うことを考えよう。


頭を横に向けると入室した時にその存在を確認していたノートパソコンが目に入った。
PCからは韓流ミュージックが映像付きで流れている。
恐らく不法DLしてきたものだろう。
チッ、最悪だな。こいつ。


だが最悪なのはそこではなかったようだ。

PCの上部にWEBカメラが取り付けられている。

そしてそのカメラは見事にこちらを向いているではないか。


まさか。。


盗撮?


売られるの?


「実録!エステ店で罠にはまった男たち」


いやだ、もう何も考えたくない、いや、考えることはできない。

完全に思考回路を破壊されていた。


意識が朦朧としていたが朝青龍は御構い無しに攻めてくる。
時折り爪を立ててサワサワとしてくるのだが、その行為がなんとも腹立たしい。


展開は目まぐるしく変わる。

うつ伏せでのお尻攻めに飽きてくると、仰向けタイムへと突入だ。

一度は寝たふりでやり過ごすが、声が耳元に近づいてくる危険を感じたので渋々起き上がる。


生まれたての姿へと化した僕には彼女に抵抗し得る武器はなにひとつない。


ああ、このまま徐々に核心へと迫ってくるのだろう。

そう覚悟を決めていた。


しかし、そんなことはなかった。


初手から核心部分を攻めてきた。


すっかり気落ちしている僕の息子は意気消沈。

ピクリとも動かない。
何をされても全くの無反応である。


もしかすると、このままいけば、さしもの朝青龍も攻撃の手を緩めるのではないか?
うまくいけばプライドを傷つけられた彼女は逆上し、時短してくる可能性だってある。

深い闇に包まれた僕の意識に僅かながら希望の光が差し込んできた!


が、僕が思うほどヤワな相手ではなかった。


どこをどう見たらこんな言葉が出てくるのだろう?


「キモチイイデショ?」


まさかのカウンターパンチをもろにくらった僕は彼女にこう告げた。


「うん。」


どこかで見たことあったな。

「NO!と言えない日本人」


もはや逃れる術はないのだ。
そう確信した。


そうなってくると取るべき行動はただ一つしかない。


出すだけ出して帰る。

僕に与えられた道はそれしか残されていない。


そっと目を閉じイメージを膨らます。
次から次へと様々なイメージを脳裏に映し出すがなかなか反応が表れない。
かつては妄想族の特攻隊長としてあらゆる凶悪な妄想行為をしてきたが、今ではその力も錆び付いてしまったのか。
はたまた相手が悪かったのか。
彼女は妄想族としてのプライドすらも奪っていった。
最後の意地を見せてなんとか抵抗するもどうにもならない。


すると彼女の攻撃が突然止まった。


「タイムアップ?」(嬉しい!)


僕が彼女に問い掛ける。
思えば入店してから初めてだな。こちらから声を掛けたのは。


だが。。
彼女の口から発せられた言葉は・・・。


「これから泡泡タイムに入ります。」


え?

なに?

あわあわ?

まだ何かあるの?

頭の中はハテナで一杯だ。


オイルでベトベトになった僕をひとり部屋に残して準備のため一時退室する朝青龍。


静まり返る部屋の中。


廊下をバタバタと歩く音が聞こえる。
何人かお店の人がいるようだ。


部屋の外からは子供の声が聞こえてくる。
せめてテレビの音くらい小さく絞ってくれ。
今度はお母さんらしき人の叱りつける声。
一体どんなドラマを見てるのやら。


あれ?


なんか妙にリアルな会話な気がする。

このお母さんの声、どこかで聞いたような。


・・・・・!!!!!