最近思ったんですけど、
夕方とか夜の報道番組 (WBSを除く) でのコロナのニュースって、
ネットニュースで30秒で読み終える程度の内容を20分くらいかけて伝えていますよね。
あれを見ていると世の中の全てがコロナに支配されているような気がしますし、
ああいうダラダラとした論理的なストーリーのない発表構成をゼミでやったら先生に散々言われるんだろうなと、
研究活動を始めてから感じるようになりました (笑)
ちなみに私は、高校時代に経済の先生から紹介されて以来、夜のニュース番組はWBSを見るようにしています。
WBS、神番組ですよね。
さて、今日は元々夕方に入っていた予定が午前で終わることになったので、
前から気になっていた、箱根・芦ノ湖にある「湖尻水門」を見に行くことにしました。
(最初は名古屋にひつまぶしでも食いに行こうかなぁなどとみやすのん気なことを考えていたのですが、切符を買う直前になってあそこは緊急事態宣言中だったことを思い出したのでした)
芦ノ湖といえば、
ロマンスカーで湯本に行って、そこから登山電車とロープウェイを乗り継いで大涌谷に寄って、
そこで昼飯を食ってからロープウェイを乗り換えて行くのが超定番ルートですが、
今回は一人なので、新幹線とバスを乗り継いでいつもの半分くらいの時間でさっさと行ってしまいました。
…久々に前置きが長くなりました。
湖尻水門に到着。
奥が芦ノ湖、手前側が早川です。
芦ノ湖は、河川法上は早川の一部であり、早川の水源ということになるのですが、
その境界にあるこの湖尻水門は、増水時などの緊急時を除いて開くことはありません。
タイトルで「芦ノ湖を分断」と書きましたが、正確に言うと「早川を分断」していることになります。
早川の水源であるにも関わらず、実際に早川に水を流していないのはなぜかというと、
芦ノ湖の水は静岡県が利用する権利を得ていて、逆に早川の管理者である神奈川県は利水の権利を貰えていないからです。
芦ノ湖を含めた早川を管理しているのは神奈川県で、
芦ノ湖の水を使う権利を持っているのは静岡県。
この複雑な問題が起こったのは原因は、
江戸時代に現在の静岡県方面へ、芦ノ湖から水路 (箱根用水) を作って農業用水として利用し始めたのが発端です。
当時は廃藩置県が行われる前でしたから、やがて神奈川県・静岡県という境界が出来ると、
そのタイミングで芦ノ湖の利水権は所在地の神奈川県なのか、それとも水路を作った静岡県なのか、
という厄介な問題が発生しました。
その後、何度か裁判が起こって揉めたらしいのですが、
現在は基本的に静岡県側が利水権を持っているようで、神奈川県が管理する湖尻水門は常時閉鎖、
芦ノ湖の水は「深良水門」というもう1つの水門から箱根用水を通って静岡県側に流されています。
ただし、前述のように大雨で増水した時などの洪水調整の際には開けることがあるらしいです。
ダムでいうと深良水門が利水用ゲート、湖尻水門が常用洪水吐、という感じになるんでしょうかね。(この解釈が正しいかは不明)
こうして見ると、芦ノ湖が人工のダム湖に見えなくもない (?)
ちなみに、ダムと水門/堰の違いは、高さが15m以上か以下かだけの違いです。
さらっと水門と堰を一括りにしましたが、水門と堰の違いは私はあまり理解できていません。
一応、定義としては、
水門: 堤防機能を持つもの (=洪水時にゲートを閉め、堤防の代わりとなる)
堰: 堤防機能を持たないもの (=洪水時にゲートを開け、下流にスムーズに流す)
…なのですが、それに当てはめると湖尻水門は堰のような気も。
そこらへん、詳しい方がいたらご教授いただきたいです。
ということで、今回は以上になります。
今日もご覧いただきありがとうございます。
参考文献
・高瀬和昌「箱根用水の開さく と利水の展開-江戸時代初期新田開発の 1例-」水利科学15巻5号, 1971