今日は天気が良かったので、多摩地区にある3大アースダムを見に行ってきました。
まず初めに村山下ダム (多摩湖) へ向かいます。
多摩湖は正式名称を村山貯水池といい、多摩川から人工的に取水した水を貯蓄して上水場に送る、要するに東京都民の飲み水を確保する役割を果たしています。
そのような経緯から、多摩湖を堰き止めている村山下ダムは通常の川を堰き止めるダムと異なり、洪水調節としての役割は想定されておらず、上水道専用のため池要素の強いダム湖となっています。
ダムの最寄り駅は西武遊園地駅ですが、電車の接続のタイミングが悪くて西武園駅の方を利用したので、今回はダムの下流側にある川から遡っていきます。
分かりやすいように先に地図を貼っておきます。
1.村山下ダム…ダム下流の北川
西武園駅から5分ほど歩くと、荒川水系の北川という雑な名前の川が現れます。
この先の多摩湖から流れ出る川です。
カモさん
ご覧のように植物が多く生い茂っていて、自然が豊かです。
多摩湖は上水道専用のため池のようなものですから、ここで洪水が起こることは考えにくく、河川改修等の手が入らずに放置された結果、こうなったのかもしれません。
2.村山下ダム…宅部池 (やけべいけ)
川沿いをさらに遡って狭山公園に入ると、北川に流入する別の水路が現れます。
その水源がこの宅部池。
アースダムのような見た目をしていますが、規模も小さいですしダムには分類されていないようです。
導流部の先はこんな感じ。
ダムでいうと減勢工 (ダムから放流された水の勢いを弱める設備) に当たるのでしょうか。
でもわざわざ階段状にしているということは、そのような機能を想定して作られたのかもしれません。
先ほどの写真、左側に進むと北川に合流するのですが、右側にも謎の水路が続いています。
上流側を辿ってみたのですが、草に埋もれていてよく分かりませんでした。
3.村山下ダム…余水吐
北川に戻って、少し進むといよいよ村山下ダムの導流部が現れます。要するに北川の最上流ですね。
これは余水吐から流れ出た水の減勢工で、十二段の滝というお洒落な名前が付いています。見た目も美しいですね。
減勢工の上側から。
下側から見ると水がちょろちょろ流れていたのですが、こちら側から見ると水は全く流れていません。
気になって観察してみたのですが、途中に謎の穴がいくつもあってそこからチビチビと漏れ出ている感じでした。
北川はお漏らしの蓄積というわけです。
すぐ後ろを振り返ると余水吐のゲートがあります。
奥にゲートが3門、手前側は自然越流式でしょうか?
増水時にはここから放流するのでしょうが、ご覧の通り完全に乾ききっています。
通常時は浄水場に送っているでしょうし、余程のことがない限りここを使うことはないのでしょうね。
4.村山下ダム…多摩湖
多摩湖と取水塔。
綺麗な写真なので綺麗なことを言いたいところですが、この写真を撮ったとこのすぐ脇にちっちゃい虫の群れが信じられないほどいっぱい集まっていて気持ち悪かったのが印象的でした。よく川沿いをサイクリングしている時に顔面から突っ込んで絶望的な気持ちになるやつです。あいつらの名前は何なのか知りませんが、この世の群れを成している生物の中で一番タチが悪いと思います。
私の雑談のせいで台無しになりましたが、右に写っているのが取水塔で、日本で一番美しい取水塔と呼ばれているらしいです。
ダムの堤体と多摩湖。
絵に描いたように美しい青い空と湖。
湖の反対側はこんな感じ。
表面が整備されているので見栄えはいいですね。
奥に西武園ゆうえんちの観覧車が見えます。
余談、公園の出口の歩道がひどい構造でした。
歩道として終わってますね。
ここのダムは個人的に謎な部分が多かったので、いつかじっくり観察しに来たいです。
この後は村山上ダムと山口ダムに行きましたが、別記事に続く。
【 村山下ダムのプロフィール 】
完成年: 1927年 (完成) → 2009年 (強化工事)
形式: アースダム
堤高 (高さ) : 32.6 m → 34.5 m
堤頂長 (幅) : 587m → 610 m
総貯水容量: 1214.8万 m³
管理者: 東京都
目的: 上水道用水 (W)
アクセス:
西武多摩湖線・山口線「多摩湖」駅 から徒歩5分
※データ引用元: 「村山貯水池の概要と歴史」 (ダム横の案内板)