デジタル化を阻む最大の壁 | 会計事務所応援 ブログ

デジタル化を阻む最大の壁

みなさん、こんにちは。

税理士業界のみならず、
日本の産業全体がデジタル化に
シフトすることを求められています。

ある意味、その第一段階でありながら、
いまだに会計事務所が苦められているのが、
「ペーパーレス」による業務の進め方。

コロナ禍で、全国に数えきれないほどの
死者、感染者を発生させていながら、

いまだに在宅勤務体制に
一度も踏み切れていない事務所に尋ねると、
そのほとんどが、
ペーパーレスを進めてこなかった(今後も見込が立たない)ことが
要因だとおっしゃいます。

お客様から預かった原始資料はもちろんのこと、
内部における業務点検決裁のフローや
確認書類もすべて紙。

それらが執務室の壁一面、あるいは
倉庫のような部屋の書棚に
大量に保管されているのです。

あまりの重みに、
書棚のかたちが歪んでしまっているものも
よく目にします。

このままでは、
さすがに在宅勤務が難しいのもよくわかります。


これを機に、
資料のデータ保存やクラウドのツールを使って、
アナログの業務フロー改善に
少しずつ舵を切る事務所がある一方で、
未だ紙に固執する職場も少なくありません。

データ化やクラウドツールの導入は進むのですが、
なぜか紙の書類が廃棄できない事情があると
言ったほうが正確な表現かもしれません。


なぜ、デジタル化に逆行する
紙の資料を無くせないのか
現場の職員さんにその理由をたずねると、

どの事務所も急に奥歯にモノが挟まったような、
曖昧な返答になってしまいます。

そうです。所長先生の存在です。


所長先生が、
デジタル上の点検決裁を事実上拒んでいるのです。

「ウチの職員は
 ペーパーレス化が遅れていて...。」

とおっしゃっている事務所の所長先生自らが、
実はデジタル化を阻む
最大の壁となってしまっているのです。


もしこの状況を本気で打開するとしたら

①所長先生自らが、
 デジタルベースの業務フローを習得する

②点検決裁のデジタル化を機に、
 最終確認者の立ち位置を次の世代に譲る

この2択を迫られることになります。


どちらも選ぶことができないからこそ、

現場(とくに若手職員)は、
フラストレーションを抱えつつも
昭和世代から続く業務フローで
日々の仕事をやり続けなければないのだろうと
私は思います。


インボイス制度や電子帳簿保存法など、

現段階では色々と問題はあるものの
デジタル化を推進する世の中の動きそのものは、
決して止めることができません。

税理士資格者も職員も高齢化が進んでゆく業界のなかで、
将来を担う若手職員を安定的に確保し、
いち早く活躍の場を与えるという意味では、

たとえ税務、会計の知識経験は乏しくとも、

ベテランが最も不得意とする
会計事務所のデジタル化推進という役割を与え
積極的に貢献してもらうという方法も
ありなのではないでしょうか。

思えば、
事務所の二代目を指名されながらも、
なかなか頭角をあらわせずにいる若手税理士先生、

上が詰まっていることで、
活躍の場がどうしても制約されがちな若手職員。

こういった方々に光をさすことができるとしたら、
「デジタル化」が一番わかりやすい
手段となりえるのではないでしょうか。

もうすぐ2023年。

アフターコロナを見据て、
所長先生の思い切った決断が求められています。

 


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