「このままでは拡大できない」
みなさん、こんにちは。
今年もまもなく残り1ヶ月となります。
世間的には昨年同様、
あまり明るい話題には恵まれない
一年で終わりそうですね。
会計事務所としても、
この数年はなかなか思い切った方針転換にまでは
踏み切れずにいた先生が多かった気がします。
私自身、弊社開催のセミナー参加をきっかけに
昨年は全国の81名、今年もこれまでに75名の税理士先生の
個別相談に対応させていただきましたが、
税理士先生が抱えている悩みは
ほぼ共通していて、
“本当は顧客拡大したいけど...できない事情がある”
ということ。
その一番の原因は受け皿の問題、
端的に言えば“人が足りない”ということ。
「お客様が増えなくて困る」と聞くと、
つい集客の不調を思い浮かべがちですが、
実際には、
お客様が増やせる見込こそ立っているものの、
受け入れるキャパが用意できないのです。
何とももったいない話だと思いませんか。
当然、職員としても色々と不満や不安は募ります。
ただ、お客様が増えてもいないのに、
給与だけは右肩上がりになるなどありえません。
「だったら、
客単価を上げればいいのか」
と理屈上考えがちですが、
コロナ前でもなかなか上げられなかった客単価を、
この厳しい社会情勢で上げるというのは、
それほど簡単なことではありません。
ましてや新規契約ではなく、
既存顧客を対象とするものであれば
なおさらではないでしょうか。
つまり、
どんなに急成長を望まない事務所であったとしても、
顧客拡大のルートを自ら閉ざしてしまっては
事務所に未来がないのです。
「それなら、人に依存しない
サービス運営の方法に変えればいいじゃないか」
と業務の自動処理やアウトソーシングに
注目が集まっています。
他業種における進化の過程を見る限り、
当然の動きかもしれません。
しかし、その変革のスピードは思いのほか
スローペースと言わざるをえません。
その原因として、
「入力やチェック業務が好きで、この仕事をしている」
「お客様の面倒ごとに、
とことん付き合ってあげるのが私の得意分野」
と考えている層が、
職場の一定割合を占めていることが挙げられます。
このこと自体、
私は否定するつもりはありません。
しかし、そこで
採算がとれていないのであれば話は別です。
「お客様に対価を請求する」
「お客様自身に行っていただく」
「自動化やアウトソーシングでコスパ改善に努める」
「思い切ってサービスをやめてみる」
選択肢はいくつも用意されているはずですが、
残念ながら担当をしているスタッフが、
これらを自ら判断し対策を打つというのは
困難だと思います。
出来ていないからこそ、現状手一杯になり、
事務所全体としては
「これ以上顧客を拡大したら事務所が崩壊する」
という事態に陥っているのですから。
こういった状況は、
時間が解決してくれるわけではありません。
むしろ今後は、
インボイスや電帳法に伴う業務負荷で、
同じ客数を維持していたとしても
担当者一人当たりの仕事量は増えていき、
むしろ職場環境は悪化する可能性もあります。
顧客拡大活動をストップするのは、
あくまで一時しのぎであり、
決して解決策にはなりません。
負の遺産として積み上がり、
避けに避け続けていた事務所の『構造改革』こそ、
いま決断しなければならない最優先事項だと私は思います。
そこに切り込める存在は
所長先生ただ一人ではないでしょうか。
“もはや何から、どこから
始めていいのかわからない...”
という先生は、ぜひ一度
ご相談いただければと思います。