『「選ぶ・育てる」の視点を持つ』

みなさん、こんにちは。

新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から
確定申告期限が4月16日まで延期となっていましたが、
その当日を迎えました。

4月6日の時点で、4月17日以降の提出についても
柔軟に対応する旨の案内が国税庁からありましたが、

私たちとお付き合いのある
全国の税理士先生におたずねする限り、
そのほとんどが
“すでに完了している”という回答でした。

まずは一安心というところでしょうか。

その一方で、顧問先様から
業績悪化に伴う資金面での相談が
増えてきており時間を割かれるという話も
お聞きするようになりました。

このご時世だからといって
内容も内容だけに、
メールやＷｅｂ会議といった
非接触のコミュニケーションを先方に強いることもできず、

ウィルス感染を心配しながらも
訪問や来客対応もやむをないという

現場担当者の複雑な胸の内も伝わってきます。

一刻を争う対応、やむを得ない対応。

お客様あっての商売ですので
仕方がないといえば仕方がないことなのですが、

私たちが普段行っている仕事のなかには、

「前任者がやっていたから」

「事務所として
　これまでずっとそうしてきたから」

という過去の慣例に縛られて、
新しい手段を考えられない。
考えついても行動に移せないという事例は
数えきれないほどあるのではないでしょうか。

ただ、
すべての業務とは言わないまでも

このたびの新型コロナウィルスのような、
人の命に関わる重大な事態と、
過去から続いてきた習慣を守ることを
同じ比重で考えてしまう実態は
本来あってはならないことだと私は思います。

それこそ
日々の業務改善の現場に際して、

「いざとなったらやる」
という先生や管理職の方のご意見をよくお聞きしますが、

いまがまさに「いざ」という時です。

そもそも「いざ」が起こる前から、
きちんとした対策を打っていれば
お客様とも従業員とも
安全・安心の関係が築けるはずです。

そこで忘れてはならない視点があります。

「選ぶ・育てる」の視点です。

私たちは普段、

“人を選ぶ・人を育てる”というと、
職員採用や社員教育のように
社内を想定したものを想像してしまいがちですが、

お客様も従業員も安全・安心、
そして事務所として最高のパフォーマンスを
お客様に提供するためにも、
お客様を対象とした「選ぶ・育てる」という視点を
持つべきだと私は思います。

お客様を「選ぶ・育てる」など、
上から目線すぎて傲慢な考え方だと
お叱りをうけるかもしれませんが、

その事務所にとって、
スタッフが最高のパフォーマンスを発揮できる、
あるいはお客様が
最適なパフォーマンスを享受できるという意味では、
『どのようなお客様でもウェルカム』
というわけにはいかないはずです。

つまり、私たちは

お客様から選ばれる立場ではありますが、
同時にお客様を選んでもいるのです。

その判断基準が事務所として

シャープになればなるほど、
最高の関係が築けると思うのです。

ただ、
自分がお客様の立場になってみると
わかりやすいのですが、
お客様の満足度というのは、
時間とともに減少していきます。

同じことを繰り返していては
やがて飽きられ不平不満に変わってきます。

だからこそ、サービス提供側は
切磋琢磨してパフォーマンスの質を
上げていかなければなりませんが、
それはお客様でも同じこと。

そこでお客様のステージが
より高いところへ上がっていけるよう
私たちは一生懸命サポートしなければなりません。

それはある意味「育てる」
ということではないでしょうか。

随分と話が飛んでしまいましたが、

お客様にご満足いただくというのは、
お客様から伝えられる
ありとあらゆる言葉を実現しなければ
達成できないというわけではありません。

そこをゴールにしてしまえば、
働き手は疲弊し
集団退職やパフォーマンスダウンが
発生しても何らおかしくはありません。

こういったご時世だからこそ、
お客様との公平かつ信頼に基づいた
関係を築いていきたいものですね。

そのためにも、
顧客をうけもつ担当者一人きりに
集中してしまいがちなリスクを
複数に分散できる仕組みづくりが重要だと思います。

みなさんの事務所では、いかがでしょうか。