自分が自分じゃないみたい。
上から見ているわけでも画面を見ているわけでもないけど、空っぽの飯沼に乗り移って操っているような感覚。
意識はあるはずなのに気づいたら斜め上向いてて、なにしてんだって首をブンブン横に振って取り戻すの繰り返し。
刺激と感情に一枚分厚い皮を感じる。
「今までだったらこう思ってた」って感情の人生履歴たどって、それを参考にしたみたいな感覚。
なにか考えるのもできない。言葉もうかばない。
だからバイト時間短くしたいですって連絡の文も結局打てなかった。
まともな文考える気力ない。いつも考えすぎて30分くらい時間かかる。
こういう時こそ働けAI。
誰もあんまし気にしてないとかじゃなくて、飯沼のことは飯沼がいちばん見てるし監視してる。
良いところも悪いところも。
でも明日また働くのきちいな。
飯沼が笑えてないのにお客さんに笑顔で帰ってもらおうなんてできるわけないじゃんね。
最初薬のんだら体調よくなってげんきになって働けるやーと思って放り投げたのが失敗だったな。
この感覚がなくなるまで人と会いたくない。
直接人に会うと、飯沼は既存の外面飯沼たどってそれになろうとしてしまう。条件反射で。
これがつかれるし、油断すると感情関係なく普通に涙出る。
何が悲しいとかじゃないのに。
でも、しってんだ。
ここのりこえたら、またひとつやさしい飯沼になれるって。
大切な人の繊細な感情に気づけるように、寄り添えるようになるって。
主観的な感覚が乏しい、"私"じゃない今だからこそ言える。
飯沼はいつだって飯沼が好きだよ。自分がいちばん認めてる。
落ち込んだふりすんな。