【りくりょくきょうしん】
全員の力を結集し、一致協力して任務に当たること。

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久しぶりに『NHKのど自慢』を観た。いや、まともに観たのは初めてかもしれない……モノゴコロがついてからは。

のど自慢というと、老若男女が鐘の音目指してなりふり構わず歌い踊る、ちょっと微笑ましいイベントかと思っていた。しかしながら、実際にはそんな生ヌルいものではなく、大欲を貪る有象無象の華麗なる宴だったのである。

まずは司会を務めるNHKのアナウンサーに注目する。のど自慢というものは、数十年と続く伝統ある番組である。となれば言うに及ばず、完成された段取りがあるだろう。彼はその段取りと寸分違わぬ美しい仕上がりになるよう、獣のような目つきで素人出演者をコントロールしている。段取りからの逸脱は、イコール彼らの降格、場合によっては失職を意味するだろうからそれも当然だろうが、異様な物腰の柔らかさとのギャップが恐ろしい。

次にゲスト審査員の歌手先生たち。「○○さんの大ファンです。」とのたまう素人出演者が現れると、過剰なスキンシップでそれを歓迎するのだが、目は一切笑っていない。恐らくは前述の通り、完璧な段取りの遂行に神経をとがらせ、本来彼らが持つフレンドリーな人格を押し殺しているからだろう。

彼らはまた、最後に必ず自分の曲を歌うのだが、歌い上げた後に一瞬見せる「どやっ」という顔は、プロとしてのプライドを素人出演者に浴びせかけているように見える。その大人げなさに戦慄すら覚える。

そして客席。そのほとんどは素人出演者の親戚縁者応援団が占めている。彼らは必ずといって良いほどに横断幕を使って応援しているのだが、どの位置でそれを展開できるのかは非常に重要であろう。恐らくは入場時に激しいポジション争いを繰り広げていると思われる。当然表面化することは無いが、刃傷沙汰が起こっていても何ら不思議ではない。

最後にもちろん素人出演者。彼らは自分の出番以外は、舞台後方で楽しそうに手拍子や踊りで出演者を盛り上げてくれる。それはもうウソみたいに楽しそうなのだが、自分とキャラクターが被っている出演者の時に垣間見せる殺気立った視線は見逃せない。

また、自信満々に陶酔しきって歌い上げたスナック経営のママが、2発しか鳴らさなかった鐘担当者を、修羅のような形相で睨み付ることもある。

他にも、段取り無視、切腹覚悟で客席に必要以上のアピールをする痛い中年男性の行く末や、会話が全く噛み合わず司会者をイラつかせるお年寄りなど、注目ポイントは枚挙にイトマがない。

“のど自慢”などというノンキな文字の裏側には、実はこんな恐ろしい世界が繰り広げられていたのである。

平穏無事なあなたの日常に、地獄絵図を1枚加えてみてはいかがだろうか。


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【せんいあんか】
環境や他人からの影響を受けて、いつの間にか自分の性質や考え方が変化していること。

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力が強いとか足が速いといった基礎的な身体能力というものは、個々人が生まれながらに持つ能力の影響が大きい。

同じ体格のカズオくんとヒデキくんが野球部に入り、毎日同じ練習を同じように繰り返しても、投球の速度や打球の距離に差が生まれる可能性は否定できない。それは、両親からの遺伝であったり、広く考えれば民族や人種それぞれの特性が要因だろう。

一方で、試合での強さは、メンバー個々人の身体能力だけでは決まらない。首脳陣が持っている戦術・戦略や、個々人がそれまでに蓄えてきたワンプレー単位でのノウハウなど、複雑な要素が絡みあってのものである。そこには、幼い頃からどれだけ多くのゲームを観て・触れてきたかどうかということも大きいだろう。サッカーはあれだけ強いイタリア人が野球はサッパリなのは、そんな理由だろう。

学問や頭脳的なゲームに関しても、同じことが言える。

たとえば、Aという集落の人間には一切数学を教えなかったとしよう。そんな彼らが成長し、何かの間違いでレジ打ちのバイトをしたとする。当然計算などできないのだから、使い物にならない。

A集落から採用した人間のほとんどは同様の結果となるだろうから、その店の店主から、「A出身のやつって能力ないよな。」なんてことを言われてしまう。しかし、それは彼らが計算をできないだけであって、人間として無能なワケではない。

チェスや将棋などの頭を使うゲームも同様、幼い頃から積極的に触れ競争相手も豊富なグループがあれば、そのグループ全体のレベルが高くなるのは必定である。

私もそんな厳しい環境にこの身を置けていたら……最初に挫折するか。


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【むちもうまい】
知恵や学問がなく、愚かなさま。

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意外に知らない「スパゲッティ」と「パスタ」の違い』アメーバニュース

(前略)「スパゲッティ」と「パスタ」を「意味を知っており、どのようなものか説明できる」と答えた人に、その違いを説明してもらったところ、勘違い回答が多く寄せられた。間違った回答には、「パスタは食事。スパゲティーはおやつ。」、「パスタはワールドワード、スパゲテイは日本での通称」、「具が中心にのっているモノがスパゲッティ。具が混ざっているモノがパスタ。」などの回答が寄せられた。


いやはや冗談のような記事だが、そんなことを平気で言ってのける輩が存在しても不思議ではない。

昼時のオフィス街の喫茶店……いわゆるサ店の昼時は「ボク、スパゲッティーちょうだい。」と、当たり前のようにオーダーするオジ様が数多くいる。

彼らにとって“スパゲッティー”とは、「カレーライス」や「醤油ラーメン」何なら「サバの味噌煮定食」と同列である。そんな人々に「スパゲッティー」と「パスタ」の違いを訊いたところで、正解なんてわかるワケがない。そうめんが食事でひやむぎはおやつみたいなモノである。

いや、具が中心にのっているモノがおかゆ、混ざっているモノはリゾット。

いやいや、チャーハンはワールドワード、焼き飯は日本での通称、ピラフはドラゴンボールに出てくるショボい悪役。

いやいやいや、ナスがママならキュウリはパパだ。違うかっ。


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