【せんいあんか】
環境や他人からの影響を受けて、いつの間にか自分の性質や考え方が変化していること。

◇  ◇  ◇

力が強いとか足が速いといった基礎的な身体能力というものは、個々人が生まれながらに持つ能力の影響が大きい。

同じ体格のカズオくんとヒデキくんが野球部に入り、毎日同じ練習を同じように繰り返しても、投球の速度や打球の距離に差が生まれる可能性は否定できない。それは、両親からの遺伝であったり、広く考えれば民族や人種それぞれの特性が要因だろう。

一方で、試合での強さは、メンバー個々人の身体能力だけでは決まらない。首脳陣が持っている戦術・戦略や、個々人がそれまでに蓄えてきたワンプレー単位でのノウハウなど、複雑な要素が絡みあってのものである。そこには、幼い頃からどれだけ多くのゲームを観て・触れてきたかどうかということも大きいだろう。サッカーはあれだけ強いイタリア人が野球はサッパリなのは、そんな理由だろう。

学問や頭脳的なゲームに関しても、同じことが言える。

たとえば、Aという集落の人間には一切数学を教えなかったとしよう。そんな彼らが成長し、何かの間違いでレジ打ちのバイトをしたとする。当然計算などできないのだから、使い物にならない。

A集落から採用した人間のほとんどは同様の結果となるだろうから、その店の店主から、「A出身のやつって能力ないよな。」なんてことを言われてしまう。しかし、それは彼らが計算をできないだけであって、人間として無能なワケではない。

チェスや将棋などの頭を使うゲームも同様、幼い頃から積極的に触れ競争相手も豊富なグループがあれば、そのグループ全体のレベルが高くなるのは必定である。

私もそんな厳しい環境にこの身を置けていたら……最初に挫折するか。


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