おはようございます。気温が高くなって暑い日が続きますね。
昨日は地方自治法の肢別問題集を110問解きました。ノルマの100問を辛くも達成することができました。地方自治法は問題量が多いので、正答率を集計するのは明日か明後日になってしまうでしょう。手ごたえとしては、いまいちというところです。広大な範囲の学習範囲から取りこぼした知識をポロポロと発見します。
さて、今日の記事は久しぶりのまとめノート(行政法総論)です。
行政法総論を解いていると、知識が曖昧なまま肢別問題集を回しているような感じがしませんか。少なくとも私は問題を正解したとしても、たまたま出来ただけというもやもやした気持ち悪さがぬぐえません。確信をもって答えを出していきたい、本番の試験は失敗したくはない、そんな思いから今日は苦手な行政法総論に焦点をあてて学習したいと思います。
以前「紛らわしいルール」というタイトルで法規命令や委任命令などに出てくる言葉をまとめました。今回も似たような言葉のまとめをしたいと思います。 と言っても、今回の記事はまとめと名乗るにはおこがましく、教科書に多少例を加筆してギミックを施したうえで掲載したという程度になります。
最後に、背景が黄緑色の表をご紹介します。我が家では冷蔵庫に貼ってあるのですが、なかなか頭に入ってきません。今回は、この表を空欄補充テストとして活用してみましょう。文字が消えている部分を補うギミックがあるので、楽しみながら覚えることができるでしょう。
【】内をクリック又はタップすると、文字が浮かび上がります。
表の具体例のところも「・」の右横をクリック又はタップすると文字が浮かび上がります。
行政行為総説
【行政行為】とは、行政庁が法律の定めるところに従い、その一方的な判断に基づいて、国民の権利義務その他の法的地位を具体的に決定する行為をいう。
1.法律行為的行政行為
【法律行為的行政行為】とは、行政庁の【効果意思に基づき】法的行為を発生させるものである。
1-1. 命令的行為
意義 | 具体例 | |
---|---|---|
下命 |
国民に作為を命じる行為 ※特に不作為を命じるものは【禁止】 |
・違法建築の除却 ・営業停止・道路通行禁止 |
免許 | 特定の場合に、作為・給付義務を解除する行為 | ・租税減免 |
許可 | 一般的な禁止を特定の場合に解除し、適法に一定の行為を行わせる行為 |
・自動車運転免許 ・各種営業許可 ・農地転用の許可 |
1-2. 形勢的行為
意義 | 具体例 | |
---|---|---|
特許 | 特別の権利や能力を設定する行為 |
・鉱業権設定の許可 ・電気事業の許可 ・河川占用許可 ・外国人の帰化の許可 ・埋葬許可・公益法人設立の許可 |
認可 | 第三者の契約に介入し、その【法律上の効果を完成】させる行為 |
・農地権利移動の許可 ・公共料金改定認可 ・河川占用権の譲渡承認 ・銀行合併の認可 ・土地改良区設立の認可 |
代理 | 第三者がなすべき行為を行政機関が代わって行う |
・土地収用裁決 ・特殊法人の役員の任命 |
2.準法律行為的行政行為
行政庁の効果意思以外の判断・認識の表示に基づき法的効果を発生させる。
意義 | 具体例 | |
---|---|---|
確認 | 特定の事実または法律関係の存否に関し、【疑い】または【争い】がある場合に、公の権威を持ってその存否/真否を判断する行為 |
・所得税の更正決定 ・発明の特許 ・建築確認 ・選挙の当選人決定 ・市町村の境界の決定 |
公証 | 【特定の事実】または【法律関係の存否】を公に証明する行為 |
・各種名簿への登録 ・印鑑証明 ・運転免許証の公布 |
通知 | 特定または不特定多数の人に対して一定の事項を知らせる行為 |
・納税の督促 ・代執行の戒告 ・事実認定の告知 |
受理 | 他人の行為を有効な行為として受け付ける行為 |
・審査請求書の受理 ・各種届出書の受理 |
参照文献:『2024年版出る順行政書士 合格基本書』東京リーガルマインド; 第17版 (2023/12/25),p386,p387(背景が緑色の部分)
問題演習
過去問(〇×問題)
問題部分は、『合格革命 行政書士 肢別過去問集 2024年度』早稲田経営出版 (2023/12/27),p162,164,166,168,170を使用しております。
- 国民に一定の行為をしてはならない義務を課す命令的処分 を禁止という。
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【正解】〇
【解説】上の説明を見て! - 許可は、一般的な禁止を特定の場合に解除するものであり、 その性質上、許可された地位は、譲渡または相続の対象とは ならない。
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【正解】×
【解説】(Google Search Labo解説)許可は相続できる場合があります。許可の種類によって相続できるかどうかや相続できる範囲が異なります。例:建築業許可、食品衛生業の許可営業者の地位継承 - 既に法令または行政行為によって課されている一般的禁止 を特定の場合に解除する行為を許可といい、 鉱業権設定の許可はこれにあたる。
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【正解】×
【解説】上の表を参照⇒「特許」にあたる。 - 許可を要する行為を許可を受けないでした場合は、 強制執行または処罰の対象とされることがあるのみならず、 当該行為は、 私法上も当然に無効となる。
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【正解】×
【解説】最判昭35.3.18
(裁判要旨) 食品衛生法第二一条による食肉販売の営業許可を受けない者のした食肉の買入契約は無効ではない。 - 火薬類輸入の許可は、講学上の許可にあたる。
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【正解】〇
【解説】上の表を参照 - 既に法令または行政行為によって課されている一般的禁止 を特定の場合に解除する行為を許可といい、農地の権利移転 の許可はこれに該当する。
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【正解】×
【解説】「認可」にあたる。上の表を参照。 - 農地転用の許可は、 講学上の許可にあたる。
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【正解】〇
【解説】上に表を参照 - 特定人のために新たな権利を設定し、 その他法律上の力な いし法律上の地位を付与する行為を許可といい、 風俗営業の許可がこれにあたる。
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【正解】×
【解説】上の表を参照、新たな権利設定は「特許」にあたる。 - 電気事業法に基づいて経済産業大臣が行う電気事業の「許可」は、行政行為の分類上、「認可」である。
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【正解】×
【解説】上の表を参照。「特許」にあたる。 - ガス事業法に基づいて経済産業大臣が一般ガス事業者に対 して行う供給約款の 「認可」 は、 行政行為の分類上、「認可」 である。
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【正解】〇
【解説】上の表を参照。設立ではなく、供給約款というのがポイント。 - 銀行法に基づいて内閣総理大臣が行う銀行どうしの合併の「認可」 は、 行政行為の分類上、 「認可」 である。
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【正解】〇
【解説】上の表を参照。 - 建築基準法に基づいて建築主事が行う建築 「確認」 は、 行政行為の分類上、 「認可」 である。
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【正解】×
【解説】上の表を参照。 - 特許とは、 特定人のために新たな権利を設定し、その他法律上の力ないし法律上の地位を付与する行為をいい、 土地改良区の設立の認可がこれにあたる。
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【正解】×
【解説】上の表を参照。「法律上の力ないし法律上の地位を付与」というのがポイント。「認可」 - 公有水面の埋立免許は、 講学上の特許にあたる。
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【正解】〇
【解説】上の表を参照。 - 道路に電柱を設置するための道路管理者の許可は、講学上の特許にあたる。
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【正解】〇
【解説】上の表を参照。 - 外国人の帰化の許可は、 講学上の特許にあたる。
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【正解】〇
【解説】上の表を参照。 - 公益法人設立の許可は、 講学上の特許にあたる。
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【正解】〇
【解説】上の表を参照。 - 自動車の運転免許は、 免許を受けた者に対し、 公道上で自 動車を運転できるという権利を付与するものであるから、行政法学上の 「特許」 に当たる。
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【正解】×
【解説】上の表を参照× - 医師の免許は、 講学上の特許にあたらない。
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【正解】〇
【解説】上の表を参照。「許可」にあたる。 - 第三者の契約、 合同行為などの法律行為を補充し、その法律上の効果を完成させる行為を認可といい、 農地の権利移転 の許可がこれにあたる。
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【正解】〇
【解説】上の表を参照。 - 第三者の契約、合同行為などの法律行為を補充し、その法律上の効果を完成させる行為を認可といい、河川占用権の譲渡の承認はこれにあたる。
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【正解】〇
【解説】上の表を参照。 - 公共料金値上げの認可は、 講学上の認可にあたる。
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【正解】〇
【解説】上の表を参照。 - 認可の対象となる私人の法律行為に取消原因となる瑕疵が あるときは、私人は、認可後も当該法律行為の取消しを主張 することができる。
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【正解】〇
- 認可の対象となる行為は、法律行為に限られず、 事実行為 もこれに含まれる。
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【正解】×
- 特定の事実または法律関係の存否について、公の権威をもっ て判断しこれを確定する行為を確認といい、 選挙人名簿への登録はこれにあたる。
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【正解】×
【解説】上の表を参照のこと。「公証」にあたる。 - 特定の事実または法律関係の存在を公に証明する行為を確認といい、 選挙人名簿への登録はこれに該当する。
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【正解】×
【解説】上の表を参照のこと。「公証」にあたる。 - 発明の特許は、講学上の確認にあたらない。
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【正解】×
【解説】上の表のとおり、公の権威を持ってその存否/真否を判断するので「確認」にあたる。 - 所得税の決定は、 講学上の確認にあたる。
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【正解】〇
【解説】上の表のとおり、公の権威を持ってその存否/真否を判断するので「確認」にあたる。 - 審査請求の裁決は、 講学上の確認にあたる。
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【正解】〇
【解説】上の表のとおり、公の権威を持ってその存否/真否を判断するので「確認」にあたる。 - 特定の事実または法律関係の存否について、 公の権威をもって判断しこれを確定する行為を公証といい、 当選人の決定は これにあたる。
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【正解】×
【解説】上の表のとおり、公の権威を持ってその存否/真否を判断するので「確認」にあたる。
おつかれさまでした。覚えることや問題がたくさんあって、大変だったのではないでしょうか。ですが、脳みそがおなか一杯という状態になるには早すぎます。行政法総論では他にももやもやさせられる論点が多いのです。
個人的な好みでしょうが、私としては条文がある方がまだ覚えやすいような気もします。解説を読んでも腑に落ちないことは、行政法総論と基礎法学に圧倒的に多いと感じます。
少なくともこの分野は混乱しやすいので、教科書にある文章や図表を頭に叩き込み、定期的に繰り返し問題を解いて記憶を定着させるのが良いでしょう(そう思う一方で、それだけで定着するものでしょうか、と疑心暗鬼になるります)。私も頑張ります。
なにはともあれ、今日も良い日でありますように。
扉絵は久しぶりにAIに頼らず、GIF絵を描いてみました(オートシェープを組み合わせただけの3分イラストです)。
※気を付けてはおりますが、万一誤りがある場合はDMでお知らせくださいますと幸いです。