私は法律の勉強をしている者です。少しばかり退屈な話かもしれませんが、AIのChatGptを使った個人的な体験を今日は書きます。


最近稀に非訴訟事件手続法についての問題を見ますが、私が愛用している教科書に載っていません。私の目的を達成するためには、どのような範囲で非訴訟事件訴訟法の知識が必要になるのか調べたいと思いました。


そこで行ったのは、まずはGoogle検索です。検索結果では例題を幾つか見つけることはできましたが、残念ながら体系的な知識を習得するのは難しく感じました。


そこで、今こそAIの力を借りるときだと思い、ChatGptを搭載したアプリを開いてみました。


質問を入力すると、待たされることほんの数秒でずらずらと非訴訟事件訴訟法についての記事が出力されました。わずかな時間で情報の海の中から必要な知識だけを引き出すAIの情報処理能力には舌を巻きます。法律用語が程よくちりばめられた滑らかな日本語に加えて、参照文献も表示されていて、まるで大学で使われている教科書の一節のようです。


しかしながら、書いてある内容をつぶさに見てみると私は首をかしげてしまいました。根拠となる条項や事実が調査対象の非訴訟事件訴訟法ではなく、他の法律(行政事件訴訟法など)についてのことではないですか。


つまり、ChatGPT先生の回答の外見は立派だったものの、その中身は全くの的外れだったということです。基本的な間違いだったため、法律初学者の私でも誤りに気づくことができました。


更に、情報の最新性にもChatGptは課題が残ります。民法にある嫡出否認の訴えの期間をChatGptに聞くと、法律が改まる前の値を示しました。出された値は1年と改正前のものです。これは去年度までだったら正しかったのですが、今年度に変更になりました。現行法では3年になっています。


問題はそれだけではありません。お得意の情報処理の正確性(演算能力と言いうべきか?)に疑問があります。このブログではしばしばHTMLという特殊な書き方で表を作成しています。たまに行と列を入れ替えた方が見やすいのではないかと思い、ChatGptに行列を入れ替えたHTMLのコードを作成させました。こんな単純な作業は時間と手間さえ惜しまなければ、小学生にだってできます。ところが、残念なことにChatGptはデタラメな表を作成しました。


今回以上の作業より得た結論は、現時点ではまだChatGPTは実用レベルにはないということです。少なくとも日本の法律を学ぶためには現行のChatGPTは見栄えの良い玩具程度のツールとしか言いようがありません。
 

 

情報の信頼性、最新性、演算能力に問題を抱えています。
 

 

現段階でChatGPTを使って得た答えは、他の情報から裏を取らねば、とてもではないですが安心して使える代物ではないということです。そんな不確実な情報を得るために自分の時間を使うのは、必ずしも効率が良いこととは言えません。従来のようにWikipediaや政府の法令検索サイトを参照しながら調べ物をするのと、時間的には良くてどっこいどっこい、悪ければ二倍かかると言ったところでしょうか。


ただし、検証はしていませんが、ChatGPTは開発国であるアメリカの法律を勉強する場合なら実用に耐える可能性はあります。同様に今回使ったChatGptは無料版であり、有料版ではより良い結果が得られたのかもしれません。