愛されていたと知りました | 鳥とこころと音楽と〜Kaiの日記〜

鳥とこころと音楽と〜Kaiの日記〜

ある時はピアノ指導者。
ある時はカサンドラサポーターとして
あなたの心の伴奏者をつとめる、Kaiの日記。

父の通院に付き添いました。

珍しい難病に罹ってしまった、私の父。

 

病院で検査を受け、結果を待つ間、父の

気に入りの公園で、お弁当を食べました。

花は山桜に変わり、新緑が眩しい晴天の昼。

 

検査結果が出る頃、診察を受けるため

父を車に乗せて、病院に向かいました。

 

幼稚園の側を通った時、ママに手を引かれ

元気に歩いている女の子がいました。

 

ふっと、父が幼かった私を撮ってくれた、

その写真の顔に、その子が似ている気がして

「あの子、子供の頃の私に似てない?」

と父に声を掛けました。

 

父は「そうかな?」と笑った後、車外を見て

その女の子の姿を、目で追っていました。

 

私は、父の目を見て、ハッとしました。

その目が、余りに優しげだったから。

 

わが親ながら "ああ、美しいものを見た" と

心が洗われる心地がしました。

私の家は、母親不在の欠損家庭でした。

でも私は、何だカンだ言い争いながらも、

結局、ずっと父が大好きで、自慢でした。

 

「いびつだった家庭環境が、カサンドラ

状態を引き寄せたのでは」と指摘されたり

凹んだりした時期も、ありました。

 

しかし、今日のこの瞬間で、私は完全に

自分の育ちを克服した気がしました。

 

病に倒れる前の父は、気持ちを顔に出さない

言葉に出さない、オニ瓦だったけれど

 

今日の表情を見て、父は不器用ながらも

私を、ものすごく可愛がっていてくれて

いたのだと、改めて感じました。

 

今日は、この先の私にとって、きっと

忘れられない、大切な日になる。

私の人生、これだけでも、報われました。