「心療内科や精神科の領域の患者さんと関わる時のコツのようなものがありましたら、教えてください。」
こういう相談を受けることがあります。
そういうとき私は、
「ありますよ。それはね。。。
『冷蔵庫の中を開けて、
何か1品作れないかな〜??』
こういう感覚を持つことですよ。」
と答えます。
『冷蔵庫!?』
『なんだそれ?精神疾患となんの関係が!?』
そう思った方も多いと思います。
これから詳しく解説しますね。。
「モチベーションの上がらない患者さんのリハビリに困っています。
特にモチベーションが低く、うつ傾向があり、
心療内科や精神科の領域ではないか?
と思われる患者さんに出会うときもあるのですが、
どうしたらいいでしょうか?」
このような相談を
普段は精神科にあまり馴染みないセラピストからいただくことが
たまにあります。
普段は身体障害領域で
脳血管障害や
骨折など整形疾患など
主に担当している方からすると、
たまに
「心療内科や精神科の領域ではないか?」
と思われるような患者さんと出会うと
どうしたらいいのか?戸惑うとのことです。
確かにうつ的な傾向が強い場合、
診療内科や精神科の対象となることもありますね。
このような問題で難しいところは、
心療内科や精神科というのは、
本人や家族がなかなか行きたがらないということです。
下手に
「心療内科にかかってみてはどうですか?」
など勧めると
関係性が崩れたりもします。
精神科受診のポイントとして
睡眠をとっかかりにするのが得策です。
「夜眠れていますか?」
この質問は割と聞きやすいですし、
「眠れないのは心配です。
それを相談に行きましょうか?」
ということで精神科診療内科の受診につながるケースは多いです。
さて、このようなケースと関わる時のポイントとして、
まず何といっても、
相手のことを否定しない。
肯定することだと思います。
間違っても、
「そんなにやる気ないんじゃ、ダメですよ。」
こんなことを言ってはいけません。
精神的にかなり参っている方に対して、
とにかく相手を受容するような関わり。
相手の存在を肯定するような関わりいいでしょう。
「よくやっていますね。」
「頑張っていますね。」
こう言ったことをなるべく伝えるようにしています。
しかし、実際に困った患者さんに出会うと
そういう事が言えなくなってしまうセラピストも多いものです。
ついつい相手に対決的に関わってしまったり、
やる気がないことを責めるつもりはなくても
きつくて、責めたような言い方になってしまうことがあります。
ここで先ほどの『冷蔵庫』が出てきます。
冷蔵庫の中を開けて、
「あるもので何か作れないかな〜??」という感覚を持つ事が大切です。
間違っても
「今日は何が何でもカレーを作るんだ!!」と意気込んで、
冷蔵庫を開けない事です。
「カレーを作る!」と意気込んで、
冷蔵庫を開けると、
玉ねぎが無い事。
人参が無い事。
じゃがいもが無い事。
カレーのルーが無い事。
こういった無い事ばかりが目に入ってきます。
そして、「この冷蔵庫にはなにも無いじゃ無いか!」
と無い事ばかりに囚われてしまいます。
そうではなく、
「なんでもいいから、
何か1品できないかな〜?
あるものでなんかテキトーに
作れないかなー?」
そんな気分で冷蔵庫を開ければ
「あっキャベツの切り端があるし、紅生姜が少し残ってるから、ちょっとしたお好み焼き作ろうかな?」
とか
「ネギと玉子があるから、これで何かできないかな??
よしっクックパッドで調べてみよう!」
とか
っていう風に発想が変わります。
無いもの探しから、
あるもの探しへと
切り替わるのです。
で、これは
人と関わる時のポイントと一緒です。
その人の
持って無いもの。
できないところ。
苦手なところ。
を見つけ出して、
「無い!無い!」
と騒ぐのではなく、
少しでもできているところ。
持っているもの。
いいところ。
を見つけて、
それでなんとか現状をやりくりする。
そういう心の持ち方が大切なんだと思います。
そういう心の持ち方ができるようになると、
相手の問題との距離感が上手に取れるようになって、
自分にも余裕ができて、
相手に対して受容的な関わりができるようになるかと思います。
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