作業療法っていう仕事を人に伝える事のいろいろ | 作業療法士杉長彬(すぎながあきら)のやる気を高めるコミュニケーション

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世の中で作業療法士ほど、ユニークで面白い仕事はないと思う。



人々の健康のために、その人が大切にしている作業を使って、その人を元気にしていくお仕事。

私は作業療法をそんな風に考えている。


人には必ず、自分が元気になれる作業っていうのがある。



歌が好きな人は、歌う事で、ストレス発散して元気になるし、


掃除が好きな人は、休日に部屋の掃除をしたり、布団を干したりして、それだけで、ものすごいリフレッシュする。



昔、出会った認知症の患者さんで、
華道の先生だった方がいた。


かなり認知症のレベルが重度で、
話している言葉もほとんどわからず、
車椅子での生活でほとんど足腰もたたない状態だった。



しかし、そんな方に、目の前に華道で使う剣山とお花を差し出した途端。

眼つきが一瞬で変わり、急に言葉も明瞭になり、
すくっと立ち上がって、お花を生け始めたっていう出来事があった。

治らないと言われている認知症の方でも、
その時だけとはいえ、『ここまで能力の改善が見られるのか!作業の力っていうのは、すごいな』って感心した出来事だった。



作業療法ほど、作業療法士が説明しないとどんな仕事なのか上手く伝わらない仕事もないと思う。



私は、「仕事何しているんですか?」と聞かれた時。

大抵は、作業療法士ってどんな仕事なのか仕事の説明までする事が多い。


これは作業療法士っていうのがまだまだ人に知られていない上、よくわかりづらい仕事だからこそ。得られるチャンスであると私は捉えている。


そして私は作業療法の説明をする際、上記のような事例をあげつつ、作業療法っていうのがどんなもので、どんな患者さんをみていて、どんな効果があるのか。

時間がある限り事細かに説明するようにしている。



日本作業療法士協会のキャッチフレーズに「会員一人一人が広報マン」っていうのがあった。

私はこういった自分のちょっとした人とのやりとりも、作業療法の啓発活動のほんの一部にでもなればいいなって思っている。



私の偏見かもしれないが、
もしかすると、医者とか看護師とか薬剤師とか、そういったいわゆるメジャーな医療職の方が、
他人に、自分の仕事を事細かに説明する機会は少ないのかもしれない。


特に医師に関しては、『「職業何ですか?」と聞かれ
「医者です。」って答えると
「おおーっ」って言われ、恐縮されたり、恐れられたりするので、
自分の職業自体あまり人に言う事はない』って言う医者に何人も会った事がある。



そう考えると、自分の仕事について、人にお伝えするチャンスのたくさんある作業療法っていう仕事は、本当にいい仕事だって捉える事もできるのかなって思う。



仕事を始めて2~3年は作業療法のイメージも自分の中で漠然としたもので、あまり人に作業療法について説明したりするのは苦手意識があった。

でも最近はようやく自分の中でもそれなりに満足いく作業療法について説明ができるようになって、人に説明するのが楽しくなったように思う。

そんな所に自分の成長も感じている今日この頃でした。