相手は青信号だったと言い張りましたが、目撃者のおばあちゃんの証言によって、僕が0、相手が100になりました。
少しホッとしたのも、つかの間でした。
僕に過失がない場合、自分の保険会社は、相手との話し合いに入れないと言われました。
そういう仕組みがあることを、そのとき初めて知りました。
つまり、ここからは、
僕と、相手の保険会社。
その形で話を進めなければなりませんでした。
相手の保険会社の担当者は、淡々としていました。
話をするたびに、早く終わりにしたいという気持ちを、嫌というほど感じました。
「まだ病院に行っているんですか?」
そう言われました。
僕はまだ、体の痛みで病院に通っていました。
起き上がることさえ、つらい日がありました。
そんな体で、その言葉を受け取りました。
まだ病院に行っている。
まだ痛みがある。
だから通っている。
それを伝えても、返ってくる言葉は同じでした。
「もう治っているんじゃないですか?」
痛みは、僕の体にありました。
でも、その痛みが、まるで最初からなかったもののように扱われている気がしました。
痛みに耐えていることより、痛みを疑われ続けることが、本当につらかったです。
何を言っても、同じことしか返ってきませんでした。
こちらの話が届いているのかさえ、分からなくなりました。
買ったばかりの新車は、ぐちゃぐちゃになりました。
僕の体も、事故の前とは変わってしまいました。
それでも、相手からの謝罪は一切ありませんでした。
車は壊れた。
体は痛い。
病院に通えば、まだ通っているのかと言われる。
僕は、この怒りをどこに向けたらいいのか分かりませんでした。
行き場のない怒りと、終わらない話し合い。
ストレスは、どんどん溜まっていきました。
そして、体の痛みも、どんどん増していきました。
少しずつ、体が動かなくなっていきました。
このまま自分で話を続けていたら、僕が不利になる。
そう思いました。
僕は弁護士特約をつけていたので、それを使うことにしました。
自分の代わりに、弁護士に入ってもらいました。
これで、自分が直接やり取りをしなくてもよくなる。
話を任せられる。
そう思っていました。
ところが、弁護士が入っても、必要な資料や情報は、本人が集めるものだと言われました。
車のこと。
病院へ通った記録。
事故に関係する、いろいろな資料。
僕は、それらを自分で集めて、出しました。
体の痛みは、増すばかりでした。
思うように動けない体で、それでも必要なものを集めなければ、話は進みませんでした。
弁護士に入ってもらっても、結局、僕自身が動くしかありませんでした。
事故で体が動かなくなっていく中、事故のために動き続けていました。
そして、この間も、会社は待ってくれませんでした。
