60分、しっかり話を聞いた。
相手の表情も、どんどん明るくなった。
最後には笑顔で、
「すごく楽になりました」
「今日からやってみます」
そう言って帰っていく。
よかった。
ちゃんと役に立てた。
なのに数日たっても、
申し込みの連絡は来ない。
スマホを見る。
来ていない。
もう一度見る。
やっぱり来ていない。
あれ、あんなに喜んでくれたのに。
この静けさ、地味にこたえるんですよね。
ホントに。
僕は案件獲得プロデューサー、起業家のメンタルコーチとして、起業して12年、累計500名の方をサポートしてきました。
その中でも多いのが、
「無料相談や体験セッションは喜ばれるのに、その先につながりません」
というご相談です。
まず、お伝えしたいことがあります。
申し込まれないからといって、あなたの価値が低いわけではありません。
話を聞く力がないわけでも、
相手に信頼されていないわけでもないんです。
むしろ、やさしくて誠実な人ほど、
その場で全部なんとかしてあげようとします。
せっかく来てくれたんだから。
少しでも楽にしてあげたい。
役に立たなきゃ。
うん、その気持ち、よく分かります。
でも、その一生懸命さが、
次へ進む道を見えにくくしていることがあります。
相談の時間だけで答えをたくさん渡すと、
相手はこう感じます。
「これなら、自分でできるかもしれない」
そして元気に帰っていく。
めでたし、めでたし。
いや、仕事としては終わってる。(笑)
無料相談で大切なのは、その場だけ気持ちよくなってもらうことではありません。
本当に大切なのは、
相手が今どこで止まっているのか。
本当はどこへ行きたいのか。
その間に、何があるのか。
それを一緒に見つけることです。
たとえば、
「もっと自信を持ちたいんです」
と言われたとします。
そこで、すぐに自信の持ち方を伝えるのではなく、
「自信が持てたら、何を始めたいですか」
「今まで何度も止まってしまったのは、どんな場面ですか」
と、少し深く聞いてみる。
すると相手の中から、
本当に変えたいことが言葉になって出てきます。
ああ、私が悩んでいたのは、
自信そのものじゃなかったんだ。
そんな気づきが生まれる。
人は、答えをたくさんもらったときより、自分の本音が見えたときに動き始めます。
ここで必要なのは、
不安をあおることではありません。
無理に困らせることでもありません。
今のまま一人で進んだ場合と、誰かの力を借りた場合、その違いを正直に見せることです。
そして最後に、
あなたが力になれるなら、
そのことを言葉にする。
ここで急に、声が小さくなる人がいます。
「あの、もしよかったら、その、私の継続のコースもありまして……」
自分の商品なのに、
なぜか隠し財産みたいに出てくる。(ビックリ)
売り込むのが怖い。
断られたら傷つく。
お金の話をしたら、嫌われるかもしれない。
その怖さがあるのは、
相手を大切にしたいからです。
だから、まず自分を責めなくて大丈夫。
そのうえで、こう考えてみてください。
提案は、相手を追い込むことではなく、次に進める道を見せること。
「ここからは、ご自身で進める方法もあります」
「もし一緒に整えていくほうが安心なら、僕がサポートできる方法もあります」
このように伝えれば、
決めるのは相手です。
こちらがするのは、
道を隠さずに見せることだけ。
選ばせようとすると苦しくなる。でも、選べるようにすると会話はやさしくなります。
もちろん、今は必要がない人もいます。
タイミングが合わない人もいます。
そんなときは、
無理にすすめなくていい。
「今は一人でやってみても大丈夫そうですね」
そう言える人の言葉には、安心があります。
何でも売ろうとしない人だからこそ、
「今回は一緒に進んだほうがいいと思います」
という言葉にも重みが出るんです。
売り込まなくても、必要な提案はできます。
それは営業のうまさより、
相手の未来にきちんと向き合う姿勢から生まれます。
心を整える。
相手の本音を一緒に見る。
そして、必要なら次の道を伝える。
この順番なら、
やさしいままでも仕事になります。
あなたのやさしさを、
無料相談だけで使い切らなくていいんです。
その先まで支える道があることを、
堂々と伝えて大丈夫です。
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