ピルが保険適応に!  ピル(追記⑤) | マーブル先生奮闘記

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マーブル先生の独り言。2024年1月1日の能登半島地震後の復興をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。





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質問2(トロさん (2007-08-25 19:53:17) )
治療薬としてのピル?

「ピルは避妊薬としてだけじゃなくて、
最近は子宮内膜症の治療薬とし9:53:17) )
治療薬としてのピル?

「ピルは避妊薬としてだけじゃなくて、
最近は子宮内膜症の治療薬としても
使われていますよね。
月経の量が多いとかにも利用できるし。
私の主治医は、
癌の予防にもなるから、と
サクッと処方してくれました。
ピルをもらうために、
産婦人科に足を運ぶと
自然と検診を受けるようにもなるし、
もっと普及してもよさそうだなぁと思います。」

ニュース: もうすぐピルが子宮内膜症の
       治療薬として解禁されます。

       早ければ来年9月の予定です。
       限られた第一世代のピルですが、
       月経困難症の適応です。


       どうなるのでしょう?
       混乱するでしょうが、
       あくまでも認可の予定のピルは
       第一世代の一相性ピルです。


       その結果、保険診療の値段との
       競合で第二世代や第三世代のピルが
       もっと安くなるのか、
       それとも第一世代との
       違いを強調するか。


       月経困難症としてのピル使用の
       保険点数を上げるか、
       それとも認可を遅らせるか、
       医療費の高騰に悩む国が
       どんな対応をするか楽しみです。


さて、子宮内膜症は性成熟期の
女性の10%程度にみられるかなり
頻度の高い疾患です。

子宮内膜症に付随する症状は
月経痛が90%に存在し、
その内訳は下腹部痛、腰痛、性交痛、
肛門痛、排便痛が多い。

また、報告によって異なるものの、
約40%に不妊症が合併する。
子宮内膜症には不妊症が伴いやすいため、
最近では、「子宮内膜症合併不妊症」
という診断名も登場してきた。
infertility associated with endometriosis

さて、避妊と不妊はさておき、
子宮内膜症の疼痛対策としての
ピルについて考えてみよう。

一般的な疼痛対策は、
観血的手法と非観血的手法がある。
観血的手法は腹腔鏡をもちいる
外科的な方法である。
非観血的方法とは
ブセレリンを使用した方法が
疼痛対策には有効とされている。

ところが最近のアメリカの報告では、
子宮内膜症の疼痛対策は
1) 鎮痛剤(NSAID)
2) 低用量ピル
3) 上記無効例にGnRHや手術
というアルゴリズムを提唱している。

低用量ピルの子宮内膜症に対する
治療効果に対するエビデンスはない。
単に月経量を減らし、
疼痛を軽減するだけかもしれないが、
保険適用のもとに低用量ピルは
再度多くの「おんな」の前に現れ、
その効果を発揮するかもしれない。
少なくとも自己主張はするに違いない。