ピル(追記③)  コレステロールの問題。 | マーブル先生奮闘記

マーブル先生奮闘記

マーブル先生の独り言。2024年1月1日の能登半島地震後の復興をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。




一般的に女性は更年期になると
高コレステロール血症に
なりやすいことが知られている。

これは更年期に見られる
卵胞ホルモンである、エストロゲンの
低下によることが知られています。

性ホルモンはステロイドホルモンで
血中ではほとんどが蛋白と結合して
存在します。

その結合蛋白は通称SHBGと呼ばれるもの
Sex Hormone Binding Globulin (SHBG)と、
残りは血清のアルブミンです。
この二つのグロブリンによって血中の
性ホルモンは捕獲され、結果的に無力されます。
ごく僅かのフリーの性ホルモンが
ターゲットの細胞に到達し、
その活性を表現することになります。

このSHBGは血液中に存在しますが、
どのホルモンと仲良しかというと、
一番はテストステロンです。
また、エストロゲンはSHBGを
増加させることも知られています。

「おんな」が「おんならしく」なるには、
男性ホルモンが少なく、
女性ホルモンが優位な環境が必要です。
卵胞ホルモンが多く、
その結果、SHBGも多く、
テストステロンは結合して無力化される、
損環境が理想的な「おんなの環境」です。

更年期は卵胞ホルモンが低下し、
SHBGも減少し、フリーのテストステロン作用も
増加する結果、男性化兆候と、
テストステロンのもう一つの作用である
コレステロール(特にLDL)上昇を
もたらすことになります。

ピルの場合、低用量の要求は
最初合成卵胞ホルモンに求められました。
したがって、用量の少ない卵胞ホルモンは、
SHBGを減らし、フリーのテストステロンを
増やしてしまうし、合成黄体ホルモンには、
アンドロゲン作用もあるし、
その結果、どうしても黄体ホルモンの
アンドロゲン作用によって脂質代謝の
LDL上昇が指摘されるようになり、
悩みの種でした。

科学者たちはこの問題を
解決するために、
工夫をします。

それは、最初に配合する
合成黄体ホルモンの量を減らし、
増加させるのは周期の後半にしたのです。
それと同時に、純粋にアンドロゲン作用の
少ない、プロゲステロン作用の強い
黄体ホルモンの開発をしてしまいました。

この結果、前半に少量の黄体ホルモンが
配合されることを除けば、
極めて自然の月経周期の
ホルモン分泌に似た
段階型低用量ピルが完成したのです。

周期の前半にどうしても
合成黄体ホルモンを配合したのは、
こうしないと排卵抑制や
内膜増殖抑制が働かないためです。

少し英語で、
Sex hormones circulate in the bloodstream, bound mostly to SHBG and to some degree bound to serum albumin. Only a small fraction is unbound< or “free,” and thus biologically active and able to enter a cell and activate its receptor. The SHBG inhibits the function of these hormones. Thus bioavailability of sex hormone is influenced by the level of SHBG.  From Wikipedia