PICADAR (PrImary CiliAry DyskinesiA Rule) スコアは、線毛機能不全症候群(PCD)である可能性を予測するために欧州で2016年に開発されたものです。

日本の専門施設でもよく使われていますので紹介します。

 

これは7つの質問から構成されています。
各質問に対する回答の点数(たとえば内臓逆位があれば+4点)を合計してスコアを算出します。湿性咳嗽とは痰を伴う咳のことです。満期産であるのに出生時に呼吸器症状があることは、PCDを疑わせる一つの手がかりになります。


スコアが高いほど(たとえば合計6点以上)、PCDである可能性が高くなることが知られています。

ただし、欧州でもPICADARスコアは診断ツールではなく、あくまでもスクリーニングツールであることに注意が必要です。最終的な診断には、専門施設における、より詳細な検査が必要となります。

また、PICADARスコア(原法)は主に小児のPCDスクリーニングのために開発されましたので、小児期には顕在化していない気管支拡張や不妊に関する項目が含まれていません。成人では多くの方が幼少期の問題を覚えていないこともあり、改良が試みられていますが、普及していません。