もともと線毛機能不全症候群(PCD)が稀少疾患であること、ここ10数年の国内外の診断面での進歩が著しいこと、それにもかかわらずネット上では古い情報や日本に合っていない情報が散乱しているため、私自身の備忘録も兼ねて、ここではできるだけ現状に沿った情報を紹介してきました。治療、管理面は気管支拡張症に対する新薬や、緑膿菌が初回検出された場合の根治療法が有効であるかどうかが期待されています。RNA創薬はPCDの根本的治療に関する将来的な鍵になると思われ、急速な進歩が見られていますが、PCDで臨床治験に持ち込まれるには数年以上かかるのではないかと思います。
そのような診断、治療、管理面の状況で、この病気に実際に罹っておられる方々やそのご家族の方々が他にお知りになりたいことってなんだろう、漏れていることがあるのかないのか、ときどき考えています。日々の暮らし方などはまとまったエビデンスがあるわけではないので、正直これが決定版というようなお話はできないのが現状です。
それからPCDに関する国内外の最新状況については、英語で書かれた文献が多いのですが、それ自体はAI活用で問題なく日本語にできますので、一般の方も翻訳を試みられるべきかと思います。そこに書かれている医学用語がわからない場合は、それもAIに聞けば、最近は、まことしやかな嘘はとても減ってきて、医師国家試験にも受かるレベルの豊富な医学知識で的確に解説してくれますのでお勧めです。主要なAIは無料の範囲内でもどれを使ってもいい感じで答えてくれます。ただし公開されて困るような個人情報はうっかり入れないように注意してください。
それから、AIで直接、病気のことについて質問する場合、日本の文献やWEBだけを学習している環境では、AIも古い情報や日本に合っていない情報しかまとめてくれないので、英語文献を含めて、と注文をつけていただくとよい場合がありました。本当にAIによって急速に世の中は変わっていることを感じますので、うまく活用したいものです。
と書いてから、いろいろ試していたら、最近のモデルでは、うまくバランスをとって国内外の情報をすくい上げてくれているAIもありました。一方で、ブログのようなものは、普通、学術的なものより信頼性が低いと判断されるので、賢いAIはあまり採用してくれませんね。このあたりは、私も情報の公開の仕方を考えなければと思ってます(追記)。