「トイレは(なるべく)休み時間に済ませなさい」

 

 小学校に入学したばかりの1年生の多くはおそらく、担任の先生からこのように言われるだろう。

 保育園や幼稚園とは違って、一定の規律が求められるのだよと、子供たちはここで暗黙のうちに学ぶ。

  

 その休み時間。娘が通う学校は5分間しかなかった。

 1時間目と2時間目の間、3時間目と4時間目の間、5時間目と6時間目の間は、5分。

 2、3時間目の間は20分、4、5時間目の間は休職と昼休みを挟むので、40~50分間ほど。

 

 私が通った小学校は10分間の休みが普通で、業間と昼休みが20~30分間だった。

 

 つまり「通常の休み時間」はいま、5分しかない(学校もある)。

 5分と10分では、だいぶ違う。

 トイレに行く時間があるのだろうか、と心配になる。

 

 立って小用を済ませられる男子はまだいい。

 女子は時間がかかる。

 「大きい方」だと、男女とも時間がかかる。

 

 次の授業に遅れてしまうから、トイレは我慢しよう。

 そう考える子がいてもおかしくない。

 

 休み時間が短いのであれば、授業中にトイレに行くのも認めなければ、バランスが合わない。

 子供たちも釈明しやすい。行く時間がなかったから、我慢したけれど、次の休み時間まで我慢はできません、と。

 そう先生に訴える度胸がある子はいいけれど、内気な子は…。

 

 私だったら、どうだろう。

 授業中に席を立つのは恥ずかしい。目立ってしまう。

 トイレに行っている時間で、大か小かも、わかってしまう。

 休み時間の間に、トイレに行っておかないと。

 でも、もし行く時間がなかったら? 体育の時間が絡むと着替えと移動もあって、トイレに行く時間がないかも…。

 

 緊張するし、落ち着かない、と思う。

 

 休み時間はせめて10分間、確保してあげられないだろうか。

 気持ちを切り替えたり、友達とちょっと話したり、そのくらいのインターバルを与えた方が、メリハリもつくのではないか。

  

 リラックスして勉強するためにも、落ち着いてトイレに行ける時間的余裕を。

 とくに、おしっこが近い子、お腹が弱い子にとっては、切実な問題のはず。

 教育委員会の方々には、改善をお願いしたい。