新学期が始まって1ヶ月がたった。 

 いつもこの時期になると思うのは、小学校の新1年生のこと。

 学校のトイレに慣れただろうか、幼稚園や保育園との違いに戸惑っていないかだろうか、失敗して落ち込んでいないだろうか…。

 

 学校のトイレの特徴、課題はだいたい、次のようなものではないかと想像する。

 

 ①授業中、トイレに行きにくいこと

 ②休み時間が短いこと

 ③和式の学校がまだまだあること

 ④通学に時間がかかること

 ⑤トイレをからかう児童がいること

 

 このほかにもあれば、ぜひ、ご教授いただきたい。

 この①~⑤について、順に懸念される点、課題解消のため検討してもらいたい点をつづっていきたい。

 

 まず①。授業中のトイレについて。

 

 昔(主に昭和から平成前期?)は、授業中のトイレは「原則禁止」が普通だったようだ。教員も、授業中の退室を認めない人が少なからずいて、行ける場合でも許可制だった。許可を取るのも、児童にとってはなかなか勇気のいること。我慢する子が多かったに違いない。

 

 現在は、生理現象を我慢させるのは体罰にあたる、との考えが浸透し、基本的には退室できるーー学校が多いという。

 おおむね、昔よりは授業中にトイレに行きやすくなっているとみていい。

 

 昨年、1年生に対して授業中のトイレを禁止し、失敗した子を叱責したーーとのケースがニュースになった。

 

 ニュースになる、ということは、その行為が現代においては問題ありだという裏返しでもあるーーと思いたいのだが、同時に、こうした時代錯誤な例が顕在化したということは、問題化していないだけでトイレ退出に非寛容な教員も一定数いるのではないか、という疑念も抱く。男子の個室利用をからかう問題と同じで、不合理で人権侵害でもあるとされながらも、なかなか消え去らないものだという諦念も絡んでくる。

 

 授業中のトイレ退室について寛容な時代になっていたとしても、感度のよい子は、授業を中断するのは良くないことだと感じるだろうし、内気な子は、途中で席を立つ勇気がなかなか持てないだろう。入学直後の混乱期で、果たして授業中にトイレに行っていいのかどうかわからず教員に質問することもできない子もいるはず。

 

 なので、親御さんには、改めてお子さんに対して「授業中でもトイレに行ってもいいんだよ」と言ってあげてほしい。

 先生も、子供たちに「トイレに行きたくなったらいつでも行っていいよ」と伝えてあげてほしい。

 

 トイレの失敗は、本人に傷を残すし、とくに授業中だと周囲の記憶にも残ってしまう。

 なので、念を入れて、失敗をさせない手立てを講じてほしいと思う。