昨年末に報道された処分案件、いまようやく知った。

 

 授業中にトイレに行きたいと訴えた児童(小学2年生)延べ10人以上に対し、トイレ退出を認めなかった事例が十数件あった、という。

 茨城県でも同様の案件があり、10月に教育委員会が発表している。

 このように、排泄を我慢させることは体罰にあたるとして、教育委員会が教員を処罰することは、大事だと思う。考えが古い教員であっても、処分事案だとなれば、やってはいけないことなのだと気づく(はず)。

 

 ただ、教育界においては「前進」であっても、被害に遭った子どもたちからしたら、とても「前進」などという前向きなとらえ方はできない。被害者は小学2年生。授業中にトイレを申し出るのは、恥ずかしさもあったはず。恥をしのんで訴えたのに、却下されたら、と考えると、気の毒でならない・。

 記事では、「下着を汚してしまった女子児童もいるという」とある。漏らしてしまった子は、おそらく一生、記憶から消えないだろう。恥ずかしさで学校に来れなくなるかもしれない。教員は減給3か月だが、被害者の子どもたちの心の傷は3か月では癒えまい。罪は大きい。

 しつけとか規律とか、集団生活のマナーを守れない子どもに問題があるような読者コメントもついていたけれど、ちょっと酷ではないか。おなかが弱かったり、膀胱が小さかったりといった個人の事情もあるかもしれないのに。いずれにせよ、彼らはまだ、10歳に満たない子どもたち。生理現象を訴えたら、トイレに行かせるのが自然でしょう。

 

 個人的には、記事中の「下着を汚した女子児童もいる」は不要ではないか、と思う。

 体罰のひどさ、具体的な被害を報道するつもりなのだろうけれど、本人は二重にショックではないか。性別の記述も不要でしょう。学校名は明らかにされていないとはいえ。二次被害になってしまう気がする。