不拡散及び軍縮に関するG7声明(その3・終)ー外務省HPより | 日本会議長崎のブログ

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先週発生した熊本の大地震は、長崎市でも何度も揺れたほどで、深刻な事態が続いていることが感じられます。


また、水が不足しているとのことで、長崎で売られているペットボトルの水をいくらか緊急に提供しましたが、避難生活の長期化が心配されるところです。


亡くなられた方々のご冥福と、一刻も早い収束をお祈りいたします。


先週からの続き(今回で終了)を紹介いたします。



不拡散及び軍縮に関するG7声明(その3・終)ー外務省HPより


核セキュリティ・原子力安全


39. 我々は,全ての国際的イニシアティブが核テロを防止することを歓迎する。我々は,核物質及びその他の放射性物質のセキュリティを更に強化し維持することを引き続き支援し,支持する。


40. 我々は,3月31日から4月1日までオバマ米大統領が主催した第4回核セキュリティ・サミットの成功を称賛するとともに,核セキュリティ・サミットの成果に基づき,国連,国際原子力機関(IAEA),国際刑事警察機構(INTERPOL),核テロリズムに対抗するためのグローバル・イニシアティブ(GICNT)及び大量破壊兵器・物質の拡散に対するグローバル・パートナーシップ(GP)の行動計画を通じて,核セキュリティに関する国際協力を更に強化し調整することにコミットする。


41. 我々は,世界の核セキュリティ構造におけるIAEAの中心的役割を再確認し,ハイレベルの関心と核セキュリティ強化に対するコミットメントを維持する上で,閣僚級セグメントを含む2016年12月のIAEA核セキュリティ国際会議を強く支持する。


42. 我々は,IAEA国際核物質防護諮問サービス(IPPAS)と国際核セキュリティ諮問サービス(INSServ)のミッションによる核セキュリティ強化に対する重要な貢献を認識する。IAEA加盟国に経験とベスト・プラクティスを共有する機会を提供する場として,英国の資金により2016年11月に開催されるIPPASミッション20周年を記念する国際レビュー会合を支持する。


43. 我々は,核に関する機微な情報,技術及び施設を防護するためのサイバー・セキュリティ措置を発展させるIAEAの取組への支持及び参加を継続する。


44. 我々は,年内に核物質防護条約(CPPNM)の2005年改正を発効させるため,全ての国に対して,核テロリズム防止条約(ICSANT),CPPNM及びその2005年の改正の締約国となるよう要請する。


45. 我々は,EUが,世界8つの地域で,各地域のパートナーと共にCBRNの安全とセキュリティを強化し,結果としてCBRNのリスクを緩和することにつながっている,安定・平和のための基金のCBRNリスク緩和中核センター・イニシアティブのような実践的・具体的なイニシアティブを支持する。


46. 我々は,過去5年間の,福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策の着実な進展を歓迎する。我々は,世界中で高水準の原子力安全を達成及び維持することの重要性を確認する。我々は,IAEA原子力安全行動計画の実施及びIAEAによる福島第一原子力発電所事故に関する報告書を含む,福島第一原子力発電所事故以降に国際社会が達成した原子力安全に関する取組及びこれにおけるIAEAの役割を認識し,世界中で最高水準の原子力安全を確保するための努力を継続し,IAEAを支援するとのコミットを再確認する。

47. 我々は,国際的な原子力移転及び原子力協力において最高水準の原子力安全を促進することの重要性を確認する。我々は,最高水準の原子力安全,核セキュリティ及び不拡散に従い,原子力発電を新規に計画する国が必要とする安全基盤の整備を促進することにコミットし続ける。我々は,全ての国に対し,原発を輸出する際,OECDの「環境と公的輸出信用に関するコモンアプローチ」に合致した行動をとることを要請し,統合原子力基盤レビュー,総合的規制レビュー・サービス,サイト・外部事象設計レビュー等の関連するIAEAのピアー・レビュー・ミッションを輸出先国が最初の原子力発電所の稼働開始前に受け入れるよう奨励することを求める。我々は,原子力発電の新規導入国がIAEA安全基準を適用することを推奨する。我々は,運転の延長期間及び終末期を含む,原子力及び燃料サイクル施設のライフサイクルのあらゆる段階において,その安全性と性能を改善することにコミットし続ける。


48. 我々は,グローバルな原子力損害賠償制度の構築に向けた取組の重要性を認識し,そのようなグローバルな制度の構築に向けた一歩として,全ての国に対し,国際的な原子力損害賠償制度に参加することを奨励する。


49. 我々は,全ての国が原子力安全条約(CNS)及び放射性廃棄物等安全条約の締約国となることを奨励する。我々は,CNS締約国により2015年2月に採択された原子力安全に関するウィーン宣言を含む,CNSの運用強化のための努力を支持する。我々は,原子力安全に関する体制を評価し,他国の最良の事例から学ぶ機会となる2017年3月のCNS第7回検討会合へのCNS締約国の完全な参加を推奨する。我々は,CNS締約国に対し,包括的な報告書の提出とピア・レビュー・プロセスへの積極的な参加を要請する。


50. チェルノブイリ原発事故から30年目の年に,我々は,安全及び機能的な観点から,チェルノブイリのサイトを安定させ,かつ,環境面においても安全な状態にするために,チェルノブイリの原子力安全プロジェクトを完了させることの重要性を強調する。これに関連し,我々は,原子力安全基金の資金不足に対処する必要性を認識し,使用済燃料中間貯蔵施設(ISF-2)プロジェクトを成功裡に完了させることの重要性を強調する。我々は,予算的な実行可能性を条件として,1995年12月20日にG7各国の政府,欧州共同体委員会及びウクライナ政府の間で署名された,2000年までにチェルノブイリ原子力発電所を閉鎖することについての覚書で述べられている諸原則に関する我々のコミットメントを再確認する。


原子力の平和的利用


51. 我々は,全てのNPT締約国がNPT第1条,第2条及び第3条に規定される国際的義務に従って,原子力を平和的目的のために利用する奪い得ない権利を有することを認識する。また,核不拡散義務を果たす国であって,完全な透明性をもって原子力安全,核セキュリティ及び核不拡散の最高水準を満たし,かつ環境に配慮した形で,平和的な民生用の原子力計画を策定することを希望する国々と協力する意向を有していることを改めて表明する。我々は,原子力が責任ある形で発展する上で,最も重要である教育や訓練といった分野において,国際協力の強化に向け作業するよう,全てのNPT締約国に奨励する。


52. 我々は,原子力技術の平和的利用の恩恵を拡大し,深化させることを目指して天野事務局長が掲げている「平和と開発のための原子力」の下で行われる,持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも寄与し得るIAEAの活動を強く支持する。


53. これに関連し,我々は,保健・医療,農業,水資源管理,工業適用,発電,気候変動等の分野におけるIAEA特有の貢献を促進するため,IAEA技術協力基金や平和利用イニシアティブに対する支援の提供を通じて,IAEA技術協力プログラムを通じてSDGsに貢献するIAEAの専門性を積極的に支持するとともに,IAEAがん対策行動計画並びに他国際機関と協力した,がんの早期発見,適切な診断,治療及びケアに関するIAEA独自の専門性を認識し,支持する。


54. 我々は,最新鋭の科学研究を通じてグローバルな開発ニーズが満たされることを確保するために必要な,サイバースドルフに位置するIAEA原子力技術応用研究所の改修(ReNuAL)の重要性を認識し,同改修が予定どおりの期間と予算で完了することを確実にするため,更なる資金貢献を行うことを全てのIAEA加盟国に奨励する。


55. 大量破壊兵器開発の知識と技術を有する科学者及び技術者が平和的活動に従事することを支援する国際科学技術センターの活動を更に促進するため,より広範な参加を奨励する。


小型武器及び軽兵器の管理


56. 我々は,テロリストが一連の攻撃において小型武器及び軽兵器を含む通常兵器を継続的に使用していることについて深く懸念するとともに,テロリストが小型武器及び軽兵器,並びに,携帯式地対空ミサイル(MANPADS),即席爆発装置及び対戦車誘導ミサイルなどの兵器を含む通常兵器を取得し使用することを防止する必要があることを認識する。


57. 我々は,通常兵器の不正な移転や流用(テロ行為の実行への流用を含む。)を防止するために,通常兵器の移転規制を促進する関連の国際文書及び国内法の重要性を強調する。我々は,ワッセナー・アレンジメントなどの関連の枠組みにおいてテロリストへの通常兵器の移転を防止するための協力を強化する。


58. 我々は,武器貿易条約(ATT)の普遍化及び同条約上の各国の義務の完全かつ効果的な履行を引き続き促進するとともに,国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する銃器並びにその部品及び構成部分並びに弾薬の不正な製造及び取引の防止に関する議定書を考慮することを強く要請する。


59. 我々は,国際連合軍備登録制度が小型武器及び軽兵器を武器の分類の一つとして含むよう拡大されることを求める。


60. 我々は,全ての関係国が,あらゆる側面において小型武器及び軽兵器の不正な取引を防止し,これと戦い,及びこれを根絶するための国際連合行動計画(PoA),各国が不正な小型武器を適時に及び信頼することができる方法で特定し追跡することを可能とするための国際文書(ITI),並びに,ワッセナー・アレンジメントのガイドラインを完全に履行することを要請する。


61. 我々は,テロリストによる通常兵器の取得や使用の防止に貢献する国家,地域及び多国間のレベルでの措置及び取組を支持する。これら措置には,関係国における過度の貯蔵兵器を削減し,及び可能な場合には破壊し,並びに,これら諸国の武器貯蔵庫の物理的な防護及び管理能力を促進する措置が含まれる。この点に関し,我々は,特にサヘル地域における通常兵器の不正移転に対抗するためにアフリカ諸国,ドナー諸国及び実施パートナーの間での協力を促進する我々の協調努力を前進させるドイツによるイニシアティブを歓迎する。我々は,アフリカ連合などの地域パートナーと共に,この点に関して引き続き協調して取り組む。


宇宙


62. 我々は,安全,セキュリティ,持続可能性及び安定性を高めるルールに基づいた宇宙環境を強化するため,迅速かつ実践的な方法により,あらゆる宇宙活動について責任ある行動に関する原則を発展させ,実施することの必要性を改めて表明する。

63. 我々は,衛星破壊実験によるものを含む,無責任で意図的な宇宙物体の破壊及びこれによる長期にわたり軌道上を周回する宇宙ゴミ(デブリ)の発生や拡散は,国際的な平和と安全に対する深刻な脅威であることを認識する。この観点から,我々は,全ての国に対し,宇宙活動に対する有害な干渉を回避するために,誠実に協力するための適切な手段をとるとともに,全ての国が,国際法に合致する方法で,直接的又は間接的に宇宙物体の損害又は破壊を引き起こすいかなる行為も自制することの重要性を強調する。


64. 我々は,宇宙政策や戦略に関する情報交換,時宜にかなった宇宙活動に関する情報交換や通知,及び効果的な協議メカニズムといった,国連政府専門家会合報告書(A/68/189, 2013年7月29日) における勧告に含まれる透明性・信頼醸成措置の提案を実行可能な範囲で検証し実施することについて,我々のコミットメントを再確認するとともに,全ての国に対し要請する。

65. 我々は,2016年6月に国連宇宙空間平和利用委員会による明確で実践的かつ信頼のおける宇宙活動の長期的持続可能性ガイドラインを速やかに完成させるための努力を支持し,同委員会の全ての参加国に対し,この目的に向けて建設的な役割を果たすことを促す。

                                             (終)