私はph.D.(理学) は一応取得しているので一応「サイエンス」のプロであるという認識はあります。

とあるデータサイエンス系の企業にアプライしたところ「第二新卒扱いになります」と言われ

世間でいう「サイエンス」とはなんぞやと少々突っ込みを入れたくなります笑

 

サイエンスの人間からするとデータサイエンスと言う言葉に若干の違和感を覚えます。

なぜならばサイエンスは多かれ少なかれデータを使うから。

そもそも、科学哲学において「科学とはなんぞや」という議論がありまして、「反証可能性」とか「操作主義」とか「社会構成主義」とか長い間議論しているのに、データ触ってビジネスをする人に対して「科学」という名前を付けるのはいかがなものかと。

分野によっては想像以上にいい加減な解析をしているところとか(ノイズを信号と言っちゃう解析をしているところもまああります)間違った解釈をしちゃうところもまああったりするんですが、

それでも科学者は「データを作成する」プロであり、「データを解釈する」プロではあると思います。

 

というかエンジニアリングの世界でもなんだかんだデータは多様しますからね。。。

「データ駆動」と言ってますが一体に何をしたいのかはよくわかりません。。。

 

こう思うと一部のAIエンジニアが「ただのAIエンジニアとは違うのだよ」と言うマウンティングを取りたいがために名乗っている気がしてなりません。

その本質は「アイディアだけ出してAIのめんどくさいところを丸投げしたい」と言う魂胆があるかもしれません。

 

ちなみにサイエンス業界でも「そのデータで何を言いたいのか」と言う点が重視されますので

AIに特化して研究していると「それはサイエンスじゃない」みたいなことを言われます。

あくまで「データサイエンス」は「手法」であって手法を改善するのはいいことだけれど本質的なことではない。

 

そういう意味では「データサイエンティスト」も「AIエンジニア」よりも「アウトプット」を重視するということかもしれません。知らんけど。

 

ちなみに最近の物理でも機械学習を物理に応用しようと言うのがあります。

理論の方はお好きにどうぞと言う感じなんですが、実験の方では使い方と分野によってまちまちでして

あまり何も考えない人たちは「機械学習」をバンバン使っていて、普通の人たちは結構「機械学習」を嫌います。

 

私は「人間がやろうとやるまいとどっちでもいいところ」ではどんどん使えばいいのではと言うスタンスです。

機械学習のアウトプットは「人間には判断がつかない」ことが最大の欠点としてよく言われます。

「判断がつくAI」を開発しても絶対無理なので「人間が判断しなくても問題ないところ」にのみ使うべきであると思っています。要は考えて使えと。

 

実験の例で言うと、

「装置の運転でパラメータを自動調整するために機械学習を使いました」みたいな使い方はOK。

それはデータの品質にさほど影響はなく人間のリソースの削減として良い仕事をしていると思います。


最近一番よく使われる例は「〇〇に機械学習を用いることで検出効率が10%上がりました」みたいな研究。

大抵の場合「じゃあなんで良くなったの?機械学習はどう言う特徴のものをより見つけやすくなったの?」と突っ込まれます。

AIの研究をしている人なら「とりあえずよくなったからいいじゃないか」と反応すればいいんですが、

物理の研究をしている立場からしたらそれは機械がそう言っているだけでお前はなにを見つけたんだと言う話になってしまう。

まあ実は「見つからなければ何をしてもOK」と言う話にもなりまして笑

見つかっていないのでいい加減なことをしても特に何も言われない。

逆に「機械学習で〇〇してこんな発見しました!」なんて言うと信用問題にもなりますのでかなり慎重に解析を評価しないといけない。

その解析が間違っていないことを証明する必要があるので結局機械学習でないやり方をやったり、その学習が間違っていないことを証明する必要が出てきます

悩ましい部分ですが「ここが間違っていたら間違った結果になるかもしれない」部分なので本来は慎重になるべきところではありますが、おざなりになっている印象があります。

 

一番ひどいのだと「機械学習を使って生データから物理パラメータを求めました」的なことをやる人

ある意味一番正しい機械学習の使い方ではあると思いますが、研究者であることをやめていると思います。

 

科学は結果も重要ですがある意味「過程の学問」です。

そもそも科学の最先端には答えなんかありません。

物理の世界では理論先行パターンが多いので「何かそれっぽい理論・モデル」をひたすら作ってその検証がされるだけです。

検証する前に検証の価値があるかを「そこに至った過程」を含めて評価していく。

その過程をすっ飛ばした研究にとってはなんの価値もありません。

 

この辺は個人の価値観にもよるのでなんとも言えないですが、

今のご時世に使わないと言うのも保守的すぎる感じはしますし、使いすぎるのも安直すぎる気はします。

 

こう見ていくとAIはある種の「きっかけ」として使うべきなんでしょうね。

 

最近のトレンドにHRtechとかEdtechなる事業があるのを知りました。

 

少し前に話題になりましたがリクルートさんが”新卒3年でやめそうな人”リストを売買して話題になりましたが、

https://www.businessinsider.jp/post-195973

昨今AIで人材の評価をしようと言う流れが加速しつつあります。

 

今の時代でも適性審査なるものがありまして半分そうなっている。

SPIでさえ会社向きな回答を選びなさいなんて言うアドバイスをする就活サイトもある笑

おそらくさらに精度を高めたいのでしょうがそれはお互いが不幸になるじゃろうて笑

 

話を聞いていると教育業界にも進出してデータをとり人材活用をする計画もあるみたいです。

 

現実味を帯びているので言うと出生前遺伝子診断もそうですよね。

生まれる前に障害があるとか酒に強いとかがんの確率が高いとかがわかる。

(これもかなりAIが使われているはずです)

そのうち遺伝子情報から性格がわかってむている職業とか言われるんでしょう。

 

 

私はAIを教育に使う議論のときにはいつも「ガタカ」「素晴らしき新世界」を思い出します。

この二つは「生まれながらにして運命が決められている人たち」が存在する物語です。

 

「ガタカ」では遺伝子操作された人間が生まれるのが当たり前になり、その能力によって職業も制限されている世界のお話で、遺伝子操作されないまま生まれてきた主人公が、ハンデを背負いながらもなんとかして宇宙飛行士になるお話。

「素晴らしき新世界」はもっと極端で知能や性格、能力、容姿も全てつくであろう職業用に作られている。

まあ有り体に言えば「遺伝子」を元にした「差別装置」が存在する世界なわけですね。

 

ちょっと調べてましたがこんなことも言われているんですよね。。。

https://ledge.ai/softbankworld-keynote/

まさに「平家にあらずんば人にあらず」と同じ発想でここは平安京かと突っ込みたくもなります笑

人間ってのは昔も今もたいして変わらんのでしょう。

そもそもAIを勉強してちゃんと理解できるやつらなんてそもそもそれなりにエリートなんです。

まず大学進学で50%、理系で40%、物理数学or情報工学系で20%がAIをなんとなくわかると思うと人口の4%くらいですね。大体江戸時代の武士の割合と同じくらい笑

そこをに線引きをして優越を言い出すのはちょっと傲慢じゃあないかと思ってしまうのです。

 

まあ周りにそう言う人たちしかいないと価値観が固定されてしまうのはわからなくはなくて

このビジネスを進めちゃってる人たちは自分の人生で辛い思いをしたり鬱屈した気持ちがあるのかそんな気持ちを一切抱いたことがないかのどちらかでしょう(リクルートへ行く人間を見ると多分後者)。

「現在自分のいる状況に全員がなれるといい」と言う善意から来るものなんでしょうが

それはあくまで自分が運よくそうなっているだけであってそうでない可能性もその価値観を否定する人もいるわけです。

 

教育データが取れていくとAIを使って

「あなたはエリートだ。〇〇の能力があって将来マッキンゼーに行ける」

「あなたは宇宙飛行士にはなれない。ごみ収集の仕事が適職である」

見たいなことを言われるんでしょうね。

もしくは

「〇〇の勉強をすることで3%弁護士になれる確率がアップする」とか「医者になった人の8割が〇〇歳までに海外旅行に行っている」見たいなことをアドバイスされるんでしょうかね。

 

人生をコントロールされたい人、したい人に取っては理想のシステムかもしれませんが

自分の人生は自分で決めたい人にとっては不幸としか言いようがありません(本来人生はそうあるべきだと思いますし)。

しかもそのレールに乗っていない人を原則排除していくシステムになるわけなので、どんどん差別を助長していくシステムなわけですね。ああ恐ろしい。

 

教育はいろいろな可能性を伸ばすべきであって教育機関や社会そのものが可能性を摘み取るようではディストピアまっしぐらです。

 

AIが教えてくれるのはあくまで「確率」です。

大学入試でもA判定で落ちるやつもいますしE判定で合格するやつもいます。

結果として受かっちゃえば過去は別にどっちでもよくての模試の結果なんだっていいんです。

それと同様で過去に何があろうが基準を満たす限りにおいては向いてようが向いてまいがいいじゃんと。

 

じゃあE判定のやつが挑戦するのは悪いことかと言うとそれはもう本人の価値観であり否定されるべきではない(まあ私なら反対しますが笑)

それを鼻から否定するのは人間を否定するようなものだと思っています。

 

AIはあくまで道具でありサイエンスでありそれそのもの自体に価値を持たないものです。

AIに価値判断を任せていきたい気持ちはわからんくはないですがその危険性に気づいていける社会にはなっていて欲しいですよね。。。


 

前記事では博士卒の"能力面"を見てきました。

 

一般的に博士卒にはある程度博士に行っただけの能力があるが、マッチングの問題で使いこなせないと難しいのではという話をしました。

マッチングを含めてお次は"性格面"においての博士卒の使いやすさ使いにくさを分析していきたいと思います。

おそらく分野や出身研究室にもよると思うのですが、あくまで私の周りの研究者(理系/物理)での特徴です。

 

性格と言っても千差万別なので性格診断で使われる16分類をベースにこれまであった人を思い起こしながら書いてみます。この診断は

https://www.16personalities.com/ja

 

意識:内向<->外向

エネルギー:現実<->直感

気質:論理<->道理

戦術:計画<->探索

アイデンティティ:自己主張<->慎重

 

の5つのパラメータで性格を16x2種類に場合わけしていくものです。

https://iwamishinji.com/tools/16personalities/


 

理系研究者に多いタイプ

あくまで研究は自ら問いを設定し、それに大して答えを与えるという行為を繰り返すわけなので

「分析家、探検家」に属する人は多い気はしますが、意外と「番人」タイプも多いです。

他人との関係性を重要視する「外交官」タイプは殺伐とした研究の世界では食い物にされるだけです笑

 

going my way系研究者(INTJ:建築家タイプ)

INTJは(内向的性格、直感的理解、論理的思考、計画的実行)な性格らしいです。

引きこもりがちでコツコツ自分のやりたいことをやっていくスタイルですかね。

確固とした自分ワールドを持っている研究者で〇〇理論みたいなものを作る人はこういうタイプな人が多いように思います。

 

オラオラ系研究者(ENTJ:指揮官タイプ)

ENTJは(外向的性格、直感的理解、論理的思考、計画的実行)な性格らしいです。

読んだ感じだと優秀だけどちょっと暑苦しい空気読めない系な人ですね笑

マイペースな人(遅い側や自分のことを理解しない)が苦手なので研究室には向き不向きがあるかと笑

私の周りではあまりいない印象です。

 

失敗しないので系研究者(INTP:論理学者タイプ)

INTPは(内向的性格、直感的理解、論理的思考、探索的実行)な性格らしいです。

一人であれこれ考えながら物事を考えていくスタイルですね。

秀才タイプの研究者に多い印象です(某T大出身の研究者に多い笑)

失敗や予想外の結果に弱い印象があり、それを防ぐため研究が小粒な印象です。

 

ゲリラ系研究者(ENTP:討論者タイプ)

INTJは(外向的性格、直感的理解、論理的思考、探索的実行)な性格らしいです。

挑戦的で色々なことを試していくタイプです。

概して飽き性でフットワークが軽いため、面白い研究をするが続かない笑

ちなみに私はここです笑

 

とりあえずやってみる系研究者(ESTP, ISTP:巨匠タイプ、企業家タイプ)

○STPは(外向的/内向的性格、経験的理解、論理的思考、探索的実行)な性格らしいです。

実験系では「考えるよりもまずやってみる」が重視されるところもあってそういうところで育つとこういう性格が多くなります。ISTPは一人で突っ走っちゃうタイプでESTPは巻き込みながら突っ走るタイプ。

突っ走りすぎて色々なことが迷子になってしまっている人が多いです笑

 

中間管理職系研究者(ESTJ:幹部タイプ)

ESTJは(外向的性格、経験的理解、論理的思考、計画的実行)らしいです。

典型的な企業の中間管理職タイプです。実験系では条件をうまく揃えたり品質を管理する能力がそのまま実験結果のクオリティに関わったりするので案外こういう研究者も成り立ちます。

性格的に真面目で新規性を嫌ったり大きな視点を持つのは苦手ですが、コツコツとやるのは得意です。

研究の方向性がある程度固まった分野や研究室にいると能力を発揮したりします。

 

引きこもり系研究者(ISTJ:管理者タイプ)

ISTJは(内向的性格、経験的理解、論理的思考、計画的実行)らしいです。

一人で手順通りに黙々とやるタイプですね。研究には向いていない性格な人たちです。

とは言っても指示通りに仕事をしてくれるという意味で手元においておきたい(悪い)人もいて

そういう人のもとで働き勘違いをしたまま、研究者になっている人もちらほらいます。

 

 

研究者に向いている性格

一応それぞれのタイプの研究者はいるような感じですが

特にINT○タイプは研究者としてならハッピーに生きていけると思います。

論理的なら大体研究はやっていけますし、さほど他人の干渉に鈍感であるのも重要かと思います。

私の職場の今の同僚はこのタイプが多めです。

 

批判耐性

孤独耐性

こだわりが強い、頑固、マイペース

大なり小なり論理的に考えられる

不確定なことに耐性がある

 

この辺が研究者として重要なファクターかと思います。

ISTPとりあえず手を動かす系研究室には持ってこいです。

ISTJは優秀な上司の指示さえあればやっていけるんじゃないでしょうか?

 

一方ENT○系,ESTPは合わないこともあるかと思います。

そこそこクリエイティブ思考なので、かっちりとした事を嫌います笑

学生時代はこう言う人はまあまあいました。そういうことができない分野や研究室にいくと逃げ出すかと。

 

ESTJはそもそもの性格として研究に向いていないですが「業界の価値観」みたいなものをバックに威力を発揮する人もいます。

 

アカデミアに向いている性格

 

研究とアカデミアはこれまた別でして研究室運営や大学運営、教育なども関わってきます。

アカデミアにいる以上は研究者の資質のみならず、研究者に向いている+αの能力も求められます。

 

上司との関係で転職する人が多いように相性の有無は重要なのですが

特に研究はより狭い世界なので上司<->部下の相性がクリティカルにきいてきます。

 

INTJ、INTPは同質な人々とはうまくやっていけるタイプですので

再生産されて必然的にこういう人が増えるのではと思います。

 

ENT○なタイプは研究室運営に向いていそうな気はしますが、アカデミアに残る確率が低いのかと思います。

I系のウジウジして優柔不断な態度をとても嫌うので人間関係などで離脱するのが多いかもです。

そういう人に仕事を任せられる心の広い人間が上にいないとこういう人たちは辛いんじゃないかと思います(私です)。

 

ISTJの方々はアカデミアにまず向いてないので他所に行った方がいい笑

以前そういう人と仕事をしたのですが「前例がないから」みたいな事を言われて(研究なんて前例がないからやるんだよ笑)ブチ切れたら仕事がなくなりました。

 

ESTJはよそ(上)から見る分には優秀に見えるのかと思いますが大体学生が不幸になります笑

こういう人のもとにはyes manが揃い、あまり研究者として使えない人が量産されていきます。

 

ISTPは一人でやりたがりなので大体放置系研究室を作っていくんでしょうね笑

こちらも同じ雰囲気の人ならいいのかもしれないです。

 

ESTPは方向性がどこかに行ってしまう人が多いので優秀だけど実行力が控えめなブレインがいるとうまく回る感じです。

 

象牙の塔の再生産

 

個人的な印象として

 

INTP : 3 

INTJ :  1 

ENTP : 0.5 

ENTJ :  0.5 

ESTP : 2

ISTP :  1.5

ESTJ : 1 

ISTJ :  0.5 

 

な感じですかね。やはりINT○系が多い印象でESTP系がちらほらいるくらい。

 

I系が6割くらいですのでどちらかというと保守的、

というよりアカデミアの世界は想像以上に保守的です。

やっていることが身近でないから新しくみえるだけでオーソドックスな研究も多い

 

そしてやはりアカデミアに対してのこだわりも大きいのでアカデミアから離脱する気があまりない。

残りのE系で自分の意思で残ろうと思う人が1割と思うと大体数字として合ってますね

https://career-picks.com/job-change/post-doctor-tenshoku/

 

で同質性を求めてINT系の研究者で占められていくと。これが象牙の塔ってやつですね。

こう見ていると象牙の塔はいつまで経っても象牙の塔にしかならないんだなあ。。。