私が反対だったバラマキが実現してしまいました。。。
Yahoo コメントを見ていると案外冷静でして
「そこでお金撒くよりも博士の就職支援など出口を広げるべき」
という意見が多く、世間の方が案外冷静に見ているなと。
そもそも論として「なぜ博士課程を増やさなければならぬのか」という所に立ち返って
個人的な問題とグローバルな思惑をしっかり理解しなければならない気はしています。
まず、国の切実な事情として「国際社会の中でのプレゼンス」があります。
日本の大手企業とくにITと家電は軒並み苦戦しています。
その中でよく言われている「大企業病」を改善して、より流動的な社会を作り出したいというのが政府なのか誰なのか知りませんが、上の方の事情なんでしょう。
これまでの日本企業は「自社で教育を行う」という文化で成り立ってきました。
コストを負担することでその企業に必要な知識や経験を効率よく獲得できるメリットがあります。
そのカリキュラムが存在するので、人事の評価もわかりやすかったりします。
よくないのはその会社での「局所最適化」されてしまい社会とのズレを感じられなくなることです。ハンコ文化だったり、非効率なやり方がまかり通ったりするのも「局所最適化」の最たるものでしょう。そして新しいものへの適応が遅れるという問題もあります。
また自社にないものは教育できませんので笑、新しいことは外部から持ってくるしかありません。
流動性を持つにはどこでも使える「汎用的な能力」が必要ですので大学院重点化あたりから「教育の外注」をしようと思ったんでしょう。
また、人材の流動化が起きると教育コストはリスクになっていくので、そこを抑えたいというのもあると思います。
特にITだったり先端技術だったりと通常の企業ができないものを何とかものにするためにも(大学の機能をある意味いまさらながら)利用しようとしているというのが国の魂胆だと想像します。
要は国としては「博士に行ってほしい」というなんだかよくわからないことを望んでいるわけですね笑
巷でいわれているように「博士課程の劣悪な環境」が存在しているのが博士課程に進むのを阻んでいると。
それを改善することで博士卒を増やしたいというのが魂胆なわけです。
正直博士課程が何とか言われ始めたのはここ5年くらいなんですよね。
私が大学に入ったころはまだまだ博士なんていったら「人生詰む」といわれていたものです。
(今も間違いではないですが)
一方で私がよく言われたのは「博士課程の環境は以前と比べるとかなり良くなっている」ということでした。
昔は「科研費ポスドク」はダメだったようですし学振ももっと採択率が低かった。
昔は「無給ポスドク」という闇の深いポジションもあったくらいですし。。。
そういう意味では徐々にではありますが環境は改善されています。
まあ今は博士課程だったり、高等教育の在り方が変わる過渡期なのかと。
一方で学生側はなぜ博士課程に行くのでしょう?
私の場合は「働くイメージがわかなかった」です笑
なんという意識の低さ笑
まあ研究だったり、色々なことを知ったり考えたりという作業が楽しかったというのもあります。
また、「キチョナハナシカンシャ」みたいな茶番のような就職活動の全盛期でして笑、それをやりたくなかったということもあります。
周りには内定をけったり、インターンをして気が変わったと博士課程に進んでいる人もいて「最後までやり抜きたい」「満足いくまでやりたい」みたいな強い意志をもった人もいました。
博士課程に行く人間はどういう就職を考えて博士課程に行ったのかと言われると半分くらいは「何も考えてない」です(笑)
と言いつつも修士で就職活動を一応やっていた人間は最終的に就職する印象が強く、逆に何もしていない人の方が残っている印象でした。
そして、なぜか企業就職に対して「向いていない」と思い込んでいる人がものすごく多くいて笑
「アカポス以外」を最初から除外している人がなんだかんだでアカポスについている気はします。
とある学会のキャリア相談会的なものに出たときに「民間企業への就職を考えたスタッフ職」についてアンケートを取ったら
三割程度の人間しか民間企業就職を考えなかったそうで、ある意味衝撃でした笑
まあ、つまりは大体の博士課程まで行く人はなんだかんだでアカポスにつきたいと思っているわけです。
ですので、どんなに金銭的な支援をしても「パーマネント競争」の要員が増えていくだけであって民間企業に目が行くことはありません。。。
そこの意識が変わらない以上はどれだけ金銭的な支援をしても意味はないわけです。。。
また、業界的にもやはり「就職は負け組」であるという認識は多くの人がもっているのでさらに厄介です笑
ちなみにT大では以前からリーディング大学院とか卓越大学院という国を食い物にしたかのような制度が存在していまして笑
建前は「民間企業で活躍する博士を増やすため」ですがその中身はバラマキと変わりはなく申し訳ない程度の講義やデューティをこなせば月々20万程度のお給料がもらえる。
(ここまでかいて気づいたのは、結局卓越が切れたので新しい名前で継続するだけの話ですね。。。)
学生側は基本的にやる気はなく、20万のためにデューティを消化しているだけでした笑
結局学生側の意識が就職に向くようにならないとうまくいかないよなあとは思うのです。
そして就職に意識が向いている人は基本的に博士なんていってもいいことないので結局修士で就職するわけです。
博士課程の学生にどれだけ就職の勧めをしても博士課程の学生は基本的に「いうことを聞かない」人種なので意味がない笑
私は基礎科学の人間なので、大学院まで就職予備校になって、最先端のエンジニアリングばかり追い求めるのはあまり感心しません。
一方で学術会議の問題のように確実に時代の感性と合わなくなっている感じがあります。
いまいちど、学生たちも「なぜ学問が大事なのか」「なぜ学問をやっているのか」ということを考えてみてもいいように思います。
まあそういうことを考えない人がアカデミアに残っていくんですけどね