お仕事もだいぶ慣れてきてお給料もやっともらえました。

 

まあこれまでは比較していいところが見えていましたし、環境としては圧倒的に今の方が自由に研究させてもらっています。

一方で、いまいちなところも見えてきましたので参考までに。

 

私は典型的日本の大企業に就職しましたので、嫌いな人は嫌いな環境です笑

ですので典型的な大企業に就職した場合のいまいちさだと思ってもらっていいと思います。

 

1.厳しさ

大企業はやはり従業員である限りは手厚く保護されますので危機意識は低いです笑

経営層はさすがに危機感を持っていると思いますが、課長係長レベルの中間管理職はそこまでの意識を持っていません。

ですので、研究者のような「原理原則に忠実」な人はつらいかと。結構色々なところがなあなあです。

所詮何万人と働いている中の一人がギャーギャー騒いでも益のないことだということを悟れないとしんどいと思います笑

 

2.正義感、合理感

営利企業である以上は利益が最優先で、正しいことや合理的なことが必ずしも通らないことが多々あります。

例えば「こんなもの紙じゃなくて電子媒体にしやがれよ」と思ったりもするんですが、そういう所に正義感を踏みにじられた感を感じたり、合理的な要求が欲しい人は大企業はつらい笑

 

3.独立感

当たり前ですが、組織にいる以上は何をやるにしても上長の許可が必要です。

ものによっては色々なところにお伺いと立てないといけません。

研究でもそうだと思うんですが、どんな些細なことでもものによっては許可がいります。

(HHKB使っていいかとか笑)

上長の性格でどの程度自由にできるかの裁量が決まります。

これはポスドク時代でもクソでしたので、完全にその組織の雰囲気の問題です。

 

4. 人間のレベル度合い

これまた当たり前ですが、大企業になると人間多種多様になります。

色々な制限がありますが色々な制度は基本的には「一番下の人に合わせる」ようになってます。

学生時代に「あいつが足を引っ張ってる」みたいに批評する癖がついている意識高い人はベンチャーなど厳しい環境に行きましょう。そういう人はホモソーシャルな環境があっていると思います。

 

5.締まらなさ

まあ研究でも論文を書くときにまとまらなさを感じながら書いていたと思いますが、仕事はより締まりません笑

特に利害関係があるとより場合によっては消化不良になります。

「おいしいところは全部別会社に持ってかれる」とか、「現実的なことを考えるとAI使わなくてもいいよね」みたいなこともたくさんです笑

ビシッときまるのが好きであれば、ベンチャーだったり製品開発よりの方がいいかと。

(逆に製品化の部分はゆるふわではだめです)

 

6.研究の方向性

これまた組織によりますが研究開発と言ってもピンキリで

0-1が好きな人(基礎研究)、1-7が好きな人(応用研究)、7-10が好きな人(製品開発)でバラバラです。私のところは0-3くらいですので個人的にも性に合っていますが、そういう所に7-10が好きな人がいると辛いですし、逆もしかりです。

また経営層の方針でプロジェクトがぽしゃったり、「これはちょっと無理でしょ」というような案件がくる場合もあります笑

「ただの好奇心」だけではだめであくまで営利企業であるという現実的な視点がないと辛いと思います。

 

7. 特別感

ポスドクというかアカデミアにいたときとの最大の違いというかものすごく実感するのは「ただの人」感です笑

どれだけ口で謙遜していたとしてもなんだかんだでアカポスって「特別な人間だ」という所にプライドを持っていたように思います。

所詮みんなどこかの集団のone of themなんですが1万人の中の一人か、50人の中の一人か、一人の中の一人かですので所属する集団が小さくなればなるほど自分の中での特別感は増していきます。

たとえ大きな組織で自分でプロジェクトを立ち上げてすごいことをしてニュースになっても「自分がやった」という感じはあまり起きない気がしています。

逆に大学に残っていたほうがどんなしょぼい研究でも誇らしい気分になる。

おそらく所属しているという感じなんでしょうね。そこだけは若干の寂しさを感じます。

 

 

一言でいうと自己充足感(=自分がやった感)と組織の大きさはトレードオフです。

また、社会の一員感だったり安定感だったりは組織の大きさと相関しています。

結局は「人それぞれ」なんですが、自己充足感に渇望していたらそのままポスドクを続けるのが一番幸せだとおもいます。

 

 

私はどちらかというと教育がしたくてアカポスを目指してたタイプですのでそういう人間はまあ普通に会社員でも悪くはない気分ではあります。

 

 

 

実質大学を辞めてから一か月になりました。

働き始めて三週間経ちました。

 

特に遅刻もなく普通に暮らしております。

生活レベルとストレスレベルが格段に向上したので楽しく暮らしています。

 

初日と比べて色々と感じたことを書いていくと、

 

1.受け入れられている感がある笑

たぶんここがポスドクとの最大の違いかと思います。

まあある意味学振ポスドクだったのがいけないんだろうと思いますがポスドクのよそ者感がすごかった。

雇ってしまった以上、一応戦力としてみなされるので手厚く、それなりに気を使われます。

 

当たり前ですが、上司に依存します笑

 

2.法律で守られている感

今は”めざせ残業ゼロ”ということで残業できません笑(管理職になると一部していますが)

定時退勤日もありますし、有休もある。土日出社は基本厳禁。

かちゃんとしないとたたかれるというのもあるのできちんとしてます。

 

労働基準法なんてあってないようなものの大学や研究機関と比べて気楽。

もちろん、企業の規模だったり業種にもよると思います。

 

3.人材育成への意識が高い

研修だったりが定期的にある。管理職になったら管理職なりの研修もあります。

大学のいい加減なe-learning とは大違い。

 

4.設備へのお金のかけ方が半端ない笑

研究に対する投資はこちらが圧倒的笑

 

5.マネジメントの意識が違う。

これは様々な組織にいて本当に実感するのですが、マネジメントで全てが決まります。

裁量権だったり、役割分担だったりが圧倒的に明確です。

 

大学にも「マネジメントできる」という人がいましたが、マイクロマネジメントしてるだけの人だったり、進捗管理しているだけの人が多い印象で、正しい意味でマネジメントできている人をついみかけませんでした。

どちらかというとマネジメントしない分「政治」をしている人がものすごく多かったように思います。

まあ日本の政治も見ていてわかるのですが、仲が悪いとお互いの足を引っ張ることしかしないので効率がものすごく悪くなります。

 

大学と比較するとやはり、意識が全然違うなあと思いました。

博士課程って全然教育機関じゃないんだなということを実感しました。

 

ついに社会人になりました!

元々できるだけ午前中には大学にいるようにしていたタイプですので、ちょっと早起きするくらいで、飲みすぎてつぶれないようにしないといけないことくらいですね笑

 

環境だけは格段に良くなりました笑

 

  1. 立地

地方都市から東京に来たため、住環境や職場の場所が圧倒的に良い笑

しかも比較的混雑の少ない路線でラッシュアワーでも満員電車でないのはとっても楽。

また、うちの会社はある程度研究環境に力を入れているみたいで雰囲気は某IT企業に対抗してる感じ笑

 

   2. 環境のバックアップが違う

これまた当たり前ですがパソコンの設定などをサポートしてくれる専門の人がいるので、環境を整えるなどで手探りになることが少ない。

資金は圧倒的に会社の方がありますし、自分で科研費をかく必要もありません(あるのは部長レベル)。

 

  3.マネジメントがしっかりしている。

これまた当たり前なんですが笑、マネジメントだったり人材育成にもしっかり力を入れています。というよりも、雇ってしまった以上は戦力にしないといけないので笑、戦力になるようにしています。

「勝手に育つやつしかいらない」というスタンスの大学とは天と地ほどの差があります。

 

 4. 社会保障がある笑。任期が原則ない。

圧倒的安定感笑

 

5. まあまあ皆さん優秀

民間企業でも研究職はまあまあの花形ポジションです。ですのである程度優秀な方々がいらっしゃいます。

あくまで最終的に製品につながることをしないといけないのでそこそこゴールが明確です。大学で残っているポスドクの微妙な人よりもよほどまともな研究ができる。

特に渉外関係が議論は圧倒的にT大のポスドクより優秀。

 

 

一方で大学の方がよい部分はさほどないですが、

 

  1. 情報機密の関係で環境が微妙に制限される

当たり前なのですが、情報流出を防ぐ意味でインターネットだったり、パソコンやソフトの管理がちょっと厳しい。好きなガジェットだったり、mac は新しいのが出るたびに買うような人は向いていません笑。MY HHKBが無用の長物に笑

 

    2. 時間内は働かないといけない笑

大学だとやる気のないときは本当に遊んでたんですがそれはさすがにゆるされない笑

 (今は在宅も可能なのでさぼろうと思えばさぼれる)

そして、残業代が出るので時間外勤務にはきびしい笑

 

  1. いる人のレベルや知識はマチマチである。

キャリア採用だととくにバックグラウンドがいろいろなので、知っている知識などが全然違います。大学のようなホモソーシャルな世界がすきなひとには厳しいでしょう。

 

    4.他部局とのインタラクション

他部局とのインタラクションは同じフロアにいるのにほとんどなかったりします。

大学でも隣の研究室何やってるかよくわからないというのもあるあるですが、大学の方が乗り越えやすいのかなとおもいました。私中途入社なので同期とかいないですし笑

 

 

 

 

正直となりの芝は青い状態なのかもしれませんが、

特にT大にいた二年間は何だったんだろうと思うような待遇と環境です笑

 

また、しばらくたったら更新したいと思います。

 

さてあと一週間ほどになりました。

 

引越しも完了し、あとは入社を待つのみです。

 

一応研究職に就けたので、今後もしばらくは研究を辞めるわけでもなく分野が変わる以外はあまり変わらない。

変わるのは朝9時に満員電車に乗らないといけないこと、残業代が出ることと笑、社会保障があることですかね笑


さて、私はポストがないとかお金がないとかで就職をするわけではなく、任期を待たずして就職するので特に未練はないですし心残りも特にあるわけではないです。

 

私結構涙もろく中学の卒業とか高校の部活の引退とかではポロポロ泣いてたクチで笑

やはり何かに打ち込んでそこそこ思いれがあるものから離れるというのは寂しいものです。
最近Amazonプライムで「けいおん !」を見返しているのですが、学園祭終わって泣いているシーンを見ていて昔はこう言う時があったなと言う懐かしさを覚えていました。

 

これでアカデミアのキャリアに一区切りつけたのですが特に感慨深いものはなく心が死んだのか、そこまで思いれがなくなったんだろうなあと感じています。

どちらかと言うと「もういいや」という気持ちです。

 

最後の出勤の際に話をしたのはお隣の部屋の学生たち(分野は関係ない)、事務の皆さん、日本語の先生、某教授の秘書さんくらいでした。そもそも未だ緊急事態宣言を続けているので誰も来てないですし笑、研究グループの人々はそもそも三ヶ月以上誰からも連絡をもらってません。。。

 

事務の皆さんは(一応会ったら話す様にしていたので)寂しそうにしてくれたのですが、それ以外は特にでして笑

私は事務方の人以外からは一員として認められてなかったんだなあと感じて、改めて辞めて良かったとおもいました。

 

正直、別の分野だったりT大以外だったりだと多分それなりに楽しくできていたとは思わなくもないのですが、まあ人生一度や二度の失敗はと思って前を向いて生きていけばいいじゃないと思っています。

 

今回のポスドク生活での教訓は

 

- 結局のところ人間自分の幸せが一番大事である。周りに何を思われようが幸せになれる可能性が高い方向を選ぶべし。

- 自分の人生の選択を人に握らせたら絶対にだめ。選択を握ろうとする人間からは全力で逃げるべし。

- 社会や会社や組織は所詮は他人事である。改善不可能と感じたら全力で逃げるべし。

- 「他人との勝負」と「自分自身との勝負」を正しく整理すべし。

 

ですかね。

 

まあこれから何が起きるかわかりませんが、もう少しマシな人生になることを願っています。

 

若手研究者の待遇が悪いのは以前から言われていることなんですが、前回の記事の様に私は単純に若手にお金をばらまくことに批判的です。

 

そもそも博士課程なんて好き好んでくるところじゃない笑

日本の大学は"お金を払って”クソみたいな環境でただ働きをすると言う「Mなの?」と誰しもが思う様なところです。

博士になれば就職もしにくくなるし、給料も低い。アカデミックポストも少子化で大学自体が減るためどんどんと減る一方です。

 

私は基礎科学の人間で周りに研究はめちゃくちゃできるけれどやばい人をたくさん見てきてます。

本当に全ての能力を数学に全振りした様な人で、人間の生活レベルがおおよそクソだったりとか。

そう言う人はそれゆえに高い業績を残しているわけなので、当然我々はそれに憧れているわけです。

私もそうなんですが、どちらかと言うと中々の社会不適合者の集まるのが研究者です。


ですので、博士課程は

 

そこでしか生きていけない人がいくところ

 

です。

 

ですので、研究者の待遇云々というのであれば解決策は簡単で

 

そもそも博士課程に行かない

 

というのが最も正しい選択肢です笑

 

どうしても博士が欲しい方は分野にもよりますが、

 

- 海外の博士課程にいく(一応お給料がもらえる)。

- 民間会社の研究職に就職して社会人博士として博士号をとる。

- 学振が取れるくらい優秀になる。

 

が正しい選択肢だと思います。

要は「生きるため工夫をしてください」という話です。

 

厳しい様ですが「工夫して自分でなんとかする」能力がない限りは大した研究者になれません。

自分で何とかしないと実験装置も手に入らないですし、実験で行き詰まってもどうしようもできません。

 

研究者の様な未知の世界を探検したいと言っている様な人たちが、他人がなんとかするのを待っていると言うのは

そもそもそう言う世界では生きていけないと言っている様なものです。

 

一方で博士課程だったり、大学の教授職がある種の「キャリアの選択肢の一つ」と思っている側面を感じています。

勉強を頑張ってやって優秀な成績を出し続けた人が博士課程に進学しているパターンですね。

 

勉強と研究は違うと言われているはずなので勉強だけやって博士になってその待遇に文句を言うって

結局「自分で何も選んで」おらずと言う主体性が全くもって欠如しています。

 

 

若手研究者の待遇も学術会議でもそうなんですがまさにここで指摘されている様に

結局「若手に金をよこせ」「研究費の増額を」というのは「口を開けて待ってる」だけなんですよね。

 

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/76611?mi=GendaiBusiness_AR_1

 

指を咥えて駄々をこねていたらお金が出ると思っている。
文句を言えば自分の周辺環境を良くしてくれる。

 

結局自分の判断で動けない「イェスマン」であるし、環境が整わないと研究ができない。

温室そだちと言われても仕方ないです。

 

T大に来て感じるのは研究の側面の一つである「価値を作り出す」ことが致命的にダメなところで、研究者まで「官僚スタイル」で研究している印象があります。

T大ポスドクはちょっと難しい指示が聞ける「頭のいい奴隷」が優秀と評価される印象を受けました。

 

奴隷は研究では必要ありません笑。必要なのはむしろ逆の「縛られない精神」が大事なわけです。

 

なぜか左翼が保守化しているのと同様に本来自由であるはずのアカデミアの方が自由がその奴隷精神に縛られれている印象を受けており、まさに日本学術会議で問題になっていることです(もちろん場所によると思いますが)。

ちなみに転職理由で「大学ではあまり自由に研究ができない」と言ったら「逆の印象だけど」と突っ込まれました笑

 

 

日本のアカデミア(T大)にいて実感したのは致命的に「主体性が」ないことで、日本学術会議や若手の声などはまさにこの「主体性の欠如」の発露であるような気がしています。

 

「若手に金をよこせ」と言う論は気持ちはものすごく分かりますが、「研究の環境そのもの」や「研究に対する考え方」を考慮するとそれを言うこと自体が「研究者に向いてない」と思うのです。

 

 

研究ははみ出し者がいくところであり、はみ出すからこそ新たな発見があるのです。

そのはみ出し方を勉強するのはミュージシャンでいうと「売れる歌詞の書き方」を本で読んで歌詞を作るようなもので笑

それではいい歌は作れません笑

 

そうじゃなくて伝えたいことがあるから歌詞を書くわけだしかっこいいと思う言葉を書いていくだけです。

「この言葉は〇〇でかっこいいから選んだ」と歌詞を書いていくのはちょっと野暮だし面白くない(めちゃくちゃT大生っぽい笑)。

 

確かにそう言う人間は社会に出ても使えないよなあと思いますし研究レベルも落ちていくよなあと思います。