https://togetter.com/li/1370630

 

ふと眺めてたらtogetterでこんなまとめがありました。

 

大体は否定的な意見で研究なんて効率化できるわけがない(効率が悪いのが研究の本質であると)とのコメントです。

 

とは言っても

https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je02/pdf/wp-je02-00302-04.pdf

 

日本の投資に対する研究の効率はものすごく悪いんですよね笑

ここで言っている効率化は費用対効果の問題やoutputの質のことだと思います。

私も研究業界にいて色々思うことはたくさんありまして結構改善できるのではとは思っています。

 

研究費の取り方

 

まず、研究も資金がないとやっていけません。

研究費は基礎科学の場合は科研費がほぼ唯一の財源になります。

取り方は簡単で書類にやりたいことを書いて申請するだけです笑

 

そこに書かれた科学的意義、(個人の能力を含めた)実現性、オリジナリティなどを認められると晴れてお金がもらえます。

あまり奇抜なことは好まれず、これまでの実績をベースに評価される感じです(そういうとこやで)。

欲しいといったお金と実際にもらえるお金の割合は大体7割くらい。

 

この科研費ですが根本的な欠陥を抱えていて、基本的には「使い切り」です。

なので年度末にパソコンを新調したり、不必要な出張を入れたりと何かと無駄遣いをします。

 

要は「金が先、中身があと」なのが日本の研究システムなのです。

そして、アウトプットに関しては特に何も言われることはないので

肝心の中身は書類に書かれていることとは違うことをやっている人もいます(私です)。

 

このシステムがまず研究を効率悪くしている一要因だと思います。

研究の方向性

 

以前いた分野では定期的にアメリカ、ヨーロッパのコミュニティが今後10年どういう指針で研究を進めるかというレポートが作成されます。

それを見て「あのプロジェクトはぽしゃったのか」とか「海外はこういうのやるんだな」みたいなことを考えます。

 

アメリカと見てると結構厳しくて一度レポートが出されて方針が決まると「プロジェクトそのものが消えた」みたいなことは結構あります。

(もちろん、その人たちが露頭に迷うことはなく、本筋プロジェクトに組み込まれたりします)

お金を取るにしても「本筋プロジェクトに関連しないとお金取れない」ということも普通にあります。

ただし、そういうところはお金がたくさんありますので職もいっぱいあります。

ポスドクも職があるところに結構フレキシブルに動きますし、まあ向こうは学生もお金もらってますので割と普通に他の研究員と同じようにデューティワークをこなしていきます。

個人の発想の自由は少なくはなりますが、究極的に知りたいこと自体は皆一緒なのでそれなりにみんなハッピーにはなります。

 

一方今いる分野ではそういう戦略はありません(もちろん偉い人はちゃんと考えてますが全コミュニティに浸透はしていません)

めちゃくちゃ上段に構えたテーマを書いているけれどそのテーマと研究内容があんまり関係ないとか、これやって何したいんだろうという研究はいっぱいでてきてしまいます笑

言い方は悪いですが「論文を書くための研究」が量産されます。

 

各々が思うように研究を進めているので「ぼくがかんがえたさいきょうのけんきゅう」みたいな研究が量産されるわけです。

冷静に考えてみると「お前の最強なんてどうでもいいんだよ。世界が認める最強を作れよ」です笑

 

もちろん、研究には偶然性が伴うので一概に方向性を決めなさいとは言い切れない部分はありますが程度問題はあります。

テーマが明確になるほどその研究の位置づけも外部からわかりやすくなりますし、探索範囲も狭くなるわけです。

 

身近な例で例えると研究の目標が「スーパーでのコーラの売り上げを伸ばしたい」みたいなトピックだったとする。

 

「他店のコーラの売り上げ」「ソーダの売り上げ」「他店でのソーダとコーラの売り上げの比較」などはまああり得る話ですし、

「顧客のコーラの嗜好性について」とか「コーラとソーダの成分の比較」みたいな切り口で調べてもまあわかる。

 

ところが中には「スーパーで売っているお惣菜の種類について」とか「都内在住30歳独身男性が16:00-17:00の間にコーラとソーダを両方買う人の割合」みたいな研究をする人もいます。

前者も後者も他との関連性で役に立つ場合はありますが、それ単体ではあまり意味をなさなくて全体の流れの中で意味を持つ。

それなのに「いや、コーラとソーダ両方買う人が重要なんだ」と言われても「はあ?」となってしまうでしょう。

 

こういう研究はごまんとあります笑。

でも研究では何が起こるかわからないからこのアプローチを許容しなさいと主張しているわけです。

 

効率が悪くなるのは当たり前ですよね。

もう少し戦略的なアプローチをとるともう少し改善できるのではと思います。

 

学問の世界ではこう言った戦略的なアプローチがあまりにもいい加減な感じがあります。

研究の協力体制

 

若干研究の方向性とも関連するんですが、

同じような研究を言葉を変えてやっていたり、違う分野ではもっと効率的なものを愚直にやってたり間違ったことやっているなんてことも結構見かけます。

原因は「コミュニケーション不足」と「住み分け戦略の不在」です。

 

大きなテーマに取り組んでいる場合大体研究が似通ってきます(人間の能力はそんなに変わらないです)。

海外ですでに存在するチームに日本人だけで立ち向かっても勝てないとかは往々にあります。

そう言った時に(限って)正攻法で攻めていく人が多い。対戦時の日本軍と同じじゃないか。。。

ニッチを狙うとか、切り込み方を帰るとか、もう少し工夫してアプローチをとる必要があると思います。

 

大体どの分野でも似たような問題を抱えていることは多いのでちゃんと協力を仰いだらいいのですが

プライドが邪魔をしたり、仲が悪いとかイニシアチブがとか見たいなことがあって協力体制が整わないことも往々にして見てきました。

 

物理方面では業績を残した"個人"が一番偉いという雰囲気が漂っているのでどうしても協力を嫌う人がいます。

あなたのその程度の研究では偉い賞なんてとれませんよと言いたいですが、そこにこだわる人が多いのも事実。。。

 

何か名誉みたいなことを追い求めちゃうとろくな研究にはなりません。

 

ノーベル賞をとった人やとりそうな人を何人か知っていますが皆さん科学に対してはとても謙虚です。

そもそもノーベル賞とろうと思って論文書いているのであれば勘違いも甚だしい笑

ですが、分野が分野ですしそういう野望を持って研究している人は結構見かけます。

 

大半の研究者なんて二流三流なんですし、最終的なゴールが同じなら誰がやってもそう変わらんのですから

(だからこそ、イニシアチブとって偉くなりたいんでしょうね)仲良くやりましょうよ。。。

 

研究の実行性

 

生物系ポスドクでは「ピペド=ピペット奴隷」なる言葉があるように研究者の一部はテクニシャン的な一面を持ってしまっています。

我々の業界でも「サイエンティスト」や「物理学者」でなく「テクニシャン=技術作業者」や「エンジニア=技術者」に陥っている場合も多いです。

 

まあそれなりに人件費の削減にもなりますしものづくりや実験自体は楽しい。

もちろんそのプロセスの確立に時間がかかることは理解できますしやりがいもある。

しかし、高級取りの研究者にそういうことをやらせるならバイトや技術者を雇って他のことをしてもらったほうが双方幸せです。

 

こう言った感じの便利な機械も開発されているわけですし、あえて人海戦術をやらなくてもいい気はします。

https://shingi.jst.go.jp/var/rev0/0001/0988/2020_nims_2.pdf

 

最新の装置がないというのもあるのですが大学ってやたらと伝統的な方法でやらせたがるんですよね笑

(まあプリミティブなぶんそのほうが理解が深まって教育的にいいこともあるんですが)

 

研究者になっても「ただの作業」を重点的にやらせている研究については効率化は可能かと思います。

 

まとめ

言い方は悪いですがビジネスやってる人だった不確実性の中で生きてるわけですよ。

そして失敗すると身が滅びるわけです。研究では失敗しても身が滅びないのでそりゃ必死に改善しようとはならないでしょう。

研究の効率化ができないというのもちょっと傲慢すぎる気はします。

もちろんいい加減な組織はたくさんありますが、研究費は皆さんの税金で賄われてるわけなので

使い道や研究戦略などは普通の方にも明確に説明できるような研究をして欲しいものです。