「今月でちょうど一年になります」
 
 
本日外来に来られたご夫婦の奥様から声をかけられました。
 
 
 
私「もうそんなになるんですね。早いですね。」
 
 
 
ご夫婦の旦那さんは腰部脊柱管狭窄症で長年腰痛に悩まれていましたが、いよいよ痛みと歩行のふらつきが強くなり、ちょうど一年前から外来リハビリに通われていました。
 
 
 
地元の病院ではリハビリが受けられず、長年の痛みやしびれで体中の関節や筋肉が硬くなり、家の中でもほとんど動かないという状況でしたが、往復40kmの距離をよほどの悪天候でない限り、ほとんど休むことなく週2回の通院を続けてこられました。
 
 
 
「1回の治療で劇的に改善!」のようなビフォーアフターではありませんでしたが、通われるうちに少しずつ痛みが軽くなり、できることが増えていきました。
 
 
 
「動くと気持ちがいいなぁ」
 
 
 
ある時からこんな声を聞けるようになりました。
 
 
 
最近は自分の体の調子をよく把握して、こちらが聞く前に色々と教えてくれるようになりましたし、お伝えした運動も家でよく行っているとのこと。
 
 
 
いつも多くを語らず、飾らない性格の旦那さんですが、この一年間をふりかえる表情には確かな自信が見てとれました。
 
 
 
どこにでもある日常臨床の1シーンとも言えますが、地道に継続することの価値に改めて気付くことができた瞬間でした。