こんにちは、世田谷の司法書士の門脇です。


 遺言書でよくある相談が、「父親(や夫)に書いてもらいたいが、なかなか応じてくれない」「怒られそうで話を切り出せない」といった、周りの人が悩んでいるケースです。



「生きているうちから死んだことを考えるなんてとんでもない」、「俺を殺す気か」、という声が聞こえてきそうですよね。

先日ご相談にお見えになった方で、次のような人がいました。



ご主人がガンでこの先長くはない、子どもが二人いるが、息子とうまくいっていないので、相続をきっかけに息子が権利主張してきて、自分が今住んでいる主人名義の自宅に今後も住んでいけるか不安なのだけど、ご主人にいくら言っても、遺言書を書いてもらえない。



どうすればかいてくれるでしょうか、という相談でした。



ご主人の具合はあまりよくないので、自分でも目の前に迫っていることがある程度分かっていると思いますし、奥さんと息子の関係が悪いのも知っているはずなのですが、それでもやろうとしない。



どうすれば分かってもらえるのでしょうか?

この方に対する回答は最後に記載しています(^^)

遺言書やエンディングノートを書いている人はとても増えています。

いまや10人に1人は何らかのものを遺しているといわれています。



自分で書く「自筆証書遺言」は、最近「遺言書キット」などが書店で売られていますよね。

3つのポイントを押さえれば、比較的簡単に作成することができます。

全部自分の手で書くこと

明確な日付を入れること

住所・氏名を記載して、できれば実印を押しておくこと

これで法的には有効な遺言書は出来上がりです。

ただし紛争を未然に防いだり、税金のことが絡んでくる場合は専門家の指導の下で公正証書遺言で作成することが望ましいです。

後のことを考えない遺言書があることでかえって紛争が激化したり、思わぬ請求を受けることもあるからです。



たとえば記載内容が不明確であったり、手続きをするうえで結局相続人全員の印鑑をもらわなければならなかったりで、せっかく遺した意志が実現できなくなることもあるのです。

先ほどの相談の件は、このように説明しました。



遺言書の下書きを作るので、それを書き写してください。

遺言書は奥さんに対するラブレターです。今までの感謝の気持ちをつづってください。

書いた後必ず気持ちがすっきりするので、だまされたと思って書いてください。



頑固なご主人でしたが、少し心が柔らかくなってようで、無事に最後のお勤めをされ、旅立たれていきました。

皆さんも素敵なラブレターを書きませんか?

「司法書士?行政書士?どちらでしたっけ?」

よく聞かれることです。

実際傍から見たらどちらが何をやっているのかわからないでしょうね。

会社設立や相続などはネットで調べればどちらも出てきますし。

司法書士行政書士以外の隣接している士業もはっきりとは答えられないかもしれませんね。

分かりやすいのは、資格が、縦割りの役所の出先機関だと思えばいいのです。

司法書士は法務省、行政書士は総務省の出先機関なのです。

「ほうむしょう」と「そうむしょう」、音で聴くとどちらがどうなのか余計に分らない。。。

「むかしむかしお役所様は、一般市民が直接行けるようなところではありませんでした。

一般市民が窓口に申請に来られると、お役所様の形式に則らないものばかりで、整理がつかないのです。

だからお役所様は一般市民とは直接関わりあいたくない。

そうだ。

一般市民からお役所様の形式が分かる人を作って、その人経由で申請してもらうことにしよう!

ということでそれぞれのお役所様は、資格試験を作り、合格した人に特権を与え、その人が作った申請書だけを審査する仕組みを作ったのです。

だからその人以外の人が作った申請書が出てきたら

「あの資格者に申請書を作ってもらえ」

と門前払いをして、自分たちが仕事をやりやすいようにしていたのでした」

そんな事情で作られたのが、司法書士であり行政書士であり、ほかの資格も同じようなものです。

だからお役所都合で作られていますから、お客さんがどっちがどっちだか分からないのは当然なのです。

今となっては、お客さんの側からすると自分の問題を解決してくれればどちらでも構わないはず。

司法書士と行政書士はそれぞれ業際争い(それぞれが独占業務を取り合っている争いのこと)をしているようですが、霞が関で各省庁が予算を取り合っているのとやっていることは同じ。

くだらない争いをする前に、どうしたら連携してお客さんの問題を解決できるかを考えるのが先だと思うのですがねー。


「結局司法書士と行政書士はどう違うの?」


詳しくは担当省庁にお尋ねください。。。

 2013年12月、政府は平成26年度税制改正大綱を発表しました。

 改正案の中に、相続の場面で非常に大きな影響があるものがあります。

「相続税の取得費加算の特例の縮減」

 現在、相続した土地の一部を売却する場合、相続税を支払っていると「相続した土地全体に対応する」相続税相当額が土地の取得費として加算される制度があります。

「相続した土地全体に対応する」がポイントです。

これが平成2711日以後の開始する相続の場合、「譲渡した土地に対応する」相続税相当額しか土地の取得として加算されなくなるのです。

たとえば、

相続人Aさんが相続税を1000万円納めた。

そのうち相続した土地に対応する割合が60%。

相続で取得した土地(6000万円)の半分を3000万円で売却したとします。

現状 3000万円×95%-600万円(1000万円×60%) = 2250万円(譲渡益) 

これに長期だと20%の譲渡所得税がかかるので450万円が譲渡所得税になります。

これが改正されると、

譲渡した土地の割合3000万円分しか取得費として加算されないため、

3000万円×95%-300万円(1000万円×30%) = 2550万円(譲渡益)

これに同じく長期だと510万円が譲渡所得税になります。

譲渡した土地の割合が低くなればなるほど、取得費加算額は少なくなり、税金が高額になります。

つまり土地をたくさん相続し譲渡する土地が少ないほど、譲渡所得税も高くなってしまうのです。

これは土地をたくさん持っている地主さんを標的にした増税ですね。

平成2711日以後は、相続税の基礎控除も少なくなり増税になるのに、さらなる追い打ちをかけるようなものです。

今後の節税対策に大いに影響がありますね。

現在の制度

https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3267.htm

改正前

所得費加算額  支払った相続税 × 相続したすべての土地の課税価格

                  相続税の課税価格(債務控除前)+生前贈与額

改正後

所得費加算額  支払った相続税 × 譲渡したの土地の課税価格

                  相続税の課税価格(債務控除前)+生前贈与額

                 

現在の民法では、家督相続制度(家族制度)は廃止されています。

家督相続制度とはいったいどのような制度だったのでしょうか?

昔の戸籍をたどっていくと、家督制度の名残が見えてきます。

明治から昭和20年ころまでは、戸籍がひとつの「家」単位で作られ、一家の主である家長が戸主でした。

その戸籍には、配偶者や子どもだけでなく、兄弟やその配偶者・子ども、孫やその配偶者さらには親も入っていることもありました。

3世代4世代の家族が一つの戸籍にいたんですね。

現在は、相続は「死亡」が唯一の原因ですが、昔は存命中でも家長が「隠居」することにより相続が発生していたのです。

なので、隠居した親が子どもの戸籍に入っていることもあったのです。

今の戸籍は核家族化し、結婚すると家族はみんなバラバラの戸籍を編成することになっています。

この法律が、よいか悪いかは別にして、今の社会の核家族化を形成する要因の一つになっている気がします。

またこれに伴い相続権も各兄弟が平等になってしまったため、相続で争うことが多くなっています。

権利は平等になって当然よい部分もありますが、それによって引き起こされる悪い部分もあるのですね。

以前は、家長が相続権を独占していて、ほかの人たちは一切相続権がありませんでしたが、

同時に家長はそれだけの責任を持ち、家族みんなを養う役目をしていたのです。

家族もそれに従うべく、そこに家族としての一体感があったと思うのです。

今その家族の一体感が失われつつあり、権利ばかりを主張することが多くなっています。

先日とある方に聞いた話です。

上海では祖父母が孫を育てるのが常識となっているようです。

子どもが生まれたら、母親はあまり世話をせず、祖父母がその役割を担っているというのです。

日本では親だけが子育ての責任を背負い、結局子どもたちにしわ寄せがいっているようでなりません。

自分も一人の親となって思うことは、子どもは多くの愛情をもって育てることが必要なんだなと。

親、祖父母、親戚、近所の人、いろんな人の愛情を感じながら育つことが一番の栄養になると思うのです。

家督相続制度に戻ることはよくないと思いますが、法律面でも、今の核家族化を食い止める制度を作ることが必要ではないかと思います。

戸籍謄本は、本籍地でしか取得できません。

もし自分の本籍地が住所地と違っていたら、その場所へ取りに行かなければいけません。

相続の手続きで戸籍謄本を取得することはつきものですが、遠隔地へ請求しなければいけないことはしばしばあります。

その時問題になるのが、戸籍謄本の取得手数料をどのように払うかです。

戸籍謄本であれば450円、除籍謄本だと750円かかります。

これは全国一律です。

窓口であれば現金で払うので問題ありませんね。

だけど郵送だと、現金書留で送るわけにはいきません。

そこで通常利用されるのが、「定額小為替」と呼ばれるものです。

これは現在ゆうちょ銀行が発行しています。

http://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/tukau/sokin/hikoza/kj_tk_sk_hkz_kogawase.html

小為替は普通郵便でも送ることができます。

またゆうちょで現金に換えられますので、現金代わりとしてはとても有用です。

しかし厄介なことに、この小為替は発行に一律100円の手数料を取られるのです。

小為替は50円券もあるのですが、これにも100円の手数料がかかる。

郵便局時代は1枚10円だったのですが、民営化後変わってしまいました。

この小為替のことで、役所ともめたことがありました。

相続の手続きで戸籍を郵送でとる場合、何通取得できるかわからない場合があります。

亡くなった方の戸籍が、同じ役所で何回かの変遷がある場合、それごとに1通が作成されます。

そうすると一か所で2~3通取れてしまうことがあるのです。

そういった場合を想定して、あらかじめ多めに小為替を入れて郵送するのが慣例なのです。

が、とある役所に除籍謄本の3通分2250円を1000円2枚と250円入れて郵送請求しました。

後日その役所から電話があり、

役所「○○さんの除籍謄本が1通でしたので、750円の小為替を送ってください」

司法書士「???、2250円送っているから十分足りるでしょう」

役所「いえ、1通750円ですからぴったり送っていただかないとダメなのです」

司法書士「はあ?お釣りを送ってもらえればすむ話でしょう。なんでまた郵送しなければいけないのですか?郵送料かかるでしょう」

役所「いえ、これが決まりになっていますから」

司法書士「お金が足りないわけではないでしょう。」

役所「いえ、これが決まりになっておりますから」

司法書士「おたくは電話で戸籍の通数を聞いても、教えてくれないでしょう。分からないから余分に送っているのですよ。すぐに発行してもらわないと困るのですよ」

役所「いえ、いつもこれでやっていますから」

司法書士「・・・・」

結局750円の小為替を用意し、80円かけて送ることになったのです。

おそらくここの役所は相当にコスト削減に取り組んでいるようです。

しかし、その本当のコストは一般市民に上乗せされるんですね。

何とも困った話です。