最近出たこの本

 

元「ミュージックライフ」編集長がWebサイト「MUSIC LIFE CLUB」で、書き下ろし連載されたのを纏めた物

インタビューだけではなく、そのインタビューの時の様子などから各人の人柄(あるいは各グループの雰囲気が描かれている。

最初のハンブル・パイ

スティーブ・マリオットをリーダーとするこのグループ

来日した1973年当時はブルース系ハードロックバンドとしては世界最強ではなかっただろうか、スティーブの声の「黒さ」とその鋭いシャウトの強力さは他の追従を許さなかったといいっても過言ではないだろう

そののメンバーが妻子を引き連れて、京都、大阪へ和やかな「お上りさんツアー」していたとは、面白い

その後すぐにグループは崩壊、マリオットは過去の栄光の人となり、ハンブル・パイを再結成してもパットせず、ピーター・フランプトンと再度組んでオリジナルのハンブル・パイの再結成を試みようとしたが、自分の寝タバコが原因で焼死・・・という彼の人生を思うと悲しくもある。

 

それと有名なポールマッカートニーの来日公演未遂事件2件、1回目の1975年と日本に到着直後逮捕されて大ニュースになった1980年の時と両方にこの筆者は関わっており、その様子をつぶさに伝えてくれる

その他にもブルース・スプリングスティーン、ディープパープル(ジョン・ロードとトニー・ボーリン)、オールマン・ブラザースバンドなどなど・・・とおけらが若い時に散々楽しませてもらったアーティストのいろんな話が出てくる

 

個人的にはやはり、プログレファンのおけらとしてはジョン・ウェットンが一番興味深かった。

筆者は1974年5月1日のフェルト・フォーラムのクリムゾンのコンサートを見て

「私はこの日、(この)ベーシストと恋におちた」

と語りはじめ、彼女はその姿を追い始める事となる

(しかし、結成した1969年から1974年まで、クリムゾンのコンサートを生で見た日本人は殆どいないはず、そう思うとうらやましい限り)

そういえば、おけらが1978年の発売日に購入したUKのアルバムの

ライナーノーツにジョン・ウエットンのインタビューが少し載っていたが

その時のウェットンを、ハンサムだが、もそもそとした英語をしゃべる人

と書いてあった、これを書いたのはこの水上はるこ氏ではなかっただろうか

(もうとっくの昔に捨ててしまい、確かめるすべはないのだが)

 

ユーライア・ヒープ、ロキシーミュージック(ここでのインタビューを読むと、ウェットンはロキシーに参加した事は自分の「黒歴史」と思っているようだが)

さらにUK、商業的に大成功したASIAと追い続けているが

筆者の「そうじゃない感」は抜けず、やはりウェットンはキング・クリムゾンでの活動が最高、というのはおけらの意を得たりという所

(ライブ盤「USA」を人生で1000回は聴いたと自信を持って言えるそうだ、数はかなわないがおけらも数百回は聴いている)

 

「Good  to see you  happy」との言葉を残し,それが最後の別れとなった

その時の様子は少し悲しいが・・・

 

他にもラウドネス、ゴールデンカップスといった日本のミュージシャンや

留学していたモスクワの音楽事情などなかなか読み応えがある一冊

昔の洋楽ファンには是非