ロストジェネレーションがもたらす危機

 日本経済にとって1990年代以降の時代は、「失われた時代」である。

政府も企業も後ろ向きの対応に追われ、新たな時代を切り開く気概と活力を失ってしまった。

同様に1990年代の「就職氷河期」以降に社会に出た若年世代は、“ロストジェネレーション(失われた世代)”と呼ばれる。


 “割を食った”世代であるロストジェネレーションは、消費に関しても消極的だ。

彼らはかつての若者のように、先行世代のライフスタイルを覆すような「顕示的消費」や、将来の所得増をあてにした「背伸び消費」に走らない。

彼らは消費に踊らず、新たな消費ムーブメントをつくりだすことも少ない。


 若年世代の不活性化は、日本発の革新的商品やサービスが絶えて久しいことと無関係ではあるまい。

高齢世代は概して保守的であり、イノベーションに対しては後ろ向きだ。

若年世代がパワーを発揮しなければ、時代の歯車は前に回らないのである。


 若年世代の存在感は、企業内でも希薄化している。

多くの企業で新規採用を長期間抑制した結果、企業内の年齢構成は著しく高齢化した。

フレッシュな人材がイニシアティブを取らなければ、過去を否定するようなイノベーションは生まれにくい。


 われわれは国家や企業のあり方について、改めて考えるべき時期に来ているのではないだろうか。

年長者が過度のヘゲモニーを持つ“老人国家”や“老人企業”では、未来を切り開くことはできないと認識すべきであろう。