遂に、中関白家の没落が、始まってしまいました。
自分の愛妾のもとに他の男が通っていた、と勘違いした伊周。
弟の隆家に言われるがままに様子を見に来て、コともあろうに(隆家が)脅しで矢を射かけた相手が、花山法皇だったという運命のいたずら
。
そのままね、主従共々トンズラ決めて、全速力で『さよなら』しちゃえば良かったのに(ムリか?)、二人の従者が二人を逃がそうと、花山院や、斉信の従者とが斬りあい、その果てに死人まで出てしまう事件に発展してしまったという…。
道長も、この騒動の現場となった館の主、友である藤原斉信からすぐさま事の次第をきき、なんとか甥っ子でもある伊周と隆家の減刑を模索するのですが…ここに、この機に乗じて二人を追い落としたい人がおりました。
女院・詮子様。
現帝を、産み落としたものの、その息子を中の関白家に取り込まれ、権力を奪われていた彼女。
道長に『敵ではないか』二人の厳罰を迫るも、その気は更々ない弟に業を煮やしたのか。
……。やりましたね。
やったでしょう?詮子様。
倫子様と手を組んで。
自作自演を。
後日、突然具合の悪くなる詮子様。
そのまま寝込むことに。
倫子様が薬湯を持ってきても、それも受け付けない様子。
仕方なく部屋を退出した倫子様でしたが、急に険しい顔になり
『悪しき気が立ち込めておる…!調べよ!』と家人や、女房たちに指示をだすと…。
床下から呪詛の札が『これでもか!』と入った壺が…!
そして、改めて詮子様の部屋を女房たちが調べると、調度品のあちらこちらから、呪詛の札が
どっさりと見つかり…。
『家の中のことは、私が収めとうございます』と、倫子様は、道長に言ったのですが、翌日にはもう、藤原実資を、通して帝のもとに『伊周と隆家が女院と右大臣を呪詛した』と、この事件は伝わっており…。
どう考えても、あんなに元気だった詮子様がいきなり床に伏したり、陰陽師でもない倫子様様が『悪しき気』が分かるはずない(逆に分かったらなお怖い…(-""-;))
たぶん、詮子様が自作自演をしたのはいずれ道長にばれるから、道長が先にてを回す前に、わざと、倫子様にそういわせて、内々でなんとかなる、と道長に安心させて
、その隙にどこかにリークしたんだろうな。
さすが『女兼家』詮子様…(´Д`|||)
謹慎だけでもかなり(メンタル的に)大ダメージを負っていた伊周(もともと隆家が悪のりして光子の様子を見に行って、矢を放ってしまったのに、こちらは結構ケロリとしている印象)なのに、なお一層、追い込まれてしまった伊周兄弟。
こうなっては…と恥を忍んで敵である道長のところへ忍んできます。
屈辱と悔しさ、我が身の不幸に涙を流しながら呪詛に関しては身の潔白を訴える伊周。
頭を下げたその瞳から、ポトポトと下へ落ちるその涙が哀れで。
一度も挫折をしたことのなかったこの人は、この短期間に、なんとものすごい身の転落を経験するのか。
しかし、こうなっては道長にはどうすることもできず…。
一方、内裏では、これまた実家に下がっていた定子様が、道長の計らいで帝のもとを訪れます。
身を伏し、兄と弟の減刑を訴える定子様ですが、やはり、帝にもそれは難しいようで。
無言になる帝に全てを悟ったのか、定子様はそれ以上のことはせず、悲しい淡い笑顔を浮かべ
切ないほどの透き通る声で『下がります…どうかお健やかに…』
とその場を後にしようとするのです。
きっと、定子様は実家が没落した以上、これで帝とはお別れと思ったんだろうな。
でも、帝は去ろうとした定子様を追っていき、優しく抱き締めてくれます。
まるで私の妻はそなただけだ、とでも言うように。
世に認められた正式の夫婦であり、こんなに思いあっているのに、この二人はなんと悲しい運命なのか。
一方、そんな大事件が起きつつも、世の中は新しい除目がつきつぎと行われ。
かつて
『道長が任命しないのなら、帝にこの人の任命お願いするから良いもーん』
と詮子様が言っていた『源国盛』がやってきます。
越前の守に任命されたこの人。
奏上した漢文が、帝も褒めるほどあまりにも見事だったので(あと、賄賂一杯)この役職をゲットしたのですが、それは代筆してもらったものだそうで。
『はっはっは』とのんきに笑う国盛ですが、今、越前は宋人が、押し寄せて大変な時。
ひとつでも悪手を打てば国際問題になりかねない。
こんなアホっぽいやつにはまかせられない…。
悩む道長のところへ、他の申し文と一緒にに一通の文が届けられます。
見事な漢文に記された送り主の名は、まひろの父である藤原為時。
しかし、道長は、すぐに気がつきました。
『これ、まひろの字じゃねぇ?🌸』
そう、まひろは宣孝様の『任命が終わっても、赴任先が変わるのはよくある』という言葉に後押しをされ、密かに申文を父の名でだしていたのでした。
家に帰り、まだ持っていた(!)まひろの文と見比べて筆跡鑑定までして確信する道長。
几帳の後ろでは、倫子様が様子をうかがっていたけどね(怖っ。まあ、先の詮子様の具合が悪くなった件を報告しに来たのだけれど)
こうして、為時パッパは道長に推挙され、淡路守どころか越前守に任ぜられるという大出世を遂げます。
なのですが…心に引っ掛かりがある為時パッパ。
たぶんこれは、道長が取り計らってくれた任命に違いない。
一体、我が娘と道長には何があったのか。
それを知らずんば、この喜びを素直に受け入れられない。
真面目なパッパは、何もごまかさずまひろにそうたずねます。
『かつて道長様は、私が恋い焦がれたお人でありました。身分の差が埋められないなら、二人でどこか、遠い国へ二人で逃げよう、と言って下さったこともありました。でも、全ては過去のことです。今回のことは、学識を磨いてきた父上のお力が認められたのです』
なんの曇りもなくまっすぐに父を見るまひろ。
パッパは娘がそんな恋をし、愛されていたんだな、とほっとしたと同時に、身分の違いで娘に恋を諦めさせてしまった申し訳ない気持ちを同時に感じていたのかも。そして、道長にそこまで愛され、こんな栄誉に導いてくれた娘に感謝も。
そんな幸せが来たまひろのもとに、ききょうが訪れて。
自分に巻き込まれてききょうに何かあっていけないと、定子様が宮中から下がらせてくれたという彼女。
でも、謹慎している伊周と隆家に呪詛の件で捕縛の令がだされ、一緒の館にいる定子様のことが心配でたまらない。まひろさん、一緒に様子を見に行ってください!
と、どー見てもコントな市井の女の格好をして、ニ条の館に向かう二人。
館の回りには検非違使や、連行される二人を見ようと人だかりになっていて。
そんななか、館に潜り込めたまひろたち(ニ条の警備は…ザル?)
庭から中の様子をうかがうと、もう、これ以上は逃げられない、と隆家が『母上、兄上お達者で…!』と別れを告げ、出ていくところでした(いや、格好いいことしてそうだけどさ。この『大事件』の『諸悪の根元』は、あなたよ)
一方の伊周は、『俺は出ていかぬ!太宰府などにも行かぬ!行かぬぞ!』と、往生際が悪く、館の奥へ逃げていきます。
そこへ検非違使たちが踏み込んできて。
家の中を捜索しますから、と中宮である定子様を外に止めてある牛車に移らせようとする検非違使たち。
しかし、定子様は彼らの一瞬の隙をつき、刀を奪い…!
発作的に髪を下ろしてしまうのです。
自決、とも言える絶望の縁からやってしまった定子様のこの行動。
驚いた清少納言のアップ、そして定子様の虚ろなお姿で今回は終わりとなります…。
来週は枕草子誕生、ですね。
こんな悲しさを乗り越えて、キラキラした『宝物』を、残すききょう。
伊周はどんな思いで流されていくのかな。
それにしても今回、邪気祓いの反閇をし、『刀伊の入寇』のフラグを立てる晴明氏に『おおっ!』となりました。