今回、とうとう、兼家パッパが退場されてしまいました。
最期、夜空の三日月を見上げ、自分の人生に、満足げに微笑んだように見えたパッパでしたが、次第にその目に映る月は淡い黄色から、血のような赤色に染まっていき…。
明子女王の呪詛のためか、それとも自分自身の手は汚してなくても、策略をもって他者を追い落としてきた怨みの念が『赤い月』となって現れたのか…。
『お主らの怨みなんぞはわかっておるから、そんなに現れんでも良いではないか』
最期の最期は笑うことも許されなかったパッパ。
翌日、屋敷の橋の上で冷たくなっていたパッパのお顔はおだやかなものだったので、身体的な苦しみはなかったのだろうけれど、これから彼の息子たちは、栄華だけれど『骨肉の争い』という苦しみの道を歩んでいくわけで…。
そう、死の間際、息子三人を集め、道隆を、後継者に指名し、出家もし、妾宅を訪れて(いや、向こうが訪れた感じかな?)
寧子さんに愛とも言える言葉を伝え(最後まで『道綱、道綱』のサブリミナルをしていたのには、らしいというか(^_^;))、終活は完璧だと思われパッパでしたが、拗らせまくった次男坊がねぇ。
もう、パッパのなかでは、自身が元気なうちから、『日向を歩かせるのは、道隆と道長。日陰を歩かせるのは、道兼と道綱』と決まっていたわけで。
ここまできて、やっとパパの真意に気づいた道兼は、哀れというか。
しかもパッパ、勢い余って過去に道兼が、人を手にかけてることまで家族にばらしちゃって。
その返しで、道兼はパッパのあらゆる悪事を暴露してしまい。
知ってしまった道隆兄上の動揺も、ハンパなかった(-""-;)
とんでもない事実を知ってしまったからには、いくら、高貴な人たち以外は人だと思っていない兄上も、道兼に何か任せる気にはならないよねぇ。
道兼は、喪にも服さなかったし…。
かくして、パッパの後をついだ兄上。
おだやかそうな顔とは裏腹に、まだ、年若い伊周を蔵人の頭に着けたり、定子様を、中宮にすえちゃったり(これも後々、ねぇ(-""-;))、やりたい放題をはじめ。
この世の天下を、謳歌しはじめる彼どけど、やはり、詮子様は定子さまが気にいらない様子。
一条帝は、年相応の無邪気さで定子様とじゃれあっているように思え、定子様も、それを受け止めてあげているだけなのだろうけど、詮子様は息子が帝であるがゆえに厳しく見てしまうのだろうな…。でも、『見苦しや!』はないよね💧
いや、まだ、東宮である頃から、その息子の身分ゆえに、詮子様は必要以上に彼に厳しかったのかもしれない。それの反動で定子様に甘えまくっているのだろうけれど。
この微妙な不協和音が、後々にも影響を及ぼすのかと思うと((T_T)
道長。
前回、まひろとバッタリと鉢合わせになってしまった彼、当然心ここにあらず状態になりました。
倫子様が『お着替えを手伝いましょう』と。申し出たのに『いや。よい』と、シンプルに自分で着替えるよーって感じだったけれど、これは、『ファンがアイドルに握手した後に、手をを洗いたくない』と、同じような状態だよね。久しぶりにあ会ったまひろの面影に浸っていたい…。
そして、場面は移り変わり。
パッパの退場にたどり着くわけですが。
冷たくなったパッパを抱き起こし、何度も呼び掛ける道長。
もう、自分の家庭をもち、子もいる彼だけど、大事な支柱が自分の中で、ポッキリと、折れてしまったような感じなのだろう。
ここからまた、体内に核となるものを作り上げていくのか。さらに強いものを。
そして、悲しみの中でも、二人の妻に対する心遣いは忘れない彼。
特に明子さまは、身ごもっているのに呪詛なんかしたバチが当たってしまったのか、せっかくの子を流産してしまい。
自邸で臥せる彼女を見舞う道長。
『喪中なのに、(流産してしまった)穢れを厭わないで見舞いに来てくださるとは…』
と言う彼女に
『気にするな』
と返す道長。
兼家パッパの死、という目的を遂げ、彼女はどうなるのか、と思っていたのだけれど、なにやら彼女の表情は、彼の優しさに触れ、解きほぐされていたような…。
でも、二人の妻たちには『優しい』けれど、心の一番大事なところには、常にまひろがいるんだよねえ…。なんていろんな方面に残酷な。
そのまひろ。
(当然だけど)倫子様の、お誘いも断ってしまい、相変わらず無職の彼女。
そんな中、蔵人の頭に就任した伊周に、嫁取りの話が持ち上がりはじめ。
嫁選びのため、道隆邸では、やんごとなき姫様方を招いて、和歌の会を催すとに。
まひろは賑やかしの為、館に呼ばれることになったのですが、そこにはききょうも呼ばれていて。
懐かしさに顔をほころばせ、互いの近況を伝えあう彼女たち。
『まったり』とした和歌の会が終わると家に戻り、『たね』に文字を教える日常に戻るまひろ。
そこへききょうが訪ねてきて。
『誰です?いまの汚い子供は?』
相変わらずオブラートにくるんで言う、ということを知らない彼女w
でも、カラッとしているので、そんな嫌な感じもしないのが得してるw
そして白湯を、ごちそうになりながら、今日の和歌の会のことを語りはじめ
『今日の和歌の会は、つまらないものでございました。私はああいう姫様方が嫌いです。
良い婿を探すことにしか頭がなく、自分を磨こうともせず、その事を不幸とも思わず生きていく彼女たちが』
びっくりするまひろに、彼女はさらに続けます
『私は自分を磨くために宮中に女房としてはいりたいのですが、夫はそんな恥ずかしいことはやめてくれ、というのです。文字も読めなくても良い。歌も詠まなくてもよい。ただおとなしくして、自分を慰めろと。下の下でございましょう?いっそ、夫と別れて息子も夫のところにやってしまおうと思っているのです』
あなたの目標は何ですか?と訪ねるききょう。
まひろは『字を読めない人を一人でもなくしたい』と答えますが、彼女は
『私は、私自身が幸せになります。世の中を良く見て、私自身を磨き、幸せになることが、他の人の役に立てるように!!』
まるで、現代人にも問いかけているような、ききょうの言葉。
当時の女の人としては変わった考え方なのかもしれないけれど、まひろにはとても、眩しく、はっとさせられる言葉だったのではないかな。
多分、まひろは母の死は自分のせい、と、思ったそのときから『自分は幸せになっちゃいけない』と心のどこかで思っていた節がある。
ききょうのこの考え方も、後のまひろの人生でも大いに意味をもってきそう。
道長は直秀の悲劇を繰り返さないように、検非違使の改革に勤めようとし、道隆に取り下げられ、まひろは『たね』に文字を教えるのを頑張っていたけれど、たねの父親に現実を突きつけられ阻まれ。
皆を良くしたいと頑張る二人は、よくにていて…。
もし、まひろが高貴な生まれで、道長と、結ばれていたら、二人で慈善事業とかしてそう。
いや、高貴な姫だったら、シモジモの事情は目にしないから、そんなこと思わないか。
それにしても、『シモジモのことは、下の者に任せれば良い!』と、言い放つ道隆兄上とか、四年間無職でも、あまり就職活動を、していないように見える為時パッパとか、貴族って本当に生産性のない階級だよなぁ…(-""-;)と、思えてならない
生活が苦しく.せめて私が出ていって食扶持を減らす、と、覚悟の申し出をしたいとさんに『お前は行くところもないだろう。ここがもう、お前の家だ、出ていくなんて言わなくて良い』と、格好の良いことをいうパッパだけれど。
私は、『職もなく、本読んでばかりで(当時としては当たり前だけど)家事も畑も一切しない、そんなお前さんが、偉そうなこと抜かすな!娘を見習え!!』と突っ込みたくなった(^_^;)
次回は遂にききょうが自分の生涯の『推し』と巡りあうのかな。
楽しみ♪
それにしても実資様。
若くて高貴な奥さまをもらって幸せそう。
だけど婉子さま、なぜ腹を触る?
誘っているのだろうけれど、ひょっとしてデブ専(←お二人に失礼すぎる)!?